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第941回 野鳥の飛行

①https://www.monopot-illust.com/illust/2194より引用のイラスト 

   飼鳥でも、野鳥でも鶏やダチョウヤンバルクイナ、ペンギンなどを抜きにしましたら、飛ぶことは当たり前のことです。飛ぶことが日課と言っても良いと思います。可哀想なのは飼鳥でケージで満足に飛ぶことなんて無理なんです。その点、野鳥は自由自在に、自分の行きたい所に飛んで行けて実に羨ましい限りです。そんな鳥でも、鳥の住む環境や種類に於いて、その飛行法が違っていて、短距離に適した飛び方や、省エネを意識した飛び方、上昇気流に乗る飛び方といろいろです。

②http://スズメ.xyz/archives/220より引用のスズメの飛行

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   身近過ぎるほど身近な野鳥のスズメは、短距離飛行の代表的な存在だと思います。植え込みから外に出るのもぴゅんぴょんジャンピングで跳ねて、そこらの地面を啄んだなとおもいきや、ざざぁっと柄の上や電線に、一時避難して、また危険が去れば、また元の位置に戻って、採餌のやり直しってとこだと思います。スズメの中にも変わり者がいて、遠く離れた2〜3百㌔の長旅をする「旅ガラス」もいるといいます。羽ばたき飛行はエネルギーを排出すると言いますが、短距離なら大丈夫。

③https://www.google.co.jp/amp/s/dismal.exblog.jp/amp/4653429/より引用のドバトの飛行

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   ③の写真のドバトは遠い昔はヨーロッパではカワラバトと呼ばれ家禽とされ、伝書鳩であるとか、レース鳩なんかに改造され、日本にも入ってきました。しかし、文化の進歩と共にハトの存在が必要としなくなり、多くの伝書鳩が野に放たれました。その時の訓練が今も根付いていると思いますが、ハトが飛び立つ時のその力強さは、バサバサバサと音が聞こえるほど力強く、長め距離もなんのそのの羽ばたき飛行で、時速百㌔は当たり前で、最高時速は130㌔も出せる筋力を持ってます。

④https://twitter.com/dddo2it/status/823503222237077504より引用のヒヨドリの飛行

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   ②のスズメ、③のドバトは、多くの野鳥の飛び方である羽ばたき飛行ですが、この④のヒヨドリが行う飛行方法は波状飛行です。波状飛行は一度羽ばたくと、その都度翼を④の写真のように閉じて、なるべくスタミナを温存しようとする省エネ飛行をいいます。特にヒヨドリは平家物語でも登場し、一ノ谷の鵯越えの逆落しは実にヒヨドリが見せる木の枝からの急降下の飛行はぴったりの表現だと思います。何時もは大きな声で鳴くだけの野鳥かと思いましたが、波状飛行は素晴らしい。

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/hiroko_furuya/2017/09/18/25811.htmlより引用のツバメの飛行

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   ⑤のツバメといえば、渡り鳥で南国で越冬後、生まれ故郷の日本に帰ってきます。わずか体長約17㌢の小さな身体で2〜3,000㌔を渡ってくるのです。ツバメの飛行方法はまさにすいすい。グライダーのように飛んでいるというのが、見たままの様子ですが、ツバメは初めは羽ばたき飛行で、気流に乗り、羽ばたいているときは直線飛行で、羽ばたかないときは滑空飛行です。尾羽を広げて捻り、尾羽縁を背側へ上げた側へ旋回し、滑翔中の緩旋回なら旋回が可能で高度損失が少ないです。

⑥https://pixabay.com/ja/photos/アニマル-空-鳥-野鳥-猛禽-3528306/より引用のトビの飛行

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   私たちが⑤の写真のトビは、山沿いや海辺の空で天気の良い時などは「ピー、ヒョロロ」と輪を描いて飛んでいる姿を皆さんも一度くらいはご覧になられたことがあると思います。トビは意外に体長約59〜69㌢の大型猛禽類です。そのトビが羽ばたくことなく上空で円を描いて飛翔しています。優雅にも見えますが、普通グライディング(滑翔)は
羽ばたいて勢いをつけてから、羽を動かさず飛行することを言いますが、トビの場合は上昇気流を利用するソアリング(帆翔)で羽ばたかずすみます。

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