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第1204回 俳句のなかの野鳥 ⑶

①https://vivre-media.jp/3838より引用の俳句

②http://www.asahi.com/eco/gallery/110410_wild_animals/s24-1.htmlより引用の朝日に羽ばたくハヤブサ

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   な〜は)  (94)  ナベヅル(冬)
  鍋鶴の ついばむときも 光なく (吉岡禅寺洞)
(95)  ニュウナイスズメ(秋)
  北よりの 入内雀 空おほふ (滝沢伊代次)
(96)  ノジコ(夏)
  野鵐なり  森の水甕の  水揺りしは (千代田葛彦)
(97)  ノビタキ(夏)
  茨の芽 野鶲きたり かくれける (水原秋桜子)
(98)  白鳥(冬)
  海涼し 白鳥向ふより来る (正岡子規)
  注釈1.  初声(新年)
元日の朝に聞こえる鳥の声。犬や猫は含まない。
  注釈2.  初烏(新年)
初烏は神の使いとされ、めでたいとされる。     (99)  かんばせ=顔のさま
  かんばせを 見せて止りし 初烏 (平畑静塔)
(100)  ハヤブサ(冬)
  隼に 日本海の 朝日かな (正岡子規)
(101)  花鳥(春)
  注釈  はなとり 花に来る鳥
  花鳥に 何うばはれて このうつつ (上島鬼貫)
(102)  羽抜鳥(夏)
  注釈  羽の抜け替わる頃の鳥。
  涼しさを 祈り過てや 羽ぬけ鳥 (横井也有)
(103)  春の雁(春)  はるのかり
  注釈  春になってもまだまだ北へ渡らずに残っている雁。
  春の雁 八羽ばかりの 雁さびし (山口青邨)
(104)  バン(夏)
  鷭ありく 川杭がくれ たそがるる (正岡子規)

③http://photozou.jp/photo/show/169066/156955734より引用の赤い実を頬張るヒヨドリ

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   )  (105)  ヒガラ(夏)
  松島の 松をこぼるる 日雀かな (成田千空)
(106)  ヒシクイ(秋)
  菱喰の 遠見に群れて しづかなる (染谷秀雄)      広沢や ひとり時雨るる 沼太郎 (中村史邦)
(107)  ヒタキ  鶲(冬)
  注釈  俳句ではジョウビタキ
  鶲来て 色つくりたる 鶲かな (飯田蛇笏)
(108)  ❶  ヒバリ  雲雀(春)
  草も木も 離れ切たる ひばりかな (松尾芭蕉)
  一羽いて 雲雀の空に なっている (坪内稔典)
❷  ヒバリ  揚雲雀(春)
  注釈  空高く舞い上がって囀るヒバリ
  青空は 神のてのひら揚ひばり (黛まどか)
  物草の 太郎の上や 揚雲雀 (夏目漱石)
(109)  ヒヨドリ  鵯(秋)
  鵯の こぼし去りぬ 実の赤き (与謝野蕪村)
  ひよの来て  しきりに揺るる  通草かな (東義人)
  人のする 絶叫なるを 鵯もせる (相生垣瓜人)
(110)  ヒレンジャク  緋連雀(秋)
  緋連雀  一斉に立つて  もれもなし (阿波野青畝)
(111)  ヒワ  鶸(秋)
  注釈  マヒワベニヒワなど  
  鶸渡る 空や寺子の 起時分 (浪化)
(112)  ビンズイ(夏)
  便追や 羽黒の朝の きつね雨 (皆川盤水)
  鳴きとめし びんずいそこに 木陰冷ゆ (田中灯京)

