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第1841回 ヒヨドリとムクドリの違い

①https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/hiyodori-mukudori-chigai-miwakekata/より引用のヒヨドリ(体長約27㌢)とムクドリ(体長約24㌢)

   よく質問されるのですが、①の写真の左のヒヨドリと右のムクドリが良く似ていて区別がつかないと尋ねられます。そうかなあ、そんなに似ているでしょうか。身体の大きさも約4㌢もヒヨドリムクドリに対して大きいし、顔を見て頂いても、ヒヨドリの脚とクチバシは黒っぽいですし、ムクドリは脚とクチバシが黄色いです。また体の大きさと色が異なります。また身体の特徴はヒヨドリは全体的に灰色っぽく、尾羽が長い。ムクドリは目の周りは白く、顔の部分は黒く覆われています。

②-1.https://agri.mynavi.jp/2018_07_18_33223/より引用の樹上のヒヨドリ

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   ヒヨドリといえば、②-1.の写真のように樹木の枝の枝に留まっているところをよく見かける一年を通じて見ることができる留鳥です。年中鳴き声が絶えませんが、特に深くなる頃から一層「ヒーヨ、ヒーヨ」が高らかになってきます。また冬に備えて、普段はつがいや単独行動が多いのが、この頃には集団行動します。これはとうの昔に、ヒヨドリは朝鮮半島から、渡ってくる冬鳥でしたが、日本の気候があったのか、留鳥になりました。しかし、渡りの習性が残り、寒冷地に生息するヒヨドリは漂鳥として今でも渡りをします。

②-2.https://blog.goo.ne.jp/erimaylove/e/9c8876d47726688f5d281d249e79c6b7より引用の甘い柿の実を食べるヒヨドリ

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   また②-2.の柿の実を啄んでいる写真のように、ヒヨドリは甘いものが大好きです。元来は他の野鳥に多い雑食で、繁殖期には昆虫や節足動物をも食べますが、春先になると、桜の花の蜜を巡って自分よりもだいぶ小さなメジロを蹴散らして、桜の蜜を独り占めします。それほどヒヨドリは甘いものが好きです。それにしても、そんな乱暴なヒヨドリを相手にメジロもよほどの甘いもの好きだと思います。基本的に繁殖期には果実に加え昆虫類も多く捕食する一方、非繁殖期の餌は果実のセンダンやイイギリ、カキ、ヘクソカズラ等がほとんどです。ツバキや桜などの花の蜜を好みます。

③-1.https://pinokogarden.com/archives/11798025.htmlより引用の椋の実とムクドリ

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   ムクドリといえば、③-1.の椋の木の実が大好きだから、漢字表記も「椋鳥」とされます。しかし、ムクドリヤマガラのようにエゴの実が大好きなので、エゴの木に行けばヤマガラに会えると言うほど大好きではなく、椋の木の実ばかり食べているわけではありません。これに限らず、雑食性で、植物の種子や果物、虫の幼虫などを好んで食べます。食性は雑食で穀物やブロッコリーや白菜などの野菜、甘い果物、虫等を食べます。またヒヨドリと同じく甘い柿の実等も好きです。夏は昆虫や幼虫などの虫を主食にし、子育てします。

③-2.https://incosukii.xyz/2018/06/16/post-1641/より引用の地上性の強い集団行動のムクドリ

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   ③-1.の項でもお伝え致しましたように、繁殖期になりますとムクドリは盛んに虫を食べに地上を歩き回ります。よく畑や公園の草地なんかで、集団でトコトコ歩いているのが見受けられます。地中のミミズや甲虫やセミの幼虫を穿り出します。陸に生息する野鳥にはふた通りあり、シジュウカラヒヨドリみたいに樹上生活するものと、このムクドリやセキレイみたいに地上生活を主とするものがあります。その場合の歩き方もふた通りあり、樹上生活の鳥はホッピング、地上生活の鳥は人と同じくウォーキングと生活環境に応じます。

④-1.http://spilonotus.blog92.fc2.com/blog-entry-2784.htmlより引用のヒヨドリの波状飛行

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 ④-2.https://www.google.co.jp/amp/s/sasatto.jp/article/special/niceview_kitakyushu/entry-800.html/tpl/amp.htmlより引用の集団で渡りをするヒヨドリ

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   ヒヨドリはスズメやハト、カラスとは違う飛行を致します。波状飛行(難しくはバウンディングフライト)は小型の鳥に多い飛び方で「短く羽ばたいて上昇し、翼を畳んで”少し滑空を繰り返して飛びます。直線飛行に比べるとエネルギー消費が少なく、楽に飛ぶことが出来ます。この飛行方法で、漂鳥としての国内間の渡りを行います。他には、セキレイ、キツツキの仲間が波状飛行をする代表的な鳥です。セキレイやキツツキは渡りを行いませんが、ヒヨドリの一の谷の決戦で有名な「鵯越え」の明石海峡越えや、北海道から津軽海峡越え、下関から関門海峡越えなど名所は多いです。 

⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/200532iwa/e/8e68effcd2693c350a1c3798feae7e8aより引用の鳥の歩き方の違いのイラスト

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   面白いことに、⑤-1.の写真のように、このムクドリヒヨドリ(写真左の歩行)は歩き方も違えば、飛行方法も全く違う野鳥同士なのに、なぜこの二種の判別がつかないと皆様方は思われるのでしょう。ヒヨドリが波状飛行と歩行方法がホッピングに対して、ムクドリスズメやハト、カラスと同じく羽ばたき飛行に、歩行方法はウォーキングです。飛行方法や歩行方法がどうであれ、この二種は渡鳥ではなく、一年中見られる留鳥です。普段は群れないヒヨドリは冬が近づく頃には集団行動し、対してムクドリは年中群れて行動します。

⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/www.afpbb.com/articles/amp/3156673より引用のムクドリの群れ

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   ヒヨドリは④-2.のように国内移動と言う群れなして、海面を低空飛行して、ハヤブサなどの猛禽類を牽制し、波状飛行で省エネ運転を行います。ムクドリの集団化は一時社会問題にまで発展しました。鳴き声による騒音、または糞害、それによる悪臭とその群れの数は半端ではありませんでした。私の街の最寄りの駅の道も白く汚れて、しょっぱい匂いで覆われました。その群れの素となるのが⑤-2.のねぐら入り前に集合する大集団の群れです。群れ自体が一つの生命体の動きをします。

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