第1536回 フクロウの耳
①-1.https://chigai-allguide.com/フクロウとミミズク/より引用のミミズク(トラフズク体長約38㌢)の耳?
①-2.https://nagohaku.hatenablog.com/entry/20160121/1453355511より引用のミミズク(リュウキュウオオコノハズク体長約24㌢)の本当の耳
よく鳥のことで、尋ねられますのが「鳥の耳でわかりやすいのはミミズクだけで、ほかの鳥の耳はどこにあるのか分からない」とおっしゃいます。①-1.はミミズクの耳とも思える写真を掲載しています。なるほど、身近な存在の犬や猫にしましても、猿以外の哺乳類の耳はこの写真のように、上に飛び出ているものが多いです。これに対して、私たちに身近な鳥のスズメやハト、カラスなどは街中でも、当たり前のように観察することができる野鳥には、外見に耳らしきものはありません。
②https://www.google.co.jp/amp/s/satipon.exblog.jp/amp/17989441/より引用の身近な鳥(スズメ体長約15㌢)の耳
①-1.のミミズクの耳のようにご覧になれる左右対象の耳のようなものは「羽角」と呼ばれる羽です。この羽角はたまたま顔の上に着いていて、普段から私たちが見ている犬や猫と同じような位置にあったからです。鳥の本当の耳の位置は、やはり人と同じく顔の左右側面にあり、顔を覆う羽毛で隠れているだけです。ミミズクの本当の耳は①-2.の写真であります。鳥は基本的に空を飛ぶために、不要な抵抗物を除くために、外耳がありません。その内耳を守るため羽毛で覆われます。
③https://www5.city.kyoto.jp/zoo/rescue/rescue-blog/whisper/20190606-35070.htmlより引用の潜水鳥(写真はカワウ体長約82㌢)の耳のアップ
フクロウから少し脱線しますが、鳥の中にはペンギン、アビ、カイツブリをはじめとして、③の写真のカワウなど、鳥なのに潜水する種がいます。例えばカイツブリは水深2〜3㍍、ペンギンで628㍍、一番身近な③の写真のカワウでも最高30㍍は潜水します。潜水する鳥には、筋で外耳孔を閉じることができる種がいる。水は空気の820倍の密度で、水深10㍍ごとに一気圧増加し、水深200mなら20気圧にもなります。潜水するものには、筋で外耳孔を閉じる事ができる種もいるようです。
④http://www.koueki-suntory-aityou.jp/topics/1211.htmlより引用のフクロウ(体長約50㌢)の左右非対称の耳
フクロウの耳で、驚くべきことは、すべてのフクロウではありませんが、夜中に行動して狩を行う種には④の写真のように左右の耳の位置が非対称になっていることです。昼に狩をするアオバズクや魚が主食のシマフクロウなどは耳は左右対称です。夜の樹林の中で、落ち葉の下や、物影に隠れている小動物を狩る夜行性のフクロウのフクロウやコノハズク、トラフズクなどが左右非対称です。何故だかはわからないのですが、左右非対称のフクロウは右耳が左耳より位置が高いのです。
⑤https://togetter.com/li/911205より引用のフクロウの内耳
夜間に狩をするフクロウの耳がなぜ左右非対称なのかは、両耳時間差により音の水平位置を決め、両耳内強度差(音圧の差)により垂直位置を決めることによって、垂直方向、水平方向ともの誤差は1~2度程度になり、左右対称の同じ高さだと、水平方向の音源定位は良いが、垂直方向の定位は不十分なようです。これは感度が極めて良く、立体聴ができる様です。メンフクロウは左右の耳の角度も上下向きです。また、フクロウの内耳を覗いてみますと、中には双眼鏡のような眼球が見えます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?