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第960回 メスもさえずる野鳥

①https://www.irasutoya.com/2016/04/blog-post_185.html?m=1より引用のイラスト

   日本では鳴管のある鳥がほとんどで、四季折々に美しい声でさえずります。その殆どの鳥は繁殖期にオスがメスを求めてさえずり、そのさえずりに応えたメスとつがいになります。しかし、メスがそのさえずりに応じてさえずり返したり、逆にメスからの求愛もあります。その種はコジュケイイワヒバリコマドリアカヒゲコルリイソヒヨドリマミジロキビタキオオルリサンコウチョウイスカイカルコウライウグイスソウシチョウ、タマシギの十五種です。

②https://note.com/hiho2351/n/n47fc06d3dc85/editより引用のイソヒヨドリのつがい(左オス、右メス共に体長約25㌢)

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   その中で今では非常に身近な野鳥となったのが、②の写真のイソヒヨドリです。漢字表記が「磯鵯」で、ツグミやヒタキの仲間のキビタキコルリオオルリもそうですが、さえずりが上手なうえに、雌雄揃ってさえずる野鳥です。この四種は良くあるオスが派手で、メスが地味、そして幼鳥はその雌雄の区別は二年前後経たないとわからず、それまではメスの地味な体色をして、外敵から少しでも身を守るようになり、経験を積んで自信を得た頃に初めてオスの派手な姿になります。

③https://note.com/hiho2351/n/n5e9fa9e525ebより引用のコマドリのつがい(左メス、右オス共に体長約14㌢)

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   ③の写真のコマドリと④の写真のオオルリは、ちょっと野鳥に興味のある方なら、ウグイスと合わせて、日本三鳴鳥だということがわかります。この三種は大きく分けると、ウグイスは留鳥で、コマドリオオルリは夏鳥です。それ故にこの三種のさえずりを日本で楽しむことができます。ツグミジョウビタキのように良く目につく野鳥は冬鳥でさえずりを日本で聴くことが出来ません。またこの三種の中では、ウグイスは春に人里に降りてきてさえずり、綱渡りは誰もが知っています。

④https://www.google.co.jp/amp/s/itohnori2.exblog.jp/amp/23138544/より引用のオオルリのつがい(左メス、右メス体長約16㌢)

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   その皆んなが知る「ホーホケッキョッ」のウグイスはオスのみが美しい声でさえずり、メスはさえずりません。コマドリは鳴き声は体に反比例するかのように大きく「ヒンカラ、カラカラ」と力強く鳴きます。これを馬の嘶(いなな)きの様だと聞きなして、馬=駒の鳴き声なので、画してコマドリの命名となったようです。またオオルリはおもに夏鳥として渡来し,各地の森林で観察され、さえずりはキビタキよりのびやかで、キビタキのピッコロに対してフルートに例えられるくらいです。

⑤https://rikkiyatyou.at.webry.info/upload/detail/043/672/04/N000/000/000/157753776836488310506-thumbnail2.jpg.htmlより引用のソウシチョウのつがい(左メス、右オス体長約15㌢)

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    これまでの雌雄さえずる野鳥はオスの方が派手な色合いで、メスが地味な色合いの種がほとんどでしたが、この⑤の写真のソウシチョウはご覧の通り、雌雄同色の綺麗な野鳥ですが、色のやや濃い方がオスです。今までの野鳥とは違って、このソウシチョウだけは外来生物法で特定外来生物に指定されていて「日本の侵略的外来種ワースト100」の選定種の一種です。しかし漢字表記は「相思鳥」でつがいの二羽を離すと、お互いにお互いの位置を確かめ合うようにさえずりあいます。

⑥https://note.com/hiho2351/n/ne120bb519c84より引用のタマシギのつがい(左メス体長約26㌢、右オス体長約22㌢)

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   ⑥の写真のタマシギはこれまで登場した、雌雄ともさえずる野鳥にはないところがあります。写真をご覧になられた人は紹介が間違われて左がオスで、右がメスのはずと思われるでしょうが、実はタマシギは雌雄が逆転しているのです。メスが身体も大きく体色も派手、ただ普通の野鳥と同じところは産卵することで、抱卵するのも育児するのもオスがいたします。また反対にメスが繁殖期にさえずり、それに応じてオスがさえずりかえします。またメスは一妻多夫でウグイスと反対です。



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