④https://toshi271.exblog.jp/tags/オオマシコ/より引用の枯れ枝のオオマシコ

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   ふ〜ま)  (113)  フクロウ(冬)
  山の宿 梟啼いて めし遅し (高浜虚子)
  梟の ふはりと来たり 樅の月 (松永鬼子坊)
鳴きいでし 梟月を いまえたる (高井紅雨)
(114)  ブッポウソウ  仏法僧(夏)
  夜気募り  疳つのり仏法僧を聞く (長谷川かな女)
(115)  冬鴉(冬)
  たわたわと 冬鴉わたる つばさかな (原石鼎)
(116)  ホオアカ(夏)
  頬赤の 鈴割れごゑや 空澄む日 (堀口星眠)
(117)  ホオジロ(春)
  頬白や  ひとこぼれして  散り散りに (川端茅舎)
(118)  ホシガラス(夏)
  星鴉 風のあとまた 水の音 (鈴木六林男)
(119)  ホトトギス(夏)
  谺して 山ほととぎす ほしいまゝ (杉田久女)
  ほとゝぎす 一人静を 持ちかへる (渡辺水巴)
(120)  マシコ(秋)
  枯枝に ひとりしぐるる 照猿子鳥 (青血彫棠)
(121)  マヒワ(秋)
  大たわみ 大たわみして 鶸わたる (上村占魚)
(122)  マミジロ(夏)
  眉白を きゝとめし岩に 霧かゝる (春潮)

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/ikitomojiisan/entry-12543757673.htmlより引用の熟柿を突くメジロ

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   み〜も)  (123)  ミサゴ(冬)
  鶚飛ぶ 潮ひびかせて 立つ巌 (上村占魚)
(123)  ミソサザイ  鷦鷯(冬)
  崖よりも まれにはひかり 鷦鷯 (加藤楸邨)
  捨て水の やがて氷るや 三十三才 (井泉水)
(124)  みみずく(冬)
  木莵や 上手に眠る 竿の先 (小林一茶)
(125)  ムクドリ  椋鳥(秋)
  椋鳥と 人に呼ばるる 寒さかな (小林一茶)
  椋鳥や 草の戸を越す 朝嵐 (村上鬼城)
(126)  メジロ  目白(夏)
  嘴深く 熟柿吸うたる 眼白かな (原石鼎)
  目白鳴く 日向に妻と 坐りたり (臼田亜浪)
(127)  メボソムシクイ(夏)
  しらびその  陽の清涼に  鳴く目細 (小松崎爽青)
(128)  モズ  鵙(秋)
  鵙の声 かんにん袋 破れたか (小林一茶)
  人鬼に 鵙のはや贄 とられけり (小林一茶)
(129)  ももちどり  百千鳥(春)
  注釈  ももちどり  鶯説、千鳥説などもあるが、俳句では春に囀る様々な鳥。
  川上は 柳か梅か 百千鳥 (高井其角)

⑥http://www016.upp.so-net.ne.jp/ran2794/teizann31.htmより引用の山路のヤブサメ

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   や〜わ)  (130)  ヤブサメ(夏)
    やぶさめや  山路なほ咲く  すひかづら (水原秋桜子)
(131)  ヤマガラ(夏)
山雀の 輪抜けしながら わたりけり (小林一茶)
(132)  ヤマセミ(夏)
山翡翠の 冠毛立つる 蕗の雨 (岡田貞峰)
(133)  ヤマドリ  山鳥(春)
  注釈  ヤマドリ。(または、山にすむ鳥)  雉と共に春の狩猟の双璧。
  山鳥の ほろほろ雨や とぶ小蝶 (小林一茶)
(134)  ユリカモメ  都鳥(冬)
  注釈  俳句ではユリカモメ
  塩にしても いざことづてん 都鳥 (松尾芭蕉)
  可惜夜の わけても月の 都鳥 (黛まどか)
(135)  ヨシキリ  葭切(夏)
  注釈  大葦切と小葦切の二種があり、大葦切をいうことが多い。葦雀、葦原雀、葦鶯、行行子、けけし。
  よし切や 葛飾ひろき 北みなみ (永井荷風)
  葭切も 眠れぬ声か 月明かし (相生瓜人)
(136)  ヨシゴイ(夏)
  葭五位の 身を置く程の 葭伸びず (夏船)
(137)  ヨタカ(夏)
  夜明ても くらしと夜鷹 鳴きつゞく (水原秋桜子)
  鯔はねて 河面暗し 蚊喰鳥 (水原秋桜子)
(138)  ライチョウ(夏)
  雷鳥も われも吹き来し 霧の中 (水原秋桜子)
(139)  らくがん  落雁(秋)
  注釈  空から舞い降りてくる雁。
  らくがんの 中に苦や 番の鳥 (松江重頼)
(140)  ルリビタキ(夏)
  沢を吹く 歯朶の嵐に 琉璃鶲 (春潮)
(141)  渡り鳥(秋)
  注釈  大群の多い冬鳥の渡りが目立つので秋。
  大海や 一かたまりの 渡り鳥 (正岡子規)

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