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第994回 赤い鳥 アカショウビン

①http://gotyakame.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_95c9.htmlより引用の赤い鳥アカショウビンのイラスト

   世の中には“幸せの青い鳥”なんていい「清流の宝石」カワセミだとか「森林の宝石」ブッポウソウとか「三鳴鳥」のひとつオオルリや、雌雄ともさえずるイソヒヨドリなんかが、まっ青な本当の意味での"青い鳥"のような気がします。日本人の『あおい』は「青」「蒼」「緑」「碧」などありますが、はっきりした「青い鳥」がいるのに対して『あかい』は「赤」「朱」「紅」「柿色」などを「赤い鳥」としているように思いますが、本当の”赤い鳥"はしいていえばアカショウビンかな。

ベニマシコ(体長約15㌢)

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   「赤い鳥」の野鳥は②の写真のベニマシコオオマシコベニヒワが「紅」系で、③のアカゲラや⑥のアカショウビンなどが「朱」系「柿色」や赤茶色ぽい色となるとアカヒゲイスカコマドリジョウビタキヒクイナというところでしょうか。本当の赤色に近い野鳥はノゴマや「朱」のアカゲラになるのですが、あまりにも部分的に赤い部分があるだけと思います。また、アカハラは赤い腹と書きますが、やはり赤茶色ですし、ヒクイナも火と付く割に、赤くなくくすんでいます。

アカゲラ(体長約24㌢)

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   そうなってきますと、本当の赤とは思えないですが、⑥の写真のアカショウビンが全身に赤がかった野鳥と私は思います。アカショウビンの漢字表記は「赤翡翠」で、赤い翡翠(カワセミ)と書きます。ブッポウソウ目カワセミ科に分類される野鳥です。森林に生息するカワセミの仲間で、森林に生息するカワセミと言われ、燃えるような赤いクチバシと体全体が赤色を持つことから、火の鳥の異名を持ちます。日本では夏鳥です。私は京都市動物園で保護鳥のアカショウビンを見ました。

アカヒゲ(体長約14㌢)

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   日本でよく見られるカワセミ類はこのアカショウビンのほかにカワセミヤマセミの三種類ですが、この中ではアカショウビンだけが渡り鳥です。和名の通り体の上面の羽毛が赤褐色で、体の下面は橙褐色です。腰は水色で、飛んだ時はこの水色がよく目立つ。クチバシと足は赤く、目は黒く、雌雄ほぼ同色です。また大きな赤いクチバシです。森林に生息し、カワセミとは違い水辺から離れた森林に生息し、単独またはつがいで生活します。ホバリングせず、ダイブで捕獲します。

イスカ(体長約17㌢)

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   アカショウビンの食性は動物食で、渓流に飛び込み、魚やカエル、サワガニ、水生昆虫などや地面のカタツムリやトカゲ、木の幹のキリギリス、セミ、バッタを横から襲い捕獲します。カワセミと同じように捕獲後は再び石や枝に戻って獲物をくわえ直し、頭から呑みこみます。動きの大きなえものは足場に数回叩きつけ、弱らせてから呑みこむところはカワセミの仲間そのものです。巣穴は崖で横穴式に巣を作ったり、キツツキの古巣を使って営巣し、つがいで仲良く子育てをします。

アカショウビン(体長約27㌢)

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   鳥の綺麗な羽の色は、色素による発色と構造色による発色の組み合わせによるものです。アカショウビンのあの赤い色は、カロチノイドという色素の色だそうです。鳥の色素にはメラニン系(茶~黒)とカロチノイド系(赤~黄色)があり、カロチノイド系は、フラミンゴでもお馴染みで、餌から補給しなければなりません。アカショウビンのあのすごい赤を作るカロチノイドは魚やカニなど多くの動物にもカロチノイドが含まれているそうなので、それらの餌から補給していると考えられます。

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