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第888回 鳥の異名 ⑴

①https://lab.p-press.jp/report/report53.htmlより引用のイラスト

   今までも別称や古名として、鳥たちの異名を語りましたが、一般的に知られた名の他に、いくつかの異名を持つものがあります。もう一度名前が通っている鳥たちの異名を取り上げてみたいと思います。和風で素敵な異名・別称をまとめました。

②https://www.pinterest.jp/pin/560276009870132673/より引用の代表的な「梅と鶯」の日本画

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   あ行  ⑴鶯(ウグイス)→スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科。春に美しい声でさえずる。
1.歌詠鳥/歌詠み鳥(うたよみどり)
2.黄粉鳥(きなこどり)→鶯餅のイメージから
3.経読鳥(きょうよみどり)
4.金衣鳥(きんいちょう/きんえちょう)→古くは高麗ウグイスの呼び名。=「金衣公子(きんいこうし)」とも呼ぶ
5.禁め鳥(とどめどり)→村上天皇が民家の梅の木を宮中に移すのを断念した鶯宿梅 (おうしゅくばい) の故事から  6.香鳥/匂鳥(においどり)                   7.花見草(女房詞)8.花見鳥(はなみどり)                9.春知らせ鳥(はるしらせどり)                             10.春告鳥(はるつげどり)  
11.春鳥(はるとり)→文字通り春の鳥、春に鳴く鳥を指すこともある  12.春の使(はるのつかい)
13.人来鳥(ひとくどり)  14.法吉鳥(ほほきどり)→古称  15.耳目鳥(みみめどり)  16.百千鳥(ももちどり)

③https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1402.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2Fより引用のカイツブリのイラスト

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   か行  ⑵カイツブリ→カイツブリ目カイツブリ科。水鳥。
1.一丁潜り(いっちょうむぐり)  2.かいつむり(カタツムリを指すこともある)3.息長鳥(しながどり)
4.鳰(にお)→古名  5.鳰鳥(におどり)→古名
6.八丁潜り(はっちょうむぐり)
   ⑶懸巣(カケス)→スズメ目カラス科。カシの実を好んで食べたり貯蔵したりする。
1.樫鳥(かしどり)  2.宿貸鳥(やどかしどり)→ツバメまたはウグイスの異称とする説もある
   ⑷鵲(カササギ)→スズメ目カラス科。カラスよりやや小さく、全体が黒の金属光沢だが、肩羽と腹面が白い。古くはサギの一種(現在のアオサギ)のことを言う。
1.烏鵲(うじゃく)
2.勝鴉/勝烏/かち烏(かちがらす)→戦勝を予告する鳥とされたことから
3.喜鵲(きじゃく)→幸運を運ぶとされたことから
4.高麗烏(こうらいがらす)  5.筑後烏(ちくごがらす)  6.朝鮮烏(ちょうせんがらす)  
7.唐烏(とうがらす)  8.肥前烏(ひぜんがらす)

③http://bonsaiscroll.com/bird/春ー夏%E3%80%80雨中郭公図/より引用の恰好の日本画

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   か行  ⑸郭公(カッコウ)→カッコウ目カッコウ科。夏に日本に渡来して、他の鳥の巣に自分の卵を「托卵」する。鳴き声は「カッコウ」。
1.閑古鳥(かんこどり)  2.合法鳥(がっぽうどり)
3.種蒔き鳥(たねまきどり)  4.布穀鳥(ふふどり)→古称  5.呼子鳥/喚子鳥(よぶこどり)
   ⑹鴉/烏(からす)→スズメ目カラス科カラス属およびそれに近縁の鳥。日本ではハシブトガラスハシボソガラスの二種が主。
1.明烏/明鴉(あけがらす)→明け方に鳴くカラス。またはその鳴き声のこと
2.嘘鳥(うそどり)→ギリシャ神話由来。アポロンに嘘を教えた罰で全身を黒くされたという神話から。万葉集でも存在しない白いカラスがいると騙す話がある  3.大嘘鳥(おおうそどり)
4.大おそ鳥(おおおそどり)  5.屋烏(おくう)→屋根にとまっているカラス  6.寒鴉(かんあ/かんがらす→冬のカラス  慈鳥(じちょう)  親孝行な鳥
7.ひもす鳥(ひもすどり)→「日々(かか)」と鳴くことから「日を申す」で「ひもす」

④https://www.shogeikan.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=2050より引用のカワセミの日本画

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   か行  (7)軽鴨(カルガモ)→カモの一種。夏も日本に留まって繁殖する  1.黒鴨(くろがも)→ここではカルガモの別称だが、クロガモという種類もいる
2.泥鴨(どろがも/でろがも)  3.夏鴨(なつがも)
   ⑻翡翠(カワセミ)→ブッポウソウ目カワセミ科。その美しさから「空飛ぶ宝石」と呼ばれる。
1.翡翠(しょうびん)  2.鴗(そにどり)→古称。
   ⑼雁(がん)→カモ目の鳥のうちで大形の水鳥の総称。白色のものはハクチョウ。
1.稲負鳥(いなおおせどり)  2.雁(かり)  3.雁が音/雁金(かりがね)→雁そのものを指す場合と、雁の鳴き声を指す場合がある  4.つつなはせ鳥/つつなわせ鳥(つつなわせどり)→セキレイの異称でもある
5.二季鳥(にきどり)  6.二季鳥(ふたきどり)

⑤https://www.pinterest.jp/pin/400538960587447677/より引用のキジの日本画

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   か行  ⑽雉(キジ)→キジ科。
1.雉子(きぎし及びきぎす)  2.白御鳥(しろおとり)→白尾鳥が元。尾が体の色に比べて白いため
3.菅根鳥(すがねどり)  4.鷹の鳥(たかのとり)→鷹狩りでの最高の獲物であったことから
    (11)水鶏(クイナ)→ツル目クイナ科。1.冬水鶏ふゆくいな)
   (12)鸛(コウノトリ)→コウノトリ目コウノトリ科。1.鸛鶴(こうづる)

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