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第1015回 ホバリングする鳥

①https://plus.amanaimages.com/items/search/フライト?page=2より引用のホバリング中のドローン

    「ホバリング」を始めて観たのは、子どもの頃に八尾飛行場から飛びたったヘリコプターが、いま思えば何かの取材で、空中停止していました。そんな大昔の頃に「ホバリング」なんて言う洒落た言葉なんか存在していたかもしれませんが、私たちの耳に携わることはありませんでした。それから何年も後のことで、テレビでスズメガくらいの大きさで、②の体重約1.6〜2.0gのマメハチドリがホバリングをして、スズメガと同じように花の蜜を吸っているその姿にはびっくりしました。

②http://photozou.jp/photo/show/106073/64911041より引用のハチドリのホバリング

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   ホバリングとは「空中停止」のことですがよく似た言葉に『空中浮揚(くうちゅうふよう)』があり、物体、特に固体が空中に留まることをいい、科学的な物理学です。リニアモーターカーなどがその際たる『空中浮揚』です。ホバリングというのは空中で静止するということです。日本語の「空中停止」が読んで字の如しです。鳥が羽や翼を動かせば、それに対する反作用が働いて体も動いてしまいます。その前後するうごきをコントロールし停止状態にするのがホバリングした状態です。

③http://www.forest-akita.jp/data/bird/13-misago/misago.htmlより引用のオスプレイのモデルとなったミサゴのホバリング

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   鳥のホバリングは、1.上向きだけの揚力をどのように作るか  2.翼や羽の反作用をどう扱うかの二点がホバリングの際に考えるべき重要なポイントで、鳥が飛行機と同じように翼が空気を切るようにはばたいて揚力を生み出すことが、多くの鳥がホバリングの出来ない理由です。鳥にはトンボのホバリングのように四枚の羽を本当に静止しているように見えるのは、前後の羽を使って交互に羽ばたくことができるからです。それでもハチドリが軽やかに静止できるのは体重が軽いからです。

④http://siminiwa.com/yunikuhatumei/hobaringu/hobaringu.htmlより引用のカワセミのホバリング

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   ③のミサゴは体長約55〜63㌢、開翼長約157〜174㌢、体重1.2〜2.0kgとマメハチドリは体重およそ3g足らずの身体を比べると、ミサゴは大奮闘しています。ホバリングする目的もハチドリは停止して花の蜜を吸うのに対して、ミサゴは水中の捕獲しようとする魚に目掛けて、ダイビングして、その獲物を捕らえます。そんなミサゴは今ではアメリカ空軍のオスプレイのモデルにまでなっています。颯爽とした勇姿のホバリングが売りです。

⑤https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32223000701より引用のヒヨドリのホバリング

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   対する体長約17㌢、開翼長25㌢、体重31gのカワセミは、ミサゴと同じ目的の水中にいる小魚を目掛けてダイビングするためのホバリングですが、僅か1〜2秒の空中停止で、獲物目掛けてダイビングする速度は時速百kmに達し、そのフォルムが認められ、500型新幹線のモデルになりました。またヒヨドリは、体長約27㌢、開翼長約40㌢、体重約66~100g。この体型でホバリングの目的は花の蜜を吸うことですから、カワセミなんかよりも、長く空中停止しているのは立派です。

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