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第809回 鳥のクチバシ

①http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/animal/animalwatching-2.htmlより引用の色んなクチバシのイラスト

   以前にも鳥のクチバシのことは語りましたが、今回はこのクチバシはこんな役目を持ってこんな形をしているっているんだなと語るようにしました。また鳥のクチバシは何から出来ていそういう視点から語ろうかなと思います。クチバシのある生き物は鳥だけではありません。爬虫類のカメや哺乳綱単孔目のカモノハシにハリモグラにもあります。そしてなぜ、鳥類には歯がなくクチバシだけなのか、それは体重を軽くするため、鳥には歯はありません。哺乳綱単孔目にもありません。

②https://www.irasutoya.com/2017/03/blog-post_932.html?m=1より引用の細長いクチバシを持ったタシギのイラスト

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   鳥類のクチバシの成分はカルシウムとケラチンで出来ていて、クチバシが歯と唇の役割や前肢が翼となっているため、手の役目もします。人間の爪のように、磨耗しても再生し、先端が折れても再生します。②の写真はタシギのイラストです。「シギチ」は細長いクチバシが、真っ直ぐに伸びているか、また上や下に反り返っていたり、ヘラサギのように先がヘラの形をしていたり、細長いクチバシに変わりはないのですが、このクチバシを持つ野鳥は『昆虫食、花蜜食』が多いです。

③http://www.uchinome.jp/nature/animal/2016/animal26.htmlより引用の円錐形のスズメのクチバシ

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   この③の写真のスズメのクチバシに代表される円錐形は「 種子食」の鳥類が多いです。写真はスズメの小さなクチバシですが、この型で一番大きなクチバシの持ち主はオニオオハシで、体長約61㌢の身体にクチバシが約20㌢もあり、また体重約650gに対して、クチバシの重さは約15g弱と軽くて、中はハニカム構造になっています。その上上クチバシは頭骨と癒合し、蝶つがい式に繋がり、二重の大きく裂ける関節から成っています。口を開く時下顎だけでなく上顎も上方に開きます。

④https://pixnio.com/ja/media/ja-2152659マガモの扁平なクチバシ

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   ④の写真はマガモの扁平なクチバシです。このクチバシを持つ鳥は「藻類などをこして食べる鳥」です。水上すれすれに口を開けて、身体は泳いで、クシの歯のようなギザギザで、すくいとります。また「シギチ」などの細長いクチバシの持ち主は、クチバシを開いて水中に差し入れたり、左右に振ったりして、クチバシに餌動物が触れると、瞬間的に嘴を閉じて捕まえます。濁った水中、泥の中、植物が密生した場所、夜間での採食を可能にするこの方法を触覚定位と言います。

⑤http://www.osaka-nankou-bird-sanctuary.com/o.n.b.s_web/top_cont/mozu_cock/mozukuchibashi.htmより引用のモズの鉤状のクチバシ

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   ⑤の写真はモズの鉤状のクチバシです。モズは猛禽類ではありませんが、肉食なので、このような鉤状のクチバシを持つ鳥は「肉食の猛禽類」が多いです。モズの場合でも昆虫を切り裂いたり、小動物の息の根をこのクチバシで留めますから、鷲鷹になると獲物ももっと大きいからです。鷲鷹の上クチバシ基部を覆う柔らかく、多少とも肥厚し、裸出した皮膚のことをろう膜と言います。

⑥https://ameblo.jp/memberj8081/entry-10505582468.htmlより引用の食い違ったイスカのクチバシ

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   ⑥の写真はリアルな交差したクチバシのイスカです。先端が交差したクチバシを横に動かし、てこの原理で裸子植物の球果をこじ開け、中の種子を舌で抜き出しまだ青いうちに食べます。クチバシが右に食い違う個体群と、左の個体群とがあります。この差異は採取する球果の鱗被が時計回りにねじれているか、逆周りにねじれているかに関連しているようです。左側で交差する個体は反時計回り、右側で交差する個体は時計回りで種子を取り出します。色んなクチバシがあります。

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