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第1042回 野鳥のメスのオス選び

①-1.http://karapaia.com/archives/52151816.htmlより引用のニワシドリのオスの繁殖相手へのプレゼントの住居造り

   この①-1.の写真のニワシドリは別名でコヤツクリアズマヤドリと呼ばれています。オスは繁殖期が近づくと、直径1〜3mほどの辺りから落ち葉や枯れ枝などを除き、ニワシドリの名の由来となった「庭」にし、さらにその中に大きな小屋型の構造物「あずまや」を作ります。なおこれは営巣でなく、あくまでもメスを引きつける求愛ディスプレイなのです。またニワシドリの種によって色んな形の東屋が三種類以上もあり、人間でいうなら、デートスポットを提供して気を引こうとか…

①-2.http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/tokuten/2004sp/catalog/female_6.htmlより引用のタマシギのメスの求愛ディスプレイ

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   ①-2.の写真はタマシギです。一般的にオスが繁殖相手のメスを選ぶのが当たり前に対して、タマシギはメスが繁殖相手のオスに、どう?私の魅力とばかりに求愛ディスプレイをメスがオスに向け、繁殖相手となったオスに、営巣をさせて、自分は卵を産むだけで、あとの抱卵、育児、巣立ちまであとはオスの専業主夫化、自分は産卵後には直ぐに巣を離れて、次なるオスを求め、また求愛ディスプレイ。何羽も何羽もオスとつがい関係を結び産卵するだけの逆ハーレムのタマシギです。

②https://luna0727.at.webry.info/202004/article_30.htmlより引用の高らかにさえずるウグイス

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   ②の写真は誰もがその存在価値をご存知のウグイスです。アナウンスの上手な女性アナウンサーのことをウグイス嬢と呼んだりして、オスしかさえずらないのに、ウグイスを讃えます。それもそのはず「ホーホケッキョッ」で有名なウグイスは日本の三鳴鳥のひとつです。コマドリ、オオルリと並ぶ帝王的な存在で、これもまた一夫多妻で有名です。普段は藪中で「ジッジッ、ジッジッ」としか鳴かないこの鳥は春になると、複数のメスとつがい関係を結び、色んな形の営巣を作ります。

③色鮮やかなオシドリのオス(左側がオス)

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   ③の写真も皆さんご存知のオシドリのつがいです。オシドリの漢字表記は「鴛鴦」です。カワセミと同じく、このオシドリも名前で雌雄を現します。「鴛」がオスを現し「鴦」がメスを現します。また仲睦まじい夫婦のことを鴛鴦夫婦というのもこの野鳥からです。典型的なオスが派手で、メスが地味な野鳥の代表的なものですが、よく見てみますと、カモのメスよりもオシドリのメスは淑やかな綺麗さです。このメスからすればオスの綺麗さで選ぶなら、徹底したオスを選びます。

④http://w9.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/113-37a8.htmlより引用の艶々として脂の乗り切ったハシブトガラスのオスの老獪さ

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   この④の写真のハシブトガラスも雌雄同色です。それも雌雄揃って全身真っ黒な状態です。私たち人間の眼に映るのは、二羽のつがいや、子供の若鳥を見ても黒いというしかありませんが、カラスには紫外線を感知することが出来るらしく、当たり前かも知れませんが、お互いの雌雄が判別できるようです。そうなれば、どの様にして、メスは自分のつがいとなるオスを選ぶのか。それは人にも言えますが、全てに於いて脂がのった色艶で、健康的なことや経験豊かを判断するみたいです。

⑤Twitterより引用の喉の赤が濃く、尾羽が長く白斑のあるツバメのオス

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   ちょっと身体を丸めているので、⑤の写真がツバメであることを、お判りになれない方もいらっしゃるとは思いますが、ツバメは春になると生まれ故郷に帰ってくる夏鳥で、三月中旬には私の住む地域にも、まず成鳥となったオスが産まれた地に帰ってくると言われています。後に帰ってくるメスを繁殖相手に選ぶのですが、オスは自分が良いと思う営巣地を探してさえずり、相手を探しますが、喉元の赤さと尾羽の長さと写真の白斑の鮮やかが健康的なオスだとして相手を選びます。

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