見出し画像

第1556回 街中に進出する野鳥

※Twitterより引用の街中に進出する鳥を見送る仲間の鳥たちのイラスト

   私は何時も春先になりますと、街の中に普段は見られない野鳥がやって来ますのを楽しみにしています。まずは遠く南の国に越冬していたツバメが生まれ故郷のこの日本に帰ってきて、遠く藪中でさえずっていましたウグイスも徐々に近づき、そのウグイスに間違われるメジロはつがいで民家の梅の木に現れ、何時も見かけるシジュウカラは数を増やしてやって来て、同じカラ類のヤマガラや、尾羽の長いエナガ、キツツキの仲間のコゲラなんかも、皆んな春の旅行のように現れます。

①-1.https://www.town.miharu.fukushima.jp/soshiki/12/tori01.htmlより引用の街中進出のヒヨドリ(体長約27㌢)

画像5

①-2.http://orion-pk.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-ff23.htmlより引用の街中進出のムクドリ(体長約24㌢)

画像6

   1960年代に早くも街中進出したのは①-1.のヒヨドリと①-2.のムクドリです。この二種に至ってはもう私たちの身近であり、また少し離れたような存在感があります。この時代と言えば、前後の復旧の開拓の時期によって、ヒヨドリは日本の北国から街中にやってくる漂鳥の冬鳥でした。それが人の住む街中が暖かく感じられて留鳥になり街中進出しました。ムクドリも開拓の名の下に山畑から追いやられて街中に落ち着いた集団性の高い野鳥です。二種は高度成長期の煽りを受けました。

②-1.https://w-sc.jp/crow/より引用の街中のハシブトガラス(体長約56㌢)

画像1

②-2.https://www.nature-engineer.com/entry/2018/11/04/031432より引用の街中から離れたハシボソガラス(体長約50㌢)

画像7

   私が子供だった頃には、黒いマントを羽織ったカラスは不吉の象徴とされ「カラスが鳴いたから、不幸が起きる」とかいいました。たまに街中に現れるカラスは②-1.のハシブトガラスではなく②-2.のハシボソガラスでした。当時は今の様な分別したゴミをポリ袋に入れてゴミ置場に捨てるでなく、蓋の付いたゴミ箱にいれ、各家ごとに置きました。1970年頃よりゴミ置場に沢山の生ゴミが積み上げられた時より、ハシブトガラスが街中に集結し、生ゴミを漁りその生息数も増加しました。

③https://www.seikatsu110.jp/animal/am_pigeon/43248/より引用の街中のキジバト(体長約33㌢)

画像2

  日本で鳩といいますと、何時も街中にいるドバトと、③の写真のキジバト、身近ではありませんが、綺麗な緑色したアオバトを指します。日本の第二次経済高度成長期を終え、1980年に差しかかった頃、その当時のキジバトは、アオバトと共に別名を「ヤマバト」と呼ばれていました。読んで字の如く、山に棲む鳩だから山鳩です。そんな山に棲むハトを街中に追いやった原因の一つに三種のハトの内、キジバトだけが狩猟鳩となりました。山に棲むキジバトは銃から逃げて来ました。

④-1.https://www.angel-f.com/himawariblog/?p=43744より引用のコンビニ前のハクセキレイ(体長約21㌢)

画像3

④-2.https://www.birdfan.net/2019/10/25/74254/より引用の左側セグロセキレイ(体長約21㌢)と右側ハクセキレイ

画像8

   セキレイの話しになりますと、必ず登場するのが「日本書記」の日本国創設のでの、イザナギ、イザナミの神々の話しに現れるセキレイは三種(キ、セグロ、ハク)のうちのどれかで、その当時の生息地が、西日本にはいなかったハクセキレイは、その主役から外れました。話を現実に戻して、調査をしてみますと、1950年代まで、ハクセキレイは北海道と東北北部にしか生息しておらず、その後、どんどん南下していき、現在の状況下にあります。もともと大陸から渡ってきた野鳥でした。

⑤http://yaseiran.cocolog-nifty.com/arata/2018/01/post-98bd.htmlより引用の街中のイソヒヨドリ(体長約25㌢)

画像8

   ⑤-1.は只今も街中に進出中のイソヒヨドリです。イソヒヨドリは漢字表記で「磯鵯」。岩場の多い海岸にすむヒヨドリに似た鳥という意で、誰もが疑うことなく、ぴったりした命名だと思っていました。そのイソヒヨドリは、かつてはユーラシア大陸の高山の岩場に広く分布するこの鳥が、我が日本に渡って海岸の岩場に生息が、その中から日本中で進行しているイソヒヨドリの内陸部進出」は、イソヒヨドリ自身の習性変化か、環境の変化を意味するのか、まだまだ謎だらけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?