見出し画像

第682回 カラスは黒い?

①https://artlessons.me/lessons/48より引用のイラスト

   私たちの住まいの身近にいるカラスって呼ばれるカラスは実際には二種類いて、住まいの近くでよく家庭ゴミを漁っているハシブトガラスと、ちょっと離れた山の裾野や畑で種をほじくっているハシボソガラスがいます。ハシブトガラスはクチバシが太くて「カァカァ」と澄んだ声で鳴き、体長が約56㌢、またハシボソガラスはクチバシが細くて「ガァ、ガァ」と鳴く体長約50㌢のハシブトガラスより少し小さくてスマートなカラスです。今や一番身近なカラスはハシブトガラスです。

②https://ameblo.jp/reseter8/entry-12433843797.htmlより引用のカラスの濡羽色の髪の毛

画像3

   どなたにも黒い鳥はって尋ねれば、どんな方でも「カラス」と返事が帰ってきます。しかし、カラスの翼をよく見ると真っ黒ではありません。しっかり見れることは少ないでしょうが、翼を広げている時を見ると紫だったり、青みがかっていたり、緑だったり、虹色のように見えることもあります。他のカワセミブッポウソウにも見られますが、カラスの翼にも構造色と言われるものが見られます。光が当たることで紫に見えることもあるようです。これを薄膜干渉というらしいです。

ハシボソガラスの普段の体色

画像4

   カラスの濡羽色とよく聞きます。②の写真の女性の髪の毛の色合いを表現する時に使います。女性の髪の毛も、③の写真のように普段は黒にしか見えないのが当たり前なのに、洗髪や光の当たり具合で青とか紫や緑が見えてきます。みなさんもご存知のように、カラスは雌雄同色です。パッと見ではオスなのかメスなのか難しいです。ゴミを漁る時に、見張り役がオスで実行役がメスとよく言われます。でも三羽以上が集まればオスかメスなのかわからないのが本音です。

④https://togetter.com/li/1232456より引用のハシブトガラスの身体の色

画像2

   光の具合で青く見える要素はメラニンという物質らしいです。メラニンはオスの場合はクジャクと同じように綺麗に並んでいるのですが、メスは乱雑に並んでいるようです。カラスの場合は普段は黒いのに、光の具合で変化するのは、油を見た時に虹色に見えるのと同じ原理です。カラスの構造色は、この薄膜干渉の方ではないかといわれます。自然の法則は凄くて、カラスは背中から肩にかけて紫外線に反応する構造色を持っていて、カラスは個体の識別に使っているみたいです。

⑤https://togetter.com/li/1232456より引用のカラスの身体の色のアップ

画像2

   この光によって変化するのは構造色と呼ばれ、色褪せもありません。カラスの雌雄の見分け方も紫外線色が雌雄で異なっているそうなので、いまほとんどの野鳥は紫外線を見分けられることができるので、カラスのオスにとって、あぁあのカラスは紫が多いから自分と同じオスであり、また紫が少ないカラスはメスのカラスであると認識できるようになっています。このカラスの綺麗な青色を見ていますと、かって学生時代の美術の先生が、ルノワールは黒を使わず青で表したと。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?