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第1972回 色んなヒナ

①-1.https://publicdomainq.net/chick-bird-0046815/より引用の産まれたてのヒナ(ひよこ)

①-2.https://www.itozu-zoo.jp/blogs/jyui/2008/05/268.phpより引用の産まれたてのスズメのヒナ

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   みなさんは一番身近な鳥のヒナを見るとされましたら、どんな鳥のヒナでしょうか。私の子供の頃は、何かと縁日の①-1.の写真のひよこ釣りが盛んで、何羽以上釣ったら一羽か二羽貰えるというものでした。私は二羽貰えることとなり、もしかしたらこの二羽のうち、一羽がメスならば、ニワトリまでに育てましたら、卵を産んでくれると思い、頑張って成鳥にまで育てました。結果は二羽ともオスで卵は産めませんでした。この縁日で貰って来たひよこはニワトリのヒナということになります。ひよこは孵化したと同時にぴょこぴょこ歩きます。しかし、子供の頃に家の裏庭の巣から、落ちてしまった①-2.の写真の様なスズメのヒナは羽も生えてはいませんし、眼も閉じたままで開こうともしせず、眼も見えない、歩くこともできそうもない、本当の産まれたてのヒナでした。

②https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/chikusan/kachiku/infuru/ai/data/03006-2.htmlより引用の卵の中身のイラスト

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   ⑴  孵化
   ②のイラストのように、卵の中のヒナが呼吸運動を行うのは孵化の一日か二日前で、クチバシを気室に差し込み、呼吸します。その頃には気室は卵全体の1/4の体積になっています。卵は尖っている方が殻が厚く、強度が高いので、ヒナは、卵のとがっていないほうから出ます。カルシウムが吸収された卵殻はもろくなっていて、ヒナが突く力でも容易に割れます。卵の中のヒナは卵歯と呼ばれる突起が、上クチバシの先端にできます。後頭部に頭を動かすための特別な筋肉が発達します。卵歯と特別な筋肉で卵の内側から穴を開けます。孵化後、数週間の内に吸収されたり脱落します。筋肉も成長につれ小さくなります。
   ⑵  同時孵化
   孵化後すぐに安全な場所に移動する離巣性ないし早成性の種では特に重要。マガモでは二時間以内に全てが孵化します。マガモの抱卵期間は28~29日なので、何もしなければ孵化には1~2日のズレが生じます。卵は水分蒸発により、卵の鈍端の二重の卵殻膜の間に気空ができます。孵化の2~3日前に、卵内のヒナはクチバシを卵殻膜に突き刺し
肺呼吸を始めます。より成長した卵内のヒナはゆっくり、成鳥の遅いヒナは早く鳴くことで、同腹卵の卵内で、ヒナは互いの発育段階を知る。一番最初に孵化したヒナが騒ぐことが刺激になって、孵化を同調させます。孵化が長時間遅れると、自分だけ置いて行かれます。孵化が早すぎると空腹のまま長時間待たされることになります。

   早成性の特徴
⑴  綿羽   ⑵  開眼   ⑶  離巣性   ⑷  自分で採餌
⑸  親鳥から独立 

③-1.https://ameblo.jp/kawai-n1/entry-12715198150.htmlより引用のツカツクリのヒナ(早成性1)

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早成性1
ツカツクリ類→⑴  有り   ⑵  開眼   ⑶  離巣性
⑷  自分で採餌   ⑸  親鳥から独立

③-2.http://wagao39.blog21.fc2.com/blog-entry-474.htmlより引用のカモのヒナ(早成性2)

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早成性2
カモ、シギ、チドリ類、レンカクタマシギ
セイタカシギサケイ→⑴  有り   ⑵  開眼   ⑶  離巣性   ⑷  自分で採餌   ⑸  親鳥に従う

③-3.https://www.rikkyo.co.uk/new/latestnews/post_103/より引用のキジのヒナ(早成性3)

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早成性3
キジ目、ダチョウ科→⑴  有り   ⑵  開眼
⑶  離巣性   ⑷     —      ⑸  親鳥に従う

③-4.http://maroleopie.blog118.fc2.com/blog-entry-446.htmlより引用のカイツブリのヒナ(早成性4)

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早成性4
カイツブリアビ、クイナ類、ツル、ミフウズラ
ツバメチドリ→⑴  有り   ⑵  開眼   ⑶  離巣性
⑷  親から給餌   ⑸  親鳥に従う

   晩成性の特徴
⑴  閉眼   ⑵  留巣性   ⑶  親から給餌
⑸  親鳥に従う

④-1.https://www.mkanyo.jp/tokimeki-pichipichi-dayori/2020/06/the-birth-of-second-bird-and-one-more-egg/より引用のカモメのヒナ(半早成性)

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半早成性
フラミンゴ目、カモメ、アジサシ類、トウゾクカモメヨタカ→⑴  有り   ⑵  開眼   ⑶   ー               ⑷  親から給餌   ⑸  親鳥に従う

④-2.https://www.grey-heron.net/photo-gallery/より引用のアオサギのヒナ(半晩成性1)

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半晩成性1
コウノトリ目、サギ、タカ類→⑴  有り   ⑵  開眼
⑶  留巣性   ⑷  親から給餌   ⑸  親鳥に従う

④-3.http://j.people.com.cn/n3/2016/0513/c94659-9057441-2.htmlより引用のフクロウのヒナ(半晩成性2)

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半晩成性2
フクロウ目、ネッタイチョウ→⑴  有り   ⑵  閉眼
⑶  留巣性   ⑷  親から給餌   ⑸  親鳥に従う       

④-4.https://www.google.co.jp/amp/s/taiken.in/hato/amp_04.phpより引用のドバトのヒナ

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晩成性
グンカンドリ、ウ、カツオドリペリカン
スズメ目、ブッポウソウ類、キツツキ類、ハト科
インコ目、カッコウ科、アマツバメ目
→⑴  無し   ⑵  閉眼   ⑶  留巣性   ⑷  親から給餌
⑸  親鳥に従う

⑤Twitterより引用の早成性のニワトリの卵と晩成性のハシブトガラスの卵

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   早成性と晩成性
⑴  卵サイズ  早成性→大型(9~21%)
      晩成性→小型(4~10%)
⑵  卵黄量  早成性→多い   晩成性→少ない
⑶  抱卵日数  早成性→長い   晩成性→短い
⑷  脳サイズ  早成性→大(4~7%)  晩成性→小(3%)
⑸  脳サイズ(成鳥)  早成性→小   晩成性→大
⑹  小腸   早成性→小(6.5~10.5%)
      晩成性→大(10.3~14.5%)
⑺  成長速度  早成性→遅い
      晩成性→速い(早成性の3~4倍)
⑻  親による世話   早成性→小   晩成性→大
   ※1.  卵サイズ→早成性では充分成長してから孵化するので、充分な栄養が必要                   

   ※2.  晩成性の利点→❶  卵が小さいので、母体の負担が小さい
❷  体重が軽ければ敵に襲われにくく、餌もとりやすい
❸  孵化後の成長が早い
❹  早成性のヒナはすぐに歩き出したりするが、歩けばエネルギーを消費する。晩成性のヒナは摂取したエネルギーのほとんどを成長に向ける。
脳が大きい

   ※3.  早成性の利点                                               ❶  充分発育してから孵化、直ちに独立生活
→ツカツクリ
❷  餌を自分で見つける→カモ、チドリ
❸  餌のありかを教わる→一部のキジ類
❹  餌をもらう→カイツブリクイナ

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