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第1906回 自然と野鳥の共生

①https://www.photolibrary.jp/img386/193143_3662289.htmlより引用の「自然と野鳥の共生」のイラスト

  今までの自然との共生といいますのは、いくら『自然』と付きましても、それはこの世の中に住んでいます魚介類や、昆虫やその仲間、両生類に爬虫類、哺乳類、そして植物に対して、人間が共生を仕掛けるものでしたが、人の関与なしに、共生をしていることも、自然界を見渡して見れば、必ずあるはずです。例えば、蝶々や蜂が花に群がり、花弁から蜜を頂く代わりに、オシベの花粉をメシベの花に送り届けたり、繁殖やその拡大を支援すると言う共生をその草花は自分は昆虫に蜜を与え、お互いの子孫の繁栄を行う仕組みです。

②-1.https://blog.goo.ne.jp/tytomo200576/e/703ddffff850f8efc6b441a1ce398642より引用のヤマガラ(体長約14㌢)とエゴの実

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②-2.https://midorinotori.com/?p=4398より引用のエゴの実を食べるヤマガラ

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   鳥が自然への共生をしている代表的なことは、草木への共生です。山野に生息している野鳥は必ず自分の好みの木の実や種子を食べます。採餌されたそのものは、消化されない種は離れた場所に糞として排出され、そこで新しく芽吹き、繁殖します。鳥のように動きまわることの出来ない植物にとってはとってもありがたい鳥との共生です。②-1.と-2.はいずれも人懐っこいカラの仲間のヤマガラです。ヤマガラは漢字で「山雀」と表記するくらいですから、山で見かけてもあんまり人を警戒することの少ない山では身近な野鳥といえます。ヤマガラが食べていますのはエゴの実です。このエゴの実は硬くなり黒くならないと、果皮に含まれるサポニンという毒の成分が抜けないのでどんな鳥も食べません。しかしヤマガラだけは大好物です。ヤマガラを見つけるにはエゴの木に行けと言われるくらいです。ヤマガラはエゴの実をを両趾で抱え込み、クチバシで突いて、殻を取り除き、実を食べます。他の鳥に食べて貰えないエゴの木はヤマガラが共生してくれ繁殖出来ます。

③-1.https://www.naturingnews.jp/?p=27206より引用のヒレンジャク(体長約17㌢)

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③-2.https://gardenstory.jp/plants/62209より引用のヤドリギ

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③-3.http://blog.livedoor.jp/arakawasanpo/archives/570022.htmlより引用のヤドリギの実を食べて種子を排出するヒレンジャク

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   他の鳥はエゴの実を食べませんが、ヤマガラが好んで食べると言っても、この鳥だけではありません。黒く硬くなる頃にはサポニンの成分はなくなりますので、普通の鳥よりも大きめなヒヨドリなどは食べるようです。しかしそれよりもっと鳥が食べない種子があります。③-1.は冬鳥のヒレンジャクです。西のヒレンジャク、東のキレンジャクと言うくらいこの二種は似ています。そのレンジャクが好物なのが、③-2.の寄生樹のヤドリギです。宿主樹木はエノキ・クリ・アカシデ・ヤナギ類・ブナ・ミズナラ・クワ・サクラなど幅広いです。果実は白または黄色の液果であり、数個の種子が非常に粘着質なニカワ状の繊維に包まれています。そのため、大概の野鳥はヤドリギの実を敬遠します。しかし、レンジャクたちはなぜか好んで木の実を食し、③-3.の写真のように粘っこい糞をして、他の木の幹に種子が引っ付き、その種子は幹に根を食い込ませ、寄生樹となる共生です。

④-1.Xより引用のワニチドリ(体長約19〜21㌢)

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④-2.http://www.kotaro269.com/articles/53936.htmlより引用のミズベイシチドリ(体長約40㌢)

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   私たちの住んでいます日本では、上記のように鳥と自然の共生は植物との共生しかありませんですが、外国となりますと色んな動物との共生があり、そのひとつに爬虫類との共生があります。④-.はナイルワニの口の中に入って何かをしているワニチドリです。その名前が示しますように、ワニに接するチドリです。チドリ野良役割は外敵を発見して警告するという見張りの役目を果たし、その見返りに、ワニの口の中で歯の間の肉片や食物のかすを食べると言うのは眉唾もので、本当は水中滞在時間が長いワニの口の中にはヒルが蔓延り、チドリはそれを食べます。また面白いのは④-2.のミズベイシチドリで、この鳥もワニに関わります。ワニが卵の元を離れている間、ワニの卵を護衛するのが、ミズベイシチドリです。この鳥は自分の卵を守ると同時に、近くにあるワニの卵も守る為、ワニから襲われる事がない共生です。

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/m.crank-in.net/news/48761/1/ampより引用のカバに乗って移動するアカハシウシツツキ(体長約20㌢)

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⑤-2.https://www.pmnh.org/wpa/birds/files/0709yellowbilled_oxpecker.htmlより引用のキバシウシツツキ(体長約22㌢)

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   ⑤-1.の写真はアカハシウシツツキで、-2.はキバシウシツツキというどちらもウシツツキの仲間は鳥の中では変わった食性をもちます。大きな趾で哺乳類の頑丈な皮膚にぶらさがることもでき、大型の草食獣の体に取り付いて、寄ってくる虫やダニを食べてあげます。まれに傷口のカサブタや肉などを食べる悪さもするようです。小さな群れでダニなどを食べる代わりに大型哺乳類のキリンやサイ、写真のカバ、スイギュウなどの身体に止まります。そうすることで、外敵から守られます。

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