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第48回 昔の日本でのカラスはハシボソガラス (2回目)

   童謡『ななつの子』でお馴染みのカラスはこのハシボソガラスです。私たちの子供だった頃はカラスは街中にはいなくて、たまに山から飛んできたハシボソガラスがガァーガァーと、頭を下げながら鳴いているのを耳にしたら、不吉な予感がすると言ったものです。

   今ではカラスの代名詞はハシブトガラスですが、その昔はハシボソガラスだったので、街のゴミを漁られることはなかったのです。ハシボソガラスは雑食ですが、植物性を好み木の実や種子をほじくるため、地上性の高いカラスなのです。

   ハシボソガラスハシブトガラスより小さく、真っ黒な身体の羽毛の根元は、白くてフワフワしており、断熱材のような役割をしています。それが証拠にカラスの行水と言いますが、真冬でもハシボソガラスは水浴びをしても平気みたいです。

   ハシボソガラスも知能は高くて、胡桃の実が食べたい時には、胡桃をわざわざ車道に落として、走る車に胡桃をひかして、硬い殻を除いて中身だけを食べるといいます。日本で車という道具を使って餌を食べる賢いカラスということになります。

   ハシボソガラスも一夫一妻制で、抱卵時はメスが行い、オスはそのメスのためにせっせと餌を運んで育児に協力します。童謡「ななつの子」みたいに七羽も産むことはありません。非繁殖時には寝る時だけ、林の樹木に集まって集団ねぐらを築きます。


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