見出し画像

第965回 野鳥の和名

①https://ja.m.wikipedia.org/wiki/桃太郎より引用のイラスト

   この項で言う和名というのは、外国からこの野鳥の名前は例えば、いま「ツル」と言ったら、タンチョウとかマナヅルの総称で、それが本当はその種の名前ではないことです。身近な野鳥で言うなら、ハシブトガラスハシボソガラスは「カラス」で、ドバトキジバトは「ハト」、セグロセキレイハクセキレイは「セキレイ」、コサギアオサギは「サギ」みたいで、その当時の名前として通っていた今でいう『総称』の出来上がった成り立ちを語らせて頂こうと思います。

ミコアイサ(左オス体長約41㌢、右メス体長約39㌢)

画像1

   ⑴アイサ(秋沙)→奈良時代からアキサ(秋沙)
室町時代からアイサとも呼ばれる。江戸時代からウミアイサ、カハアイサ、ミコアイサに区別。
この鳥が来ると秋が終わり、冬になるので『秋去り』から。秋早くに訪れることから『秋早(あきさ)』、転じてアイサ。アイサン=白黒の美しい鳥⑵→ウク(浮く)、ウム(産む)、オフ(追)の転、ウヲ(魚)を好む、ウヲカヅク(魚潜)、ウ(魚)ヲノ(呑)ミの下略『ウッ』と魚を呑み込むからカワウなど   ⑶→奈良時代から「カモ」浮かぶ→うかむ→かむ→かも、カモドリが成語で、浮ブ鳥、浮ム鳥の略転、カム(頭群) 波をカウヴル、頭の青が、藻をカフリタルよう 月草の青い花が鴨の頭に似るので、クサミヨの反、雁が元で、古語では語頭を濁る事を好まなかったので、がん→かむ→かも (雁の語源は鳴き声から) 万葉集ではカマという。カマはかましい。群れて声高に騒ぐ鳥。水中で足を掻くので『かきもがく』の略。マガモ、コガモなどのこと

カモメ(体長約45㌢)

画像2

   ⑷→奈良時代から「かまめ」「カモメ」平安時代から「カモメ」若鳥には褐色の斑があり、篭の目のように見えるから。かごめ→かもめ  万葉集ではカマメといった。カマはかましい(囂しい)古語の義。メはスズメ、ツバメと同じく親愛称。古名は鴨妻と書き、鴨に似て少し小さな鳥。鴨の女っぽいものという意味で鴨女かも、め  鴨群(かもむめ)で水鳥をさす鴨が群れている。飛ぶ姿が鎌に似ていることからカマメの名が付いた。春には北に帰るので帰り(かへり)→かり  韓国語でカルメギ         ⑸カラ→カラはよく囀る小鳥の総称。雀をクラと呼ぶ  カルの変化。身軽な様子。カラ類は混群形成が多いので同胞(はらから)  シジュウカラなど         ⑹カラス→奈良時代から「カラス」鎌倉時代から「やまがらす」「さとがらす」に分かれる  江戸時代から「ハシブトガラス」「ハシボソガラス「ミヤマガラス」「黒し」「す(鳥を示す接尾語)」満州語でkaraは黒馬、黒犬  「ころく」という声から
カラスの英名crowは鳴き声から  草木を枯らすところから  反哺の意でカヘリス(反為)の転じて  夜明けに鳴いて人をウカラカスから。ハシブトガラス等  

アカゲラ(体長約24㌢)

画像3

   ⑺カリ→カリカリと鳴く声から。春には北に帰るので帰り(かへり)→かり 今では雁はガンとも読む⑻キツツキ→平安時代から「てらつつき」室町時代から「けらつつき」とも  江戸時代から「きつつき」「けら」テラは『取(とら)』テラツツキはつついて虫を取る  テラツツキ→ケラツツキ→ケツツキ→キツツキ→(ケラ)  アオゲラと想像され『ケ』、『テ』は鳴き声や木を突付く音から  別名 ケラ
昆虫(虫けら)を突き食べるためケラツツキ→ケラ  ⑼(サギ)→声が騒がしいのでサヤギ(騒)  白い色のサヤケキ(鮮明)、サヤギ(清)  白いサギを『サギ』と呼んだ。白くてイサギヨキ(浄)  サケ(白毛)。サはシラの反、シラゲドリ(白毛鳥)  白い意のシラゲリの反じて  美しい冠羽の細毛(サケ)から  シラサギ→ウサギ、ワカサギのサギと同様で、『精(シラ)ゲ』が、サゲ→サギと転じた。純白の意。

セグロセキレイ(体長約21㌢)

画像4

   ⑽(シギ)→奈良時代からシギ  羽をシゴくのでシゴキが転じた  しきりに羽ばたくので、シキリが転じた  しきりに羽ばたくので、動詞シク(頻)の連用形の重複シキシキのつづまった形。騒ぎ(さやぎ)から  羽音の繁きに由来  ハシナガキ(嘴長)  サキクヒの反じて  サビシキの略  敷く波などが後から後から寄せる。後から後から追いついて前の物に重なる  「羽振き鳴く」様子が「繁々しい」ため。
それが変化して、シギになった。ジシギ→日本で繁殖する『地』の鳥(オオジシギ) 地上にいることの多い鴫。シャクシギ→柄杓の柄のような長い嘴
ハリモモチュウシャクはシギと付かないが、間違えている文献も多い。                                         (11)セキレイ→室町時代から「セキレイ」「いしたたき」。特にキセキレイ  漢名の鶺鴒を音読みにした。鶺は背(せき)  鴒は令で、冷たく澄んでいること。尾を上下に振り、『尾羽が石にお辞儀をしている』ように見えるから、石に礼をする。セグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイの三種       (12)センニュウ→仙入  草むらに潜入している鳥
仙遊  仙人となって自由自在に飛び歩く『敏捿である、すばしこい』ことを憲(しぃえん)。『恥ずかしがる、はにかみや、内気』を忸(にゅう)。人に中々姿を見せないので、『敏捿で内気な鳥』。『エゾ』も『シマ』も北海道のこと  エゾセンニュウ      


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?