見出し画像

第807回 トラツグミと同じ大きさのオオトラツグミ

トラツグミ(体長約30㌢)

   ①の写真は今まで何回か登場しましたツグミの仲間のトラツグミです。漢字表記も怖そうに'虎'という猛獣の漢字表記が入って「虎鶫」。日本では留鳥または漂鳥として周年生息し、本州、四国、九州の低山から亜高山帯で繁殖します。主に丘陵地や低山の広葉樹林に好んで生息しますが、林の多い公園などでも観察されます。食性は雑食。雑木林などの地面で、積もる落ち葉などをかき分けながら歩き、土中のミミズや昆虫類などを捕食することが多く、冬季には木の実も食べます。

②https://minamiphotolife.wordpress.com/2017/10/24/オオトラツグミ(zoothera-major)/amp/より引用のオオトラツグミ(体長約30㌢)

画像2

   今回に語ろうとするのは、この②の写真のオオトラツグミです。調べてみると、この鳥はツグミと付くからツグミの仲間で、またトラツグミに大が付く名前がオオトラツグミなので、大きな身体のトラツグミなのだから、亜種とされて来ました。漢字表記は、当然「大虎鶫」で、日本では奄美大島にのみ留鳥として生息していて、全長は約30㌢で、トラツグミと全く体長は同じです。またトラツグミと外見は似ており、羽の色がやや暗色で紋様が不鮮明で、近くで見ても判別不能です。

③https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鵺より引用の妖怪鵺

画像2

   以前にもトラツグミを語るには、③の『妖怪鵺』を語らなければ話はすすみません。またこの話があったからこそ、トラツグミは有名になりました。Wikipediaでは「『平家物語』や摂津国の地誌『摂津名所図会』などによると、鵺退治の話は平安時代末期、近衛天皇の住む御所・清涼殿に、毎晩のように黒煙と共に不気味な鳴き声が響き渡り(『ヒューヒュー』あるいは『ヒョーヒョー』と鳴くとされ)、二条天皇がこれに恐怖していた。遂に天皇は病の身となってしまい、薬や祈祷をもってしても効果はなかった」とあります。

④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鵺より引用の新形三十六怪撰:猪早太と鵺 月岡芳年画

画像3

   そして「側近たちはかつて源義家が弓を鳴らして怪事をやませた前例に倣って、弓の達人である源頼政に怪物退治を命じた。頼政はある夜、家来の猪早太を連れ、先祖の源頼光より受け継いだ弓を手にして怪物退治に出向いた。すると清涼殿を不気味な黒煙が覆い始めたので、頼政が山鳥の尾で作った尖り矢を射ると、悲鳴と共に鵺が二条城の北方あたりに落下し、すかさず猪早太が取り押さえてとどめを差した」と鵺は退治されて物語はほぼ完結です。そこにいまオオトラツグミです。

⑤https://blog.goo.ne.jp/miracle_nature_amami/e/7291d515e4af182350e8a65bb7c3c0daより引用のトラツグミオオトラツグミの違いの決め手

画像4

   もしその昔にオオトラツグミが現れ、トラツグミの復讐のために、何倍もの身体を大きくさせて再度登場なら面白かったろうに。実際でも、オオトラツグミと名付きますのに、トラツグミと身体の大きさは一緒で、そして身体の身なりもよく似て、ただ鳴き声は物悲しげな声ではなく、オオトラツグミは「キョロン、ツリリ-」と鳴きます。その判別はトラツグミの上尾筒の羽縁と羽軸が黒くいかり状に見える、尾羽の枚数は14枚、オオトラツグミは12枚です。絶対似ただけの別種です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?