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第1956回 夏の鳥の俳句

①https://tonton-animals.com/about-summer-birds/より引用の夏の鳥のイラスト

   今の時代の夏の鳥と、昔からの夏の鳥では何かしら食い違っているようなところがあると思います。例えばツバメは、三月中旬に越冬先の南の国から生まれ故郷の日本に帰ってくるのですから春の鳥と思うのですが、俳句では夏、同じく春を告げる鳥としてメジロウグイスと並んで春の鳥と思いますが、俳句ではやはりメジロは夏とか、こうなれば、初夏にやってきます渡鳥で、托卵することで有名なホトトギスとかカッコウ、また五月から繁殖期に入りますセッカなどは、その現れる季節のまんまの夏鳥のまんまとか、俳句での季語を考えられた方の意図がわからないと思います。

②-1.https://igakanko.net/?p=83より引用の松尾芭蕉(江戸時代前期の俳諧師)

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②-2.https://www.birdfan.net/2019/08/23/72791/より引用のホトトギス(体長約28㌢)

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    ⑴  松尾芭蕉
『 京にても京なつかしやほととぎす 』
季語:ほととぎす(夏)
現代語訳:見慣れた京の都だが、ホトトギスの鳴き声を聞くと古の都の人達も聞いていたのだなぁと懐かしさを感じることである

③-1.https://rekisiru.com/6625より引用の俳人水原秋櫻子

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③-2.https://www.birdfan.net/2019/09/13/73375/より引用のセッカ(体長約12㌢)

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   ⑵  水原秋櫻子
『 雪加鳴き端居(はしい)にとほき波きこゆ 』
季語:雪加(夏)
現代語訳:雪如(セッカ)が鳴いている。縁側の端で涼んでいると、波の音が遠くから聞こえてくる         ※  端居は縁側の端のことですが、転じて夏に縁側で涼んでいる様子を意味しています。

④-1.https://shiki-museum.com/masaokashiki/より引用の俳人正岡子規

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④-2.https://www.birdfan.net/2019/06/28/71826/より引用のメジロ(体長約12㌢)

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   ⑶  正岡子規
『 誰やらが口まねすれば目白鳴く 』
季語:目白(夏)
現代語訳:誰かが口真似で鳴き声を真似ると、メジロも鳴きだした

⑤-1.http://www.hakusan-museum.jp/chiyojohaiku/about/より引用の俳人堀麦水

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⑤-2.https://haretoki.net/swallow/より引用の幼鳥のツバメ

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   ⑷  麦水
『 飛び習ふ青田の上や燕の子 』
季語:燕の子(夏)
現代語訳:青い田んぼの上を、ツバメの子たちが飛ぶ練習をしていることだ

⑥-1.https://www.xn--evqz9gt1mmyvjro.net/oosuga-otuji/より引用の俳人で俳論家大須賀乙字

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⑥-2.https://www.birdfan.net/2013/07/12/23498/より引用のカッコウ(体長約35㌢)

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   ⑸  大須賀乙字
『 山雲を谷によぶなり閑古鳥 』
季語:閑古鳥(夏)
現代語訳:閑古鳥(カッコウ)が鳴くと山にかかっていた雲が谷まで降りてくるようだ





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