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第796回 鳥類の能力

①https://www.sozailab.jp/sozai/detail/36620/より引用のイラスト

   よく人の物覚えのことを馬鹿にする時に『鳥頭(とりがしら)』と言って、物忘れの激しいこと、あるいは、記憶力の弱いことのたとえにします。
「三歩で忘れる鳥頭」「鶏は三歩歩けば忘れる」と云うことわざにもなっています。それほど鳥は身が軽く、空を飛べるのだから、きっと脳みそも軽いだろうというものです。しかし皆さんもご存知のように「カラス」や鳩は人の顔を認識して、特定の人を攻撃したり、また餌をねだりにその人の足元に近付いたりと物忘れではありません。

②https://serai.jp/hobby/306589より引用のヒヨドリ(体長約27㌢)の飛行能力

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   冒頭で頭に関わる記憶力とかの「能力」を語りましたので、頭の事ばかりだと思っておられる方がいらっしゃると思いますが、決して「能力」は頭の事ばかりではありません。この②のヒヨドリは波状飛行と呼ばれる飛び方ができる上、空中で止まる停空飛翔(ホバリング)もできる優れた飛行能力をもっています。消費するエネルギー量が少ないのが特徴です。また、ホバリングによって、止まりにくい木の枝についた実を空中キャッチすることができる素晴らしい能力の持ち主です。

③https://rnavi.org/3300/よりハヤブサの急降下

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    同じ飛行でも、ヒヨドリは飛び方の能力で、ハヤブサは鳥類界最高峰の飛行速度を持つ鳥です。特に狙った獲物の上空に舞い上がり、眼下の標的目指しての急降下は優に時速三百㌔を超えており、この速度にはどんな野鳥も敵いません。ところで、ハヤブサの飛翔速度には翼の形が影響しています。猛禽類の殆どの翼は、羽が大きく広がっていて面積も広いですが、それと比べると、ハヤブサの翼は細く尖った形をしています。その知名度は新幹線や人工衛星の名前にもなる能力です。

④http://punipuniazarashi.hatenablog.com/entry/2017/06/25/183821より引用のいろんな卵の形

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   何も「能力」は鳥の身体だけではありません。このような④の写真のいろんな鳥たちの卵にも、その鳥が持つ「能力」が籠った大きさや形をしています。翼の長さを指数化したものを『ハンド・ウイング指数』というそうです。卵の形は産む数や環境要因、巣の特徴などと関係がない一方で、指数が最も高い、つまり最も効率的に飛べる鳥は、卵の非対称性または楕円率が最も高い事がわかりました。ペンギンは泳ぎが速くて尖った卵。ダチョウは翼を使う事はないので丸い卵です。

⑤https://i.fullersociety.com/img/animal-behavior/38/how-do-crows-count.jpgより引用の数を数えるカラス

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   やはり最後は野鳥の頭の『能力』となります。鳥は、霊長類がカウントに使用する脳の部分がなくても、数字を追跡する能力があります。「カラス」をトレーニング結果、なんと数の概念を理解し、6までの数字を認識できるようになったようです。また飼鳥のオキナインコは120個のボールの数を数えることができました。上空から瞬時に食べ物を探すことができる鳥類は、数を把握する能力においては、人間より格段に上です。これはもう間違いなく、驚くべき能力を持っています。

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