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第1342回 複雑なフクロウの謎 ⑵

①https://www.google.co.jp/amp/s/www.gizmodo.jp/amp/2016/05/watch-how-dead-silent-an-owl-f.htmlより引用の闇夜の[フクロウ]

   夜行性の[フクロウ]だからこそ、こんな闇夜に狩に出ることができます。やはり同じ夜行性のヨタカも昼間は休んでいて、夜に狩(といっても暗い夜に口を開けて飛び回り、飛んでいる蚊が口に入れば食べる=別名:蚊吸鳥)をするということでは、近縁と言えます。そんな夜行性の[フクロウ]でも、子育て中は自分やヒナのために昼でも狩をしなければなりません。しかし、闇夜に狩に出て落ち葉などの下に潜り込んでいるノネズミなどの獲物をどう察知して、[フクロウ]は捕獲するのでしょう。

②https://www.art-shinbi.com/blog/2017/03/05/より引用の[フクロウ]の暗視できる眼

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   暗視するため、網膜には色彩を区別する錐状体(コーン)より明暗を感知する桿状体(ロッド)が多く備わっていて、色盲ではないが、色弱的です。黄斑は浅いか欠如されています。ネズミやコウモリは、昼間は眼が見えにくいのに対し、[フクロウ]はコーンをかなり持つので、昼でも人と同程度見えます。ワシタカと違い、近くは見えなく被写界深度が浅いです。単眼視と両眼視ができます。[フクロウ]の視界は正面に付いている為、普通の鳥より狭く(110°人でも180°)。暗闇は人の百倍の感度。

③https://ja.best-wallpaper.net/Owl-one-eye-open-one-eye-closed-sleep_wallpapers.htmlより引用の[フクロウ]の視覚の凄さ

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   眼球は単眼視と両眼視ができ、普通の鳥は扁平で
フクロウは奥行きのある筒状です。焦点距離が長く遠くの物が大きく見えます。タペタム(照膜)というのは、猫の目が光るのと同じで、僅かな光を集めて明るくします。櫛膜(しつまく)は人には無い構造で、格子越しに外を見ると動くものが良く見えるのと同じで、僅かな光量でも良く見えます。瞬膜は不透明で丈夫。獲物を捕らえる瞬間や、枝に止まる瞬間に瞬膜を閉じ、眼を守り、瞼は上下に閉じる事ができ、寝る時は下瞼を上に閉じます。

④http://www.koueki-suntory-aityou.jp/topics/1211.htmlより引用の左右非対称のフクロウの耳

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   夜行性で獲物がどこにいるか見えると言っても、その獲物が落ち葉の下に逃げ込んだら、いくら暗視ができると言っても、障害物があるとみえません。そんな時には[フクロウ]の非対称の耳の役割は両耳時間差により音の水平位置を決め、両耳内強度差(音圧の差)で垂直位置を決めます。誤差は1~2度(垂直方向、水平方向とも)、人の様に同じ高さだと、水平方向の音源定位は良いが、垂直方向の定位は不十分ですが、聞き取れる周波数は人とほぼ同じでも、感度が極めて良く立体聴がでます。

⑤https://fireside-essay.jp/miyazaki/bird/fukurou/29.htmlより引用の風切音のしないフクロウの翼

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   夜行性で暗視が出来、獲物が落ち葉などの下に隠れても、左右非対称の聴覚のおかげで、立体的に獲物の動きを捉えることができる[フクロウ]。でも飛んでいる時の風切音を聞かれたら、見つけた獲物も生きるために必死なので、天敵が近ずく気配で逃げてしまいます。しかし、[フクロウ]の羽は翼が大きく羽ばたく回数が少なく、風切羽内弁の縁にやわらかい羽毛(縁毛)があるので羽音を減らし、多くの[フクロウ]では飛行時に初列風切羽に消音効果の鋸歯状突起があり、獲物を捕獲します。

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