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第884回 やっぱりモズ(14回目)

①https://ikifure.info/2020/02/04/モズのさえずり春間近より引用のモズ(体長約20㌢)

   やはりモズと言えば、漢字表記から始めることになります。「鵙」「伯労」「百舌」とここまでの文字なら納得いくのですが「百舌鳥」は三つの漢字が並ぶのにモズの二文字です。大阪府にはこの「百舌鳥」と言う地名も駅名も古墳もあり、野鳥であるはずのモズが大きく取り上げられています。モズは大阪府が指定しました府鳥でもあり、また愛称の『もずやん』は大阪府の公式マスコットキャラクターでもあります。身体は小さい故に猛禽類になれなかったモズを語ります。

②http://karapaia.com/archives/51516824.htmlより引用の「早贄(はやにえ)」

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   モズを語るには「早贄」です。これだけはどうしようもなく、切っても切り離すことが出来ません。重なるとは思いますが「早贄」は以下の理由が考えられますが、まだはっきりしたことがわかっていません。以下の九つが挙げられます。            ⑴毒消し説→蛙やイモリの粘液腺に含まれる毒を消すためで、毒が消された頃に採餌する。                 ⑵本能説→小動物を襲い、刺して食べるのが本能的習性。(春夏にあまり作らないのはなぜ?)             ⑶食べ残し説→後で食べるつもりが忘れた。(春や夏に、あまり早贄が残っていないのはなぜ?)          ⑷なわばり説→他のモズに、自分のなわばりを示している。(侵入者に早贄を食べてしまわれる)          ⑸貯蔵説→冬に備え、干物として貯える。秋冬に大量にさす。(夏鳥アカモズにもこの習性がある)      

③https://midorinotori.com/?p=1191より引用のモズの「鳴き真似」と「高鳴き」

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   ⑹結納説→オスの早贄をメスが食べているのが観察されている。繁殖期になると、オスの縄張りに中にメスが入るが、良い縄張りかチェックする         ⑺好き嫌い説→捕獲した餌のうち、嫌いなものを早贄にする(好き嫌いで早贄にするだけとは?)       ⑻処理説→大きすぎて丸呑み出来ない獲物を引き裂くための処理方法で、獲物を素早く殺せる。春~夏に多いが、じきに食べてしまうので目に付きにくい。(小さい獲物を早贄にすることもある)       ⑼物真似向上説モズのオスは10~12月に早贄を蓄える。11月~1月に食べ尽くす。保存食であるなら2月も必要。1月はモズの繁殖期が始まる直前にオスが歌い始める時期で、栄養状態の良いオスほど早口で歌え、早口で歌うオスほどメスにモテる。早贄を多く消費したオスほど早口で歌える。

④https://1946kato.at.webry.info/201803/article_3.htmlより引用のモズのつがい(左側がメス、右側がオス)

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   モズは秋の最初の行動「モズの高鳴き」はクチバシや爪が鋭いので、モズ同士が喧嘩すると大怪我の危険があるので、それを避けるため声による誇示行動で闘争を回避します。この時は縄張りにメスが侵入しても追い出します。雌雄に違いが少ないモズの仲間のなかでは違いが雌雄区別が出来ます(④の写真参照)。オスが良い場所を縄張りにします。しかし、メスは春になると冬の縄張りを捨てオスの縄張り入りし、つがいが形成されます。抱卵はメスのみで、体重はオスより重くなります。

⑤http://birdclay.web.fc2.com/01birdclay/03seisaku/09mozu/09.htmlより引用のカービングのモズの趾のアップ

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   モズが小さな猛禽類と呼ばれるのは、鉤状のクチバシで、捕らえた獲物を引き裂き、お気に入りの場所へ運びます。しかし趾を使っては運びません。後趾が発達しているので、獲物を強く掴むことができます。求愛はオスがメスに対し、黒い過眼線を見せつけるダンスを行います。また「高原モズ」という、平地で早い時期に繁殖したモズがときどき高原で二回目の繁殖を行い、そのとき身体の色が灰色になることがあり、この灰色に変色したモズを俗称「高原モズ」と呼びます。

⑥http://birdclay.web.fc2.com/01birdclay/03seisaku/09mozu/09.htmlより引用のモズの仲間のアカモズ(体長約20㌢)

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   日本のモズの仲間はモズを含めると、七種がいます。ほかにアカモズセアカモズチゴモズオオモズオオカラモズタカサゴモズです。⑥の写真のアカモズは体長約20㌢の夏鳥、セアカモズは体長約17㌢で、日本では迷鳥です。チゴモズは体長約18㌢で夏鳥。オオモズは体長約24㌢と大きく、日本では冬鳥か迷鳥として現れます。オオカラモズオオモズより更に大きく体長約31㌢で同じく冬鳥、タカサゴモズは体長約25㌢で迷鳥です。日本のモズが周年見られる不思議な鳥です。

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