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第616回 都会に住む野鳥

①http://www.tori-monogatari.com/illust_detail.php?pSid=12より引用のイラスト

   以前に野鳥のお登りさんみたいな語りをいたしましたが、その街中に進出してきている野鳥は増えています。人間が野鳥の狩をほぼ禁止したから、野鳥たちの警戒心が薄れているからだとする考え方があるのは確かです。それに昔のように緑がないような街づくりではなく、緑の多い街並みが住む人間にとっても、心身ともに癒される生活が送られるからで、その恩恵は多くの野鳥達にも還元されてしかるべしと思います。①のイラストは海辺の街に営巣するハヤブサ一家です。

②最近進出してきたコゲラ(体長約15㌢)

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   つい最近のことだと思いますが、以前では普通にお目にかかれない野鳥のひとつのキツツキの仲間であるコゲラが街中にやってきました。コゲラはキツツキの仲間の中では一番小さな身体です。私たちの身近な野鳥で例えるならば、スズメと同じ体長約15㌢ほどの小さなコゲラ。普通のキツツキは枯れ木が最適とか、太い樹木でないととか言われましたが、このコゲラは小さいが故にそんなに太くない樹木で間に合い、その樹木が植えられているのは、街中の公園ということもあります。

③トコトコ歩いているハクセキレイ(体長約21㌢)

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   普通③の写真を皆さんがご覧になったら「セキレイ」と野鳥に興味がある方はお答えになると思います。カラスやハト、キツツキっていう感覚だと思います。私の住む街には、灌漑用水路として使われている溜池がある大きな公園があります。「セキレイ」という野鳥は実は三種いて、河川の上流域に生息するキセキレイ、中流域のセグロセキレイ、下流域のハクセキレイです。そのキセキレイはもっと綺麗な水域に去り、ハクセキレイは反対に水域を離れ、コンビニに定着しました。

ドバトと違う性格のキジバト(体長約33㌢)

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   ④の写真はキジバトです。またの名前は「ヤマバト」です。本来なら字で読んで字のごとく街中よりも山やその付近に住んでいて、その名前の由来となったキジバトの「キジ」は、やはり山の裾野にすんでいるメスのキジの模様に似ていたからです。そしてキジバトと街中でたむろしているドバトとの違いは、まさにたむろするか、しないかの違いです。最近では街中に現るキジバトは当初人間に餌をもらっているドバトの群れを遠巻きには見ていましたが、最近では混じる姿を見ます。

⑤都会にはいなかった大集団が好きなムクドリ(体長約24㌢)

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   ⑤の写真のムクドリも街中に住み着いた野鳥のひとつです。街中のドバトのように群れることが好きですが、ちょっとドバトとの群れとは様子が違います。ムクドリは昼間は街中では頻繁に見ることが出来ないと思います。ムクドリはよく椋の実が好きな野鳥だからムクドリと名付けられたと言いますが、実は木の実より地上や土中にいる虫なんかが好きなのです。だから、その餌探しは郊外が多く、また寝ぐらは天敵に襲われることが少ない街中の駅のロータリーに居着きます。

⑥磯辺の岩から都会のビルにやってきたイソヒヨドリ(体長約25㌢)

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   私が⑥の写真のイソヒヨドリを初めて見たのは、以前に住んでいたマンションからの通勤途中にあるハイツの三階のみ道沿いの角部屋が空室にいた頃、そのベランダの天井から吊るしてあるエアコン外機と天井の隙間にイソヒヨドリは営巣していました。そのハイツの向かいの工場の国旗掲揚のポールの天辺からいつも綺麗なさえずりをする青い野鳥がいたら、誰でも目に付きます。本当は磯にいるべき野鳥が、こんなコンクリートの塊に住んでもう十年以上が経ち、増加の一途です。

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