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第1856回 一般的なハト

①-1.https://www.civillink.net/esozai/pigeon.htmlより引用の「ハト」のイラスト 

②-2.https://www.duskin.jp/terminix/column/detail/00008/より引用の人に集まるドバト

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   一般的に①-1.のイラストの「ハト」というとやはり昔は飼鳥だったカワラバトといわれたドバトがそうだと思います。今では街中に進出してきた「ハト」にかつては「ヤマバト」といわれたキジバトがいます。①-2.のように集団行動が基本なドバトの方が圧倒的に数が多く、反対に単独かつがい行動のキジバトが引けをとっていると思います。公園や駅のロータリー等人が集まる処には、必ずいるのがドバトです。コツコツと地面をクチバシで突いていながら、お菓子やパンを食べたり、持っている人がやって来ますと、何気なく足元にやって来て、一羽が二羽四羽倍々に増えていくのに時間は掛かりません。集団が大好きです。

②-1.https://www.birdfan.net/2017/07/14/54245/より引用のつがいになりたいドバト(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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②-2.https://www.birdfan.net/2007/07/13/1666/より引用のつがいのキジバト(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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②-3.http://satoubin.photo-web.cc/aobato.htmlより引用のつがいのアオバト(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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   カラスのようにハシブトガラスハシボソガラスの二種が日本の代表的なカラスのように、ハトにも代表的なハトが、この②-1.のドバトと最近街中に進出して来た②-2.のキジバトが私たちの住んでいる街中によく見るハトだと思いますが、ハトの場合は三種ということで、三種目は街中ではお眼にかかれないキジバトの別名と同じく「ヤマバト」の②-3.のアオバトということになります。もっと地域的にいえば、日本には七種のハトがいますが、全国的に生息しているハトはこの三種ということになります。街中でハトは二種だけです。

③-1.http://ada-kitakyu.com/bird/dobato.htmlより引用のハトの瞼

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③-2.https://smallzoo.net/dobatoより引用のハトの鳩胸

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   ハトというと地上にいることが多いので、色んな身体の箇所を観察することができます。寒い冬の陽だまりでは③-1.のように気持ちよさから瞼が重くなったハトを見ます。瞬きのときは上まぶたが下に閉じ、眠るときは下まぶたが上に閉じます。顔にはクチバシがあり、全体は柔らかで先端だけ硬いです。そのクチバシと鼻の頭にろう膜があり、それは上クチバシ基部を覆う裸の皮膚で、鼻孔を保護するためのものです。ワシタカ類やインコにもあります。また、ハトの代表的な身体に鳩胸があります。鳩胸という言葉があるように胸骨、胸筋が発達しています。高速長距離飛行が可能で、パワフルな飛び方はハヤブサに似てます。

④-1.https://hyakuhuku.com/hatonokubi/より引用のドバトの構造色に耀く首

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④-2.http://aqua.asukablog.net/ハト/鳩だらけ%E3%80%82より引用のドバトの尾羽

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④-3.https://jp.123rf.com/photo_20814000_白い背景にハトの羽根.htmlより引用のドバトの羽根

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   ④-1.のドバトの首は、緑色と紫色をしています。そのキラリとした輝きは、光の干渉が寄与していることを推測させます。しかし、その角度変化は奇妙に見えます。羽根を手に持って角度を変えながら観察すると緑に見えていた首の上側部分の羽根の色は突然紫色に変化し、逆に紫に見えていた首の下側部分の羽根は緑色に変化します。それはカワセミなどと同じく羽根が構造色になっているからです。反対に④-2.のハトの尾羽は多くはドバトキジバトは12枚で、アオバトは14枚です。公園などで集団のハトが飛び去った後には、必ず羽根が抜け落ちています。ハトの羽は大変抜けやすく、一日0.12g抜けるようです。タカに襲われた時、羽を残して逃げやすくするといい、それはトカゲの尻尾切りと同じ効果を持つようです。

⑤-1.https://www.excite.co.jp/news/article/Narinari_20210629_66131/より引用のハトの帰巣本能

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⑤-2.https://www.hat-pop.com/word/word5.htmlより引用の胎内コンパスを持つハト

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   今のみなさんには、伝書鳩といってもピンとこないと思います。私の幼なじみの一人は家の裏の中屋根に幾つものハト小屋を作ってハトを飼育していました。伝書鳩の帰巣本能を利用して、ハトのレースに出すといいます。ハトの内耳にある壷嚢(このう)という感覚器官が磁気センサーの役目をして、ハトは方向を把握することができます。ハトの帰巣性は地磁気と関係があり、馴染みのある場所では視覚情報を利用します。ハトの幼鳥は磁気コンパスを利用しますが、成長の段階で太陽コンパス利用を達成していきます。電場および磁場の振動方向が規則的な光を偏光といいます。人の眼は偏光を感知できませんが、ハトは感知できるので航法の補助として用いるようです。こんなに方向が利きますのに渡りは殆どが渡りをしません。

⑥-1.https://www.hatotaisaku.jp/about/3842/より引用の水を飲むハト

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⑥-2.https://www.asahi.com/sp/articles/photo/AS20190302001518.htmlより引用の水を飲むカラス

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   みなさんはハトが公園や寺社仏閣で⑥-1.のように水を飲む姿をご覧になられたことがおありてしょうか。同じく鳥の仲間で知能の高いカラスは写真のようにクチバシで水道のカランを回して水を飲むことができますが、よく見て頂くとハトは自分の身体より下にある水を飲むことができますが、カラスや他の鳥は一度クチバシに含んだ水を顔を上げて喉に流し込むしか飲めないのです。ハトはクチバシを水中につけたまま口腔の陰圧によって吸飲できます。他にはネズミドリ類やベニスズメ科の僅かな鳥たちがストロー吸引できます。

⑦-1.https://www.advan-group.co.jp/times/hato_syusei_seitai/より引用のハトの子育て

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⑦-2.https://www.birdfan.net/2014/06/27/29116/より引用の幼鳥にピジョンミルクを与える親鳥のハト 

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   ハトは水を飲む時もストローのように水を飲めることも凄いことですが、⑦-1.の繁殖も3~11月に数回繁殖し、キジバトでは年8回繁殖した例もあります。キジバトの繁殖ピークは、夏鳥である北海道では6月、京都8~9月。しかし山に生息するアオバトの繁殖期は、春~夏。巣材を運ぶのはオスで組み立てるのはメスと役割分担します。一度の産卵数はほとんどの種が二卵が97%の確率で、一卵目と二卵目の間隔は44時間。卵の色は殆どの種が白ですが、キンバトは名前の通り金色に近い色。一卵目から抱卵し、昼はオスが多いです。夜はメス。朝8~11時、夕方15~17時ごろ交代。メスの抱卵時間はオスの二倍。二卵は男女の双子の場合が殆どです。第一卵からはオスが生まれることが多く、⑦-2.のようにヒナから幼鳥になるまでピジョンミルクというハト独特の離乳食で育てます。

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