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第1097回 野鳥と俳句(4)

①https://wa-gokoro.jp/traditional-culture/haiku/340/より引用のイラスト

②https://japaneseclass.jp/trends/about/吉岡禅寺洞より引用の吉岡禅寺堂

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   13.吉岡禅寺堂                                                (101)ナベヅル(冬)
鍋鶴のついばむときも光なく (吉岡禅寺洞)
(102)ニュウナイスズメ(秋)
北よりの入内雀空おほふ (滝沢伊代次)
(103)ノジコ(夏)
野鵐なり森の水甕の水揺りしは (千代田葛彦)
(104)ノビタキ(夏)
茨の芽野鶲きたりかくれける (水原秋桜子)
(105)白鳥(冬)
海涼し白鳥向ふより来る (正岡子規)
(106)初声(新年)
元日の朝に聞こえる鳥の声。犬や猫は含まれない
(107)初烏(新年)
初烏は神の使いとされ、めでたいとされる。
かんばせ=顔のさま
かんばせを見せて止りし初烏 (平畑静塔)

③http://www.kakimori.jp/2012/03/post_158.phpより引用の上島鬼貫

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   14.上島鬼貫
(108)ハヤブサ(冬)
隼に日本海の朝日かな (正岡子規)
(109)花鳥(春)  はなとり 花に来る鳥
花鳥に何うばはれてこのうつつ (上島鬼貫)
(110)羽抜鳥(夏)  羽の抜け替わる頃の鳥。
涼しさを祈り過てや羽ぬけ鳥 (横井也有)
(111)春の雁(春)  はるのかり
春になってもまだまだ北へ渡らずに残っている雁
春の雁八羽ばかりの雁さびし (山口青邨)
(112)バン(夏)
鷭ありく川杭がくれたそがるる (正岡子規)
(113)ヒガラ(夏)
松島の松をこぼるる日雀かな (成田千空)
(114)ヒシクイ(秋)
菱喰の遠見に群れてしづかなる (染谷秀雄)
広沢やひとり時雨るる沼太郎 (中村史邦)

④https://www.choeisha.com/column/column05.htmlより引用の夏目漱石

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   15.夏目漱石                                                     

(115)ヒタキ  鶲(冬)
俳句ではジョウビタキ
鶲来て色つくりたる鶲かな (飯田蛇笏)
(116)ヒバリ  雲雀(春)
草も木も離れ切たるひばりかな (松尾芭蕉)
一羽いて雲雀の空になっている (坪内稔典)
ヒバリ  揚雲雀(春)
空高く舞い上がって囀るヒバリ。
青空は神のてのひら揚ひばり (黛まどか)
物草の太郎の上や揚雲雀 (夏目漱石)
(117)ヒヨドリ  鵯(秋)
鵯のこぼし去りぬ実の赤き (与謝蕪村)
ひよの来て しきりに揺るる 通草かな (小池義人)
人のする絶叫なるを鵯もせる (相生垣瓜人)
(118)ヒレンジャク  緋連雀(秋)
緋連雀一斉に立つてもれもなし (阿波野青畝)
(119)ヒワ  鶸(秋)
マヒワ、ベニヒワなど
鶸渡る空や寺子の起時分 (浪化)
(120)ビンズイ(夏)
便追や羽黒の朝のきつね雨 (皆川盤水)
鳴きとめしびんずいそこに木陰冷ゆ (田中灯京)

⑤https://japaneseclass.jp/trends/about/長谷川かな女より引用の長谷川かな

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   16.長谷川かな女                                             (121)フクロウ(冬)
山の宿梟啼いてめし遅し (高浜虚子)
梟のふはりと来たり樅の月 (松永鬼子坊)
鳴きいでし梟月をいまえたる (高井紅雨)
(122)ぶっぽうそう  仏法僧(夏)
夜気募り疳つのり仏法僧を聞く (長谷川かな女)
(123)冬鴉(冬)
たわたわと冬鴉わたるつばさかな (原石鼎)
(124)ホオアカ(夏)
頬赤の鈴割れごゑや空澄む日 (堀口星眠)
(125)ホオジロ(春)
頬白やひとこぼれして散り散りに (川端茅舎)
(126)ホシガラス(夏)
星鴉風のあとまた水の音 (鈴木六林男)
(127)ホトトギス(夏)
谺して山ほととぎすほしいまゝ (杉田久女)
ほとゝぎす一人静を持ちかへる (渡辺水巴)

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