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第1719回 ドバトとキジバトのそれぞれの求愛

①Twitterより引用のドバトキジバト

   以前にも何回かこの①の写真のドバトキジバトは紹介いたしました。この私たちが住む日本にはこの二種に加えて、アオバトカラスバトキンバトシラコバトベニバトの七種の鳩が生息しています。その中で、最も街中や郊外でも身近に見られる鳩がドバトキジバトになります。本来はドバトはカワラバトという名の飼鳥でした。伝書鳩やレース鳩で活躍しましたが時の流れで野に放たれ、一歩のキジバトは別名ヤマバトと呼ばれ、その名が示すように山に生息していました。

②https://sumical.com/hato/pair/より引用のつがいのドバト(左がメス、右がオス共に体長約33㌢)

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   昔は飼鳥であったカワラバトが野に放たれたことでドバトに変わりました。本来ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカなどの乾燥地帯に生息する鳥でしたが、人に馴れやすいため家禽化され、時代の変化と共に現在に至ります。そのため集団性か強く、常に群れで行動する傾向が強いです。飼鳥時代が長かったので、気の毒に思うほど、自ら採餌することがありません。そのため、常に人の集まる公園や神社仏閣、駅のロータリーやホームに昼夜問わずして、人の足下に擦り寄ってきます。

③https://note.com/hiho2351/n/n96ac5dc45615より引用のつがいのキジバト(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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   前名カワラバトのドバトに対して、別名ヤマバトのキジバトは、別名通り山に生息していた鳩でした。同じく別名がヤマバトのアオバトは主食が菜食のみで山に留まり、キジバトは開発の煽りを受けて、人里に経路を求めたことになります。キジバトその名が示すようにメスのキジの体色に似ているのが由縁です。ドバトと違い単独行動を好み、繁殖期ではつがい行動をいたします。丁度ドバトと比べてみると、正反対の性格と思います。

④https://sigma-nature-vlog.blogspot.com/2018/11/blog-post_24.html?m=1より引用のドバトの求愛ディスプレイ

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   自然界を生き抜いてきたキジバトと比べて、飼鳥から野に放たれたドバトの求愛ディスプレイは殆どの皆さんも④の写真のようなドバトの行動をさぞご覧になったことだと思います。飼鳥の昔がありますから、公衆の集まる公園や寺社仏閣、駅のロータリーやホームなどあらゆるところで、オスは大きく喉を膨らませ、メスを追いかけ回して、低く「クックー」と繰り返したり「グルルル、グルルル」とにぶく唸るように鳴きます。相手にされないとなりますと、次のメスへと一目散です。

⑤http://www.forest-akita.jp/data/bird/53-kigi/kigi.htmlより引用のキジバトの求愛ディスプレイ

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   「デーデー、ポポー」の鳴き声が朝から聴こえ始めましたら、それはキジバトの繁殖期でメスに呼びかけるさえずりです。キジバトは繁殖期に意中の相手であるつがいになって欲しいメスを見つけたら、⑤の写真のように、何度も首を上下にお辞儀を繰り返すような動作を始めます。このお辞儀を繰り返す行動はキジバトのオスの求愛行動です。この求愛ディスプレイで、メスがオスを気に入れば、そのまま仲良く互いに毛繕いなど始めます。その後はつがい行動で営巣を始めるのです。

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