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第1893回 古鳥類の末裔

①-1.http://www.birdfan.net/2021/06/11/82456/より引用のケリ(体長約36㌢)

①-2.https://www.google.co.jp/amp/s/rakutai.jp/2018/11/07/satoyama03/%3famp=1より引用の爪の生えたケリ 

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   ①-2.の写真はケリという名前で「チドリ」の仲間です。漢字表記も「鳧」「計里」「水札」とどの当字をとっても面白い感じが並びます。みずふだと書くのにケリです。ケリの性格は非常に警戒心が強く、縄張りにトビやカラス、人などの外敵が近付くと、鳴きながら激しく威嚇し、追い払います。その為、夜でも鳴き声が聞こえてくる場合があります。私などは通勤帰りに繁殖のため畑に営巣していることを知らず、その脇を通っただけで激しく鳴かれました。卵やヒナを守るために必死に威嚇します。そんなケリが威嚇している写真が①-2.です。写真をよく見ますと、何と翼に爪が生えています。爪の生えた鳥と言いましたら古鳥類の始祖鳥や孔子鳥を思い浮かべてしまいます。

②https://www.istockphoto.com/jp/%E3%83%99%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC/%E5%A7%8B%E7%A5%96%E9%B3%A5-gm467461969-34122220より引用の始祖鳥の予想図

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   ②の予想イラストはドイツの約1億4500万年前の地層から化石が発見された最古級の鳥類の始祖鳥です。鳥類は羽毛が生えた小型肉食恐竜から進化し、最初は四本の脚が翼に変わった四翼で樹上などから滑空していましたが、次第に前の二翼が大きくなり、やがて羽ばたいて飛ぶようになったと考えられています。始祖鳥や孔子鳥は、翼を動かす筋肉が付く胸骨がまだ十分発達していませんでしたが、ある程度羽ばたいて飛べたという見方もあるようです。始祖鳥の容姿を引き継いだ野鳥がいますので、やはり始祖鳥は鳥のご先祖です。

③https://jurassicpark.fandom.com/ja/wiki/%E5%AD%94%E5%AD%90%E9%B3%A5より引用の孔子鳥の予想図

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    ③は中国の約1億2000万年前の地層から化石が見つかった孔子鳥(コンフシウソルニス)は、中生代白亜紀前期の古鳥類で、大きさはスズメより少し大きいく尾羽が長いので、体長約20〜25㌢と推測され、出現の時期はジュラ紀後期との説もあります。現在の鳥のように翼を羽ばたかせて飛び続けることはできず、主に滑空していた可能性が高いと言われます。現世鳥類であります真鳥類と異なり、翼に爪をもつ等、祖先の肉食恐竜の面影をうっすらと残してはいるものの、上下の顎が歯を消失してクチバシ状になり、尾骨が萎縮する等、現代の鳥類に通じる特徴も持ち合わせます。発見された化石の多くは羽毛の印象を伴っており、雌雄で外見が異なり、オスと思しき個体の化石には長い尾羽が残されていた事が明確に判明した数少ない例です。これに似た古鳥類が現世にいます。

④-1.https://ikimono-matome.com/hoatzin/より引用のツメバケイ(体長約60〜65㌢)

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④-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32258002909より引用のツメバケイのヒナ

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④-3.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8827/?ST=m_newsより引用のツメバケイのヒナの爪のアップ 

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   ①-1.のケリもたしかに現世、しかも日本各地でご覧頂ける留鳥なのですが、やはり容姿という点では、④-1.の写真のツメバケイが相応かなと思います。この鳥はアマゾン川流域に生息するといいかます。漢字表記で「爪羽鶏」で爪が羽に生えた鶏となります。ニワトリやキジに似ていますので「キジ」の仲間と思いきや立派に独立した「ツメバケイ」目らしいです。この鳥を一番に持ってこなかったのは、ケリは成鳥でも翼に爪は生えていますが、ツメバケイは成鳥になりますと消滅してしまいます。④-2.と-3.の写真のヒナの頃、樹上生活していても、いつヘビなどの外敵に襲われるかわかりませんので、ヒナはこの鉤状の爪を上手く利用し、枝から枝へと逃避し、自分で逃げます。

⑤-1.https://www.amazon.co.jp/アンハンゲラ-ケツアルカトラトラス-ハッツゴプテリクス-リアルなフィギュア-細部までこだわったコレクター装飾ギフト/dp/B07QD3WS39より引用の色んな翼竜

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⑤-2.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/1159/?ST=m_newsより引用の翼竜の化石

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   鳥類は、ほぼ全身を羽毛で覆い、腕には羽根でできた翼を持ち、口に歯はなく、そして卵を産んで子を残します。こうした特徴は、恐竜のある種族にも共通しています。それは「獣脚類」といいます。獣脚類にはすべての肉食恐竜のほか、魚食、植物食、雑食の恐竜たちもいます。とてもたくさんの恐竜がいるのが獣脚類です。その中には、鳥類のように、羽毛を持つものや翼を持つものがいました。それが⑤-1.の翼竜です。存在を示すように⑤-2.のような化石や骨も各方面で発掘されています。ではその翼竜が進化して、始祖鳥や孔子鳥になり、現在の鳥類になったのでしょうか。研究が進んで、翼竜の翼の筋肉を調べてみましたら、断続的にしか飛べなかったようです。また始祖鳥や孔子鳥も飛べますが飛ぶのが苦手なので、翼の鉤状の爪を使い、樹上に登り飛行していました。今でも爪が生えているツメバケイケリがいますから、進化ではなく「獣脚類」の仲間なんです。


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