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第1892回 容姿が違う親子の鳥

①-1.https://petpedia.net/article/509/snowy_owlより引用のハリーポッターでお馴染みのシロフクロウ

①-2.http://junglebook.info/blog-entry-1131.htmlより引用のシロフクロウ(体長約63〜73㌢)

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①-3.https://www.google.co.jp/amp/s/www.afpbb.com/articles/amp/2811105より引用のシロフクロウのヒナの顔

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   ①-1.の野鳥の顔写真は、①-2.の身体全体写真でお馴染みの大人気映画「ハリー・ポッター」シリーズで、主人公の相棒である「フクロウ」こそが、シロフクロウです。 映画の影響もあり、人気沸騰のシロフクロウ。 最近ではフクロウ喫茶でも全身真っ白で美しい姿がとても印象的です。成鳥は映画に登場の通りに真っ白な姿で、表情も穏やかです。写真では笑っているようにもご覧頂けます。普段は北極周辺のツンドラ地帯と呼ばれる、苔や地衣類などの開けた、あまり木の生えていない地域に生息しています。また夏には白夜を経験致しますから、他の夜行性のフクロウとは違い昼行性です。完全な肉食の猛禽類で、普段はネズミやウサギなどのげっ歯類を獲物にしています。雪のように白いシロフクロウですが、そのヒナは①-3.の写真のように濃い灰色の羽毛に覆われており、親と同じなのは黄色い目だけです。生後60日ほどで白い羽に生え変わるといわれています。

②-1.http://www.birdfan.net/2020/09/04/80035/より引用のゴイサギの幼鳥のホシゴイ

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②-2.http://www.birdfan.net/2018/01/19/58924/より引用の成鳥のゴイサギ(体長約58㌢)

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②-3.https://gamp.ameblo.jp/toukaku2019/entry-12616406277.htmlより引用の幼鳥ホシゴイと成鳥ゴイサギの中間時期のホシゴイ

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   ②-1.の写真はホシゴイで、ゴイサギの幼鳥です。繁殖期がそろそろ終わりを告げる八月頃にしか観ることが出来ない野鳥です。そもそも、身体の色が雌雄同色のゴイサギとは、まったく違った色合いで、出世魚のブリの幼魚の一つね名前がハマチでありますように、鳥でははじめての「出世鳥」というます。②-2.の親鳥のゴイサギはその名前のひとつに『平家物語』(.巻第五 朝敵揃)の作中において、醍醐天皇の宣旨に従い捕らえられたため正五位を与えられたという故事が和名の由来になっていまして、漢字表記にも「五位鷺」と位のことが表れています。また②-3.の写真は珍しいホシゴイゴイサギになる途中の容姿みたいです。

③-1.https://nazology.net/archives/85945より引用の成鳥のツメバケイ(体長約62〜70㌢)

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③-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32258002907より引用のツメバケイのヒナ

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③-3.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8827/?ST=m_newsより引用のツメバケイのヒナの爪のアップ 

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③-4.Twitterより引用の翼に爪が残るケリ(体長約36㌢)

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   これまでは、親鳥とヒナや幼鳥の身体の容姿である色合いが違って、親鳥とは違うっていうことでした。鳥の仲間には「ツル」の仲間であるバンは幼鳥と成鳥の容姿の違いはさほどありませんが、面白いことに洋鳥の頃には飛翔できていましたのに、成鳥になれば、体重が増加して飛翔することができなくなるようです。では、ヒナの頃には身体に付いていたものが、成鳥になるとなくなるという③-1.のツメバケイは南米アマゾンに生息しています。ツメバケイの手指、もしくは鉤爪は、曲がりくねって奇妙ですが、とても役に立つ場所に生えています。③-2.はヒナのツメバケイですが、③-3.の写真のように翼の先に生えた鉤爪で、器用に枝から枝へ移動することができるのか。和名「爪羽鶏」もそこに由来致します。ツメバケイは翼に爪を持つことが知られています。大人になると爪はなくなってしまいます。また日本には「チドリ」の仲間の③-4.のケリの翼に爪が残ります。

④-1.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%ABより引用のクチバシが左右互い違いのつがいのイスカ(左がオス、右がメス共に体長17㌢)

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④-2.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/memberj8081/entry-10505582468.htmlより引用のイスカのクチバシのアップ

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④-3.https://blog.goo.ne.jp/matyagoo/e/3ace9d8bcb1169a7e22cf0c33231d29cより引用の交わったクチバシで松の実を食いちぎるイスカ

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④-4.http://hokkaidobird.blog74.fc2.com/blog-entry-2525.htmlより引用の他と同じ当たり前のクチバシのイスカの幼鳥

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   ツメバケイは外国の野鳥ですが、日本にも成鳥と幼鳥の容姿が違う鳥はいます。それは④-1.のイスカです。日本には主に冬鳥として渡来しますが、年によって渡来数の変動があり、少数ですが北海道や本州の山地で繁殖するものもいるようです。イスカの漢字表記は「交喙」で、写真のように性的二型の鳥です。名前の由来は和名の通り、④-2.の写真のように交わったクチバシが由来です。これは主食である松の実を④-3.のように一つ一つ喰いとるのに適しているからです。しかし、④-4.のイスカの幼鳥はまだ親鳥から給餌を受けるので、自分で松の実を採餌しませんから真っ直ぐです。

⑤-1.http://blog.livedoor.jp/higehakase/archives/3534246.htmlより引用の余りにも大きなオオヨシキリ(体長約18㌢)に似つかないヒナ?

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⑤-2.http://www.birdfan.net/2019/08/23/72791/より引用の托卵するホトトギス(体長約28㌢) 

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   みなさんは⑤-1.の写真をご覧になられて、親鳥のオオヨシキリと給餌を受けているヒナの大きさにびっくりされたのではないかと思います。親鳥より遥かにヒナの身体のほうが大き過ぎると感じられたのではないかと思います。その通りで、実はこの親子は人間でいうところの血が通い合わない関係なのです。本当のこのヒナの親鳥は⑤-2.の写真のホトトギスなのです。このようなことを「托卵」といいます。托卵はこのホトトギスをはじめ、日本ではカッコウツツドリジュウイチが行います。写真のオオヨシキリウグイスなどの巣に自分の卵を産みつけ、仮宿の卵をひとつ排除して卵の数合わせをして、その後借宿の卵より先に孵化したホトトギスのヒナが、産まれて初めての仕事として、借宿の卵を一つずつ排除して、仮親の給餌を自分だけにするという、自然界の知恵とはいえ、究極の子育てを代々繰り返します。

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