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第1463回 カーペンターな鳥

※-1.Twitterより引用の鳥のカーペンターのイラスト

※-2.http://wildlife-d.xsrv.jp/?p=2135より引用の色んな鳥の巣のイラスト

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   野鳥の巣にはその野鳥が生息している環境にもより、色んな場所に、色んな形状のものがあります。そして、その巣に使われている素材にも、その環境に応じて工夫を凝らしていたり、人間にも言えますが、エコのため、ただ古巣を使うだけでなく、その巣にリフォームを加えたり様々です。野鳥には樹木に住まったり、また陸上や水辺、水上に生活拠点をおいていたりします。そんな野鳥が、工夫を凝らして作り上げた繁殖の為の大事な巣。野鳥の名大工ぶりを内外問わず紹介します。

⑴-1.http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/photo-life/kyokuhoku/003/より引用のハクトウワシ(体長約80〜110㌢)の巣

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⑴-2.https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/forest/bald_eagle.htmlより引用のハクトウワシの巣の構造

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   ハクトウワシは、アメリカの国鳥で、日本でも迷鳥として、国後島、北海道で発見されています。海岸や川沿い、湖沼の近辺に生息し、主に魚類を捕食し、水鳥や哺乳類、爬虫類、動物の死骸なども食べます。水辺近くの樹上、岸壁、地面などに鳥類の中でも最も巨大な巣を作ります。一生涯の一夫一妻で、毎年、産卵時期には同じ巣に戻ります。殺菌性の高い針葉樹などの葉を中央に集めて増築を行うため、巣は年々大きくなります。厚さ約6㍍、幅3㍍、重さ2tになる巣もありそうです。

⑵-1.http://photozou.jp/photo/show/2940836/188897406より引用のキムネコウヨウジャクの巣

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⑵-2.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ハタオリドリ科より引用のキムネコウヨウジャク(体長約15㌢)

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⑵-3.https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/forest/baya_weaver.htmlより引用のキムネコウヨウジャクの巣の構造

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   ⑵-2.のキムネコウヨウジャクはパキスタン、インド、スリランカ、ネパールやタイなどに生息しているハタオリドリの仲間です。集団性の高い鳥で、ヤシの葉を裂き、体が重いサルなどの外敵が近づけない細い枝先にまきつけて妊婦さんのお腹のような形の巣を造ります。巣はしっかり枝先に巻き付けられているため、地震にも強く、風にも飛ばされません。産座には柔らかい穂を敷き、最初につくる輪の部分が壁になり、風で巣が揺れても卵は落ちません。個体により巣の中に土や小石を詰め、天然の制震機能をつくるものもいます。

⑶-1.https://tokyo.birdlife.org/archives/world/13655より引用のセアカカマドドリ(体長約19㌢)の巣

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⑶-2.https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/forest/furnarius_rufus.htmlより引用のセアカカマドドリの巣の構造

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   ⑶-1.の写真は、中南米のほぼ全域に生息する、林や草原などに住む小型の鳥のセアカカマドドリはしっかりした長い足は地上で行動するのに適しており、歩き回って昆虫や小動物を食べ、ご覧の写真のように太い横枝の上に、泥に枯れ草などを混ぜ、より頑丈な素材で、ドーム状のかまどのような巣を作ります。巣はカタツムリの殻のようになっていて外から中は見えません。入り口から入ると壁の奥に小さな穴があり、そこから枯れ草が敷かれた広い部屋に入れるようになっています。

⑷-1.https://ebird.org/species/afrpet5?siteLanguage=jaより引用のアフリカツリスガラ(体長約10㌢)

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⑷-2.https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/about/より引用のアフリカツリスガラの巣

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⑷-3.https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/savanna/penduline_tits.htmlより引用のアフリカツリスガラの巣の構造

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   ⑷-1.はアフリカ南西部に生息している、アフリカツリスガラです。アフリカに住む鳥類の中で最も小さい種類のひとつでもあり、クチバシが尖っているため、昆虫などを捕食するのが得意です。その巣の造りは、二つ入り口を造り、すぐ行き止まりになる入り口を造るのは、外敵に巣には何もないと勘違いさせるためのダミーです。小さな鳥は、襲われると勝ち目がないため、目立つ大きな巣は造れません。限られた狭い空間を広々と安全に利用する知恵が詰まった賢い造りと思います。

⑸-1.https://www.google.co.jp/amp/s/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/7478156/より引用のシャカイハタオリ(体長約14㌢)

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⑸-2.https://www.google.co.jp/amp/s/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/7478156/より引用のシャカイハタオリの巣

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⑸-3.https://www.misawa.co.jp/50th/sumai/savanna/sociable_weaver.htmlより引用のシャカイハタオリの巣の構造

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   ⑸-1.の写真のシャカイハタオリは、アフリカ南西部に生息している、日本のスズメの先祖と言われる鳥です。アフリカの砂漠近くは日中気温40度以上、夜は-10度以下にもなります。気温変化の激しい気候でも、巣には草の茎がびっしりと差し込まれた厚い壁があるので、巣内は常に約26度。厳しい環境で快適に過ごす賢い構造です。シャカイハタオリの巣は、茅葺屋根と全く同じ構造で、若鳥は幼いヒナの成長を見守るヘルパーの性質があり、血縁のないつがいのヒナでも世話をします。

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