見出し画像

第1540回 日本のツバメ

※http://kawasemi.main.jp/research/tubame/answer1.htmlより引用の色んなツバメ

   私たちの棲む日本には早春から春先になれば「ツバメ」の仲間たちが生まれ故郷の日本の各地にやって来ます。どなたもご存知の「ツバメ」は本家本元のツバメです。こんなにややこしい言い方をするのは、日本の「ツバメ」は六種の仲間がいて、秋口には越冬のために南の国に飛び立って行きます。六種は『ツバメ科』のツバメイワツバメコシアカツバメショウドウツバメリュウキュウツバメの五種と『アマツバメ科』のヒメアマツバメの計六種が日本のツバメとなります。

①-1.http://blog.livedoor.jp/kyotonaturephoto/archives/1056289922.htmlより引用のツバメのつがい(飛んでいるのがオス、下側はメス、体長約17㌢)

画像1

①-2.https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/usagida/2016/03/13/10751.htmlより引用のツバメの営巣

画像2

   もうこの①-1.〜2.の代表的な春の風物詩のツバメは、皆さんもご存知の「ツバメ」です。このツバメは三月中旬頃にオスが最初に日本に帰ってきて、のちに昨年につがい関係になったメスを待ち、営巣場所を各家庭の玄関先を物色します。そのメスを待ちわびる時に、早く来いとばかりに「ムシクッテ、ツチクッテ、シブイ」と本当にききなし通りにさえずりを始めるのです。繁殖相手が帰って来なかったら、新しくパートナーを探しますが、ツバメは厳格な一夫一妻の働き者です。

②-1.https://orbis-pictus.jp/article/iwatsubame.phpより引用のイワツバメ(飛んでいるのがオス、下がメス、共に体長約14㌢)のつがい

画像3

②-2.https://maruyama-isamu-atsugi.muragon.com/entry/533.htmlより引用のイワツバメの営巣

画像4

   私の住んでいる街には、ツバメとこの②-1.のイワツバメがいます。イワツバメツバメより早く二月中旬頃に日本に帰って来るツバメ以上の働き者です。また南の国へ飛び立つ時期もツバメより遅い出発となりますから、ツバメの半年より長いことになります。この二種は棲み分けが出来ていて、ツバメはご存知のように民家の軒先に営巣します。しかし、イワツバメは同じ「ツバメ」の営巣でもツバメが木造好きに対してイワツバメはコンクリート好きの②-2.の様な高架下を好みます。

③-1.http://bird-pedia.com/archives/2107より引用のコシアカツバメ(体長約18.5㌢)

画像5

③-2.http://zisama.seya-s.com/?p=4303より引用のコシアカツバメの営巣

画像6

   文字通り、③-1.のコシアカツバメは腰の部分が赤っぽい色の「ツバメ」です。その大きさも日本のツバメの中では一番大きな存在だと思います。イワツバメとは反対に、ツバメより熱帯域に住み、ツバメよりも一ヵ月ほど遅い四月下旬から五月上旬に渡来します。体型の見分け方は見分け方は腰の部分が赤く、尾はツバメより太めで長めです。特に西日本では多く見られます。③-2.の巣は一般家屋より、ビルの天井や橋などコンクリート製の建造物に泥や枯草等です。集団営巣します。

④-1.http://bird-muromi.sakura.ne.jp/zukan/suzume/shoudoutsubame/shoudoutsubame.htmlより引用のショウドウツバメ(体長約12㌢)

画像7

④-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=26081001123より引用のショウドウツバメの営巣

画像8

   日本のツバメの中では最小のツバメが④-1.のショウドウツバメです。日本では北海道全域に飛来し、水辺、農耕地、草原などに生息します。見分け方は尾は浅い凹尾で、広げると角形、くちばしが黒いです。顔から腹部にかけて白色、胸にT字形の帯が見えます。④-2.のように、繁殖期が6月から8月で、湖や河川沿いにある自然の崖や、土砂採取などでできた人工的な崖に、数十~数百の集団で横穴を掘って営巣します。イワツバメやコシアカツバメと同じく集団性の高い営巣をします。

⑤-1.http://bird-muromi.sakura.ne.jp/zukan/suzume/ryukyutsubame/ryukyutsubame.htmlより引用のリュウキュウツバメ(13〜14㌢)

画像9

⑤-2.https://yaimatime.com/wadaimix/21483/より引用のリュウキュウツバメの営巣

画像10

   ⑤-1.のリュウキュウツバメは、日本では奄美大島以南に留鳥として分布し、海岸、河川、農耕地などに生息します。見分け方は止まっている時に尾は翼より短く、飛行時はツバメに似ますが、胸に黒帯がなく、腹も白くありません。尾羽の付け根部分の下側には黒色のうろこ状の斑があります。渡りをしない留鳥として奄美諸島や琉球諸島で年間を通して生息するツバメです。民家、寺社仏閣、橋梁下など人間が造った建造物に巣を作りますが、⑤-2.のような写真では、ツバメよりも洞窟や崖などの自然物に巣を作ることが多いです。

⑥-1.http://bird-muromi.sakura.ne.jp/zukan/amatsubame/himeamatsubame/himeamatsubame.htmlより引用のヒメアマツバメ(体長約13㌢)

画像11

⑥-2.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32148003575より引用のヒメアマツバメの営巣コロニー

画像12

   最後の⑥-1.はヒメアマツバメです。生息範囲が狭く、日本では茨城県以西の太平洋岸に分布、市街地や農耕地などに生息するだけです。見分け方は、ツバメよりも一回り体が小さく、尾は短く、切れ込みが浅く四角いです。翼は長めで広げると鎌形、クチバシは黒く短く、全体が黒褐色、喉と腰だけ白いです。アマツバメ目アマツバメ科というツバメの仲間です。1967年に静岡市で初めて繁殖が確認されました。その後日本で分布を広げ、局地的に留鳥として繁殖しているツバメです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?