第1633回 壮絶な野鳥の離婚劇

①https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=離婚届より引用の離婚届書

   昔の人間社会での離婚の理由は、子供が出来ないからとか、身体の弱いからとかね理由で離婚劇があり、今の社会では不倫が理由での離婚劇が上位を占めています。それは人間社会だけかと思っていましたら、やはり鳥類の世界でも色んな理由の離婚劇はあるようです。その昔の考えなら鳥には離婚などはなくて、つがいになれば、人間社会の理想のように一生添い遂げる物だと信じ切っていたようです。しかし色んな野鳥の観察や研究を続けていく内に、人と変わらぬ実態がありました。

②-1.https://blog.goo.ne.jp/nekopunch-222/e/e9f97cbba0be4fdb2b68b51cd8348621より引用のつがいのシジュウカラ(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)

②-2.https://blog.goo.ne.jp/shikokusaburou-4157/e/4defa2c2e24084a970d0f7910898d50dより引用のつがいのキビタキ(左がオス、右がメス体長約14㌢)

   ②-1.の写真は雌雄同色の身近な野鳥のシジュウカラと②-2.の写真はオスが派手な色合いで、メスが地味な色合いの夏鳥のキビタキです。身近な野鳥ほど雌雄同色が多く、性的二型の野鳥は今のところイソヒヨドリを除いて、あんまり身近な野鳥とはいえません。この二つのパターンの他に猛禽類のワシタカのように、雌雄の身体の大きさによる性的二型もあります。このシジュウカラとキビタキなどに於いては、一つの繁殖期が終わりますと、基本的にはこのつがい関係は解消されます。

③-1.https://www.birdfan.net/2013/04/19/22253/より引用のつがいのオシドリ(左がオス、右がメス共に体長約45㌢)

③-2.https://www.birdfan.net/2017/06/30/53856/より引用のつがいのタンチョウ(左がメス体長約130㌢、右がオス体長約140㌢)

   ③-1.の写真は夫婦の鑑のように言われています「鴛鴦夫婦」でお馴染みのオシドリです。しかし、実際には典型的な一夫多妻と言われて、います。繁殖期の営巣まではつがいですが、産卵を迎えた途端に、このメスとは別れて次のメスを探します。その正反対が③-2.の写真の鶴の仲間タンチョウです。タンチョウはつがいになると、相手が死んでしまうまで添い遂げると言われています。死んでた相手の体が目の前から見えなくなるまでずっとそばを離れなかったというくらいです。

④-1.https://www.birdfan.net/2018/04/20/61742/より引用のつがいのキジ(左がメス体長約60㌢、右がオス体長約80㌢)

④-2.https://www.birdfan.net/2018/04/20/61742/より引用のつがいのキジバト(左がメス、右がオス共に体長約33㌢)

   前項のオシドリと同じく、昔話の桃太郎にも登場し、犬や猿と桃太郎にお供して見事に鬼退治を成功させ、その勇敢さが買われて、日本の国鳥や紙幣にも登場しましたキジ。しかし、今や一夫多妻であることは世間には広がりました。そのキジのメスと身体の柄がそっくりだといって、名前をキジバトした別名ヤマバトは、同じ鳩のドバトに比べると、単独かつがい行動が主ですが、いざ繁殖期になり営巣してつがいで子育てをした折、子育てが失敗してしまうと、つがい関係を解きます。

⑤-1.https://www.sozailab.jp/sozai/detail/29094/より引用のつがいのウグイス(左がメス体長約14㌢、右がオス体長約16㌢)のイラスト

⑤-2.https://www.birdfan.net/2019/09/13/73375/より引用のオスのセッカ(体長約12㌢)

⑤-3.http://kotorit.blogspot.com/2019/05/blog-post_25.html?m=1より引用のメスのセッカ(体長約12㌢)

   日本三鳴鳥の一つが⑤-1.のイラストのウグイスです。ウグイスは昔から知られた一夫多妻です。オシドリやキジは最近になって一夫多妻と分かりました。ウグイスの仲間に⑤-2.、-3.のセッカがいます。セッカは縄張り内に数軒の巣を構えてメスを誘い、子育てはメスに任せっきりで、自分はさえずるだけです。セッカの離婚は、もっぱらオスがメスを追い出します。セッカのオスは巣の骨格と外装しか作らず、そこにメスが内装工事し、新居に嫁入り道具を持ち込むようなもので、オスがメスを追い出すときには、この嫁入り道具も巣の外に放り出します。オスは「出て行けぇ」と雄叫びを上げ、メスの内装を外に排除する暴挙です。