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第1354回 アカヒゲ

①https://jp.123rf.com/photo_69149893_赤髭ベクトル-アイコン.htmlより引用の赤い髭のイラスト

   黒い髭や茶色い髭がイラストであるのはわかっていましたが、①のイラストの赤い髭がイラストがあるとは思ってみませんでしたから、今夏のタイトル名か『アカヒゲ』でありましたので、採用致しました。外人さんには赤毛の人がいらっしゃいますが、赤髭はどうでしょう。前置きが長くなりましたが、野鳥の命名もその姿形を見たままという名付け方があります。身近なところの野鳥としては皆さんもご存知の眼の周りが白いメジロや、頬の部分が白いホオジロなど様々な鳥がいます。

アカヒゲ(体長約14㌢)

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   その野鳥の名前からどんな鳥かを想像する楽しみもあると思います。例えば、シロハラは白いお腹をしているからシロハラのはずで、メグロなどもメジロのように眼の周りが黒い鳥なのかと想像することに楽しみができます。またサンショウクイという野鳥のように、鳴き声が「ヒリヒリ」と聞こえるので、あたかも辛い山椒の実を食べているのかと名付けられ、この鳥を想像することは難しいこともあります。そんな中で②の写真のアカヒゲは皆さんはどう頭の中で想像するのでしょう。

アカヒゲと因縁深いコマドリ(体長約14㌢)

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   なぜアカヒゲの紹介の記事に③の写真のコマドリが載っているのでしょう。アカヒゲの漢字表記はそのままの「赤髭」です。この名前は和名ですが、鳥の名前には学名と英名が記載されています。アカヒゲは南西諸島や男女群島、慶良間諸島で観察される日本にしかいない野鳥です。種小名komadoriは、本種とコマドリを取り違えて記載されたと考えられています。アカヒゲコマドリは写真でもお分かり頂けると思いますが、どちらとも赤っぽい色をしていて取り違えられました。

アカヒゲのメス

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   ④の写真はアカヒゲのメスです。人間的にいうと女なのに赤髭なんて可哀想みたいな感覚ですが。写真を見ていると性的二型とは言えないまでも、オスの顔下から喉元にある黒いエプロンはメスにありませんので、見分けはつきやすいと思います。しかし、オスの顔のどこを見ても、髭らしきものはありません。メジロなら白いアイリング、メグロなら黒いアイマスクと同じ仲間でも形態は違うものの誰もが納得するような姿形になっています。アカヒゲサンショウクイと同じなのか。

⑤https://ja.m.wikipedia.org/wiki/フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトより引用のアカヒゲを日本で見つけた動物学者シーボルト

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   ⑤の写真の人物が動物学者のシーボルトです。この方は有名で私の時代の小学校の教科書に載っていました。そのシーボルトはその他の標本と共に
新種の小鳥として学名が付けたアカヒゲの学名は「コマドリ」で、さらに一緒に送ったコマドリの学名が「アカヒゲ」になりましたが、国際ルールは修正を許さず、現在とそのままです。また赤い髭など生えていないのに、アカヒゲになってしまった名前の真の由来は、単に『アカゲ』をアカヒゲに聞き間違え、二つの間違いが生じています。

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