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第1217回 外来種の鳥

①https://global.canon/ja/environment/bird-branch/bird-column/biodiversity5/index.htmlより引用のイラスト

   私たちがこの地球に現れてからの付き合いをしている鳥たち。いくら鳥が自由に空を飛べるといっても、渡鳥でない限り、世界各地、どこにでも飛んではいけませんが、人間の文明の進化として、見栄えが良いとか、鳴き声が良い、又は物真似をするとか、食肉として、などの理由で、それらの野鳥を捕らえ、世界各地に輸入し、野鳥であった鳥が人間によって、飼鳥や家禽として囚われの身となりました。しかし、人間は気に入らないとか、うっかり逃がし、その地で野生化しました。

②元祖外来種?ドバト(左側メス、右側オス共に体長約33㌢)

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   遠い昔からドバトは外来種として日本全土に分布しています。ドバトになる前の名前がカワラバトといい、本来ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカなどの乾燥地帯に生息する野鳥でしたが、人に馴れやすいため家禽化され、食用や伝令用として利用されたほか、愛玩用の品種も多数作られました。その飼鳥生活があまりにも長く、自ら餌を探して食べる他の野鳥に比べて、人の集まる公園や神社仏閣、駅のロータリーなどに集団で現れて、人の足元に寄り添うように歩いて餌を貰います。

②-1.大きな声で鳴くガビチョウ(体長約24㌢)

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②-2.特定外来生物カオグロガビチョウ(体長約30〜40㌢)

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②-3.特定外来生物カオジロガビチョウ(体長約23㌢)

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②-4.https://blog.goo.ne.jp/toriskin028726/e/cf0d0c2463bfe11537564abd6b7ec8bfより引用のヒゲガビチョウ(体長約24㌢)

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   ②のすべての写真はガビチョウとその仲間です。特にガビチョウは日本の侵略的外来種ワースト100定種にもなっています。当初はさえずりが上手で、他の野鳥の物真似もするという触れ込みで飼鳥の人気を集めましたが、大きすぎる声にそれが年中鳴くことが災いとなり、捨てられました。宮城、福島、茨城、群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡、長野、福岡、大分、佐賀、熊本に広域にわたり分布しています。藪中でウグイスの物真似をするので、ウグイスの生態に懸念されます。

ソウシチョウ(体長約15㌢)

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   ガビチョウも藪中に生息するなら、この③の写真のソウシチョウも同じく生息しています。1970年代から野生化したといいますから、ガビチョウは1980年代ですから、同じようにさえずりが上手く、雌雄ともさえずり、仕分ける必要がなく。見ての通りの雌雄同色の綺麗さです。この鳥も身体の割に非常に大きな声で鳴き、捨てられました。集団性が高く仲間と寄り添い野生化しました。九州全県、兵庫、大阪、奈良、三重、和歌山、愛知、静岡、山梨、神奈川、東京、茨城です。

④https://zukan.com/jbirds/internal20491より引用のワカケホンセイインコ(体長約40㌢)

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   ネットを見ていると最近では、④の写真のワカケホンセイインコという長ったらしい名前のインコの仲間の投稿写真をよく見受けます。インドやスリランカ原産のこのインコの体長は約40㌢もあり、主に関東で野生化し、住宅地の緑地で木の実や花を食べ、樹洞で繁殖しますが、ムクドリアオバズクなどと樹洞をめぐって争うことがあるようです。関東を中心に増え始め、今では静岡、岐阜、愛知、大阪、京都、広島、愛媛、宮崎と広範囲化に及び、果実農家への影響が懸念されます。

コリンウズラ(体長約25㌢)

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   ⑤の写真のコリンウズラは本来のウズラより一回り大きい身体です。狩猟目的や家禽として飼育目的が、野に放たれ野生化しました。コリンウズラの鳴き声は「ボブホワイト」と聞こえ、英名であるボブホワイトはこの鳴き声から名付けられました。またコリンはナワトル語(アステカ族の言語)でウズラの意があります。農地ではコムギやトウモロコシなどの穀物を食べます。今のところは神奈川県、大阪府だけの地域に留まっています。

カナダガン(体長約75㌢)とオオカナダガン(体長約110㌢)

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   ⑥の写真はカナダガンオオカナダガンの二種です。この二種は、顔に白いラインが入り、頭と首が黒く体が茶色の羽で覆われた雁で、カナダガモともいわれます。北アメリカのカナダとアメリカ合衆国の寒冷地域および温暖地域に生息し、ヨーロッパ北部に渡ることもあります。これまでイギリス、ニュージーランド、アルゼンチン、チリ、フォークランド諸島でも生息が確認されています。食糧に困らず外敵の少ない都心や開発地域などでも繁殖し、静岡、神奈川、山梨、茨城です。

⑦-1.https://kids.yahoo.co.jp/zukan/animal/kind/birds/0051.htmlより引用のインドクジャク(左側オス体長約100〜120㌢、右側メス体長約95㌢)

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⑦-2.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/クロエリセイタカシギより引用(体長約36㌢)

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⑦-3.https://papageno620.blog.fc2.com/blog-entry-2311.htmlより引用のバリケン(体長約70〜80㌢)

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   その他にも⑦-1.の写真のインドクジャクが沖縄県八重山諸島で繁殖しています。クジャクはキジの仲間で雑食性の強い鳥です。観賞用に飼育されていた個体が遺棄、あるいは脱走し世界各地に帰化しています。⑦-2.のクロエリセイタカシギは奈良県、京都府、大阪府に分布し、セイタカシギとの交雑懸念されます。⑦-3.のバリケンは鴨の仲間で、食肉を目的としたノバリケンを家禽化したもねです。こうやって見るとこれらの外来種が生態系を脅かしてるのでなく、人が脅かしています。

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