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第1371回 水辺の珍しいクチバシの鳥

①http://www.cec-web.co.jp/column/bird/bird146.htmlより引用のヘラサギ(体長約85㌢)のクチバシ

   ①の写真はクチバシがヘラというか杓文字のような形をしたその名もヘラサギです。漢字表記は「箆鷺」ですから、まさに『箆』を持った『白鷺』ということになります。日本では数少ない冬鳥として、北海道から南西諸島まで各地で記録があります。口を半分開いた状態で左右に振りながら歩いているようすが見られます。えさを探しているのです。開いたくちばしの内側に魚などが触れると捕まえて食べます。箆状の部分は、魚を挟んで捕まえるために役立つように出来ています。

②-1.http://ada-kitakyu.com/bird/s5herasagi.htmlより引用のクロツラヘラサギ(体長約74㌢)

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②-1.https://blog.goo.ne.jp/tek-tek930/e/8800d6393ed6037f926d8f8e16c70762より引用の左側がヘラサギ、右側がクロツラヘラサギ一緒の写真

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   ②の写真はヘラサギによく似たクロツラヘラサギです。その漢字表記はその名前のまんまの「黒面箆鷺」です。ヘラサギとは一回り小さいです。日本には冬季に越冬のため、主に九州や沖縄県などに少数個体が飛来する冬鳥です。ヘラサギとは同じ時期の冬に飛来するので、この二種は②-2.の写真のように一緒にいることもあり、仲が良いようです。二種共に魚類、甲殻類などを食べます。干潟や浅瀬で水中や地中に嘴を浅く差し入れて細かくふるわせ、頸部を左右に振り採食をします。

③https://note.com/hiho2351/n/n6aaeebee982fより引用のホウロクシギ(体長約62㌢)

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   身体の割にクチバシが長い野鳥ならカワセミダイサギなんかを含めて多くいます。しかし、この③の写真のホウロクシギは、日本では、旅鳥として春と秋の渡りの途中で渡来します。その漢字表記は「焙烙鷸」で『焙烙鷸』とは素焼きの土鍋のことです。身体の色具合からの名付けだと思います。下向きにクチバシが反っています。真っ直ぐなクチバシで獲物を刺すのではないのです。またこのクチバシの使い方は砂浜の下に潜っている蟹などの甲殻類を捕獲しやすい様になっています。

④-1.ホウロクシギとは反対にクチバシが反り上がっているソリハシセイタカシギ(体長約43㌢)

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④-2.ソリハシシギ(体長約23㌢)

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   ホウロクシギのクチバシが下向きに湾曲しているのに対して、この④-1.の写真の数少ない旅鳥または冬鳥のソリハシセイタカシギ(反嘴丈高鴫)と、春秋に旅鳥としてやってくる④-2.の写真のソリハシシギ(反嘴鴫)はその反対にクチバシが反り上がっています。なぜホウロクシギとは反対のほうに反り上がっているのかは定かではありませんでしたが、同じように反り上がったクチバシで上手にカニなどを捕獲します。また双方の曲がったクチバシは真っ直ぐにも動き、柔軟に対応しています。

⑤鳩が太ったような身体で夜行性のヤマシギ(体長約35㌢)

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   ⑤の写真の北海道で夏鳥、本州中部以北と伊豆諸島で留鳥、西日本では冬鳥のヤマシギ(山鷸)は今までのサギやシギの仲間と違い、名付けの通り山に生息します。クチバシは長くて真っ直ぐで、他の鳥類と比べると目が頭の中心より後方上部に寄っていて、両眼を合わせた視野は、ほぼ360度をカバーしています。首と尾は短く、足も他のシギにくらべて短いです。キイウィと似た食性で、地中のミミズや虫を長いクチバシを差し込み採餌します。夜行性で嗅覚が発達してるかもしれません。



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