見出し画像

第1328回 野鳥の和名からの名前の由来 ⑴

①https://www.google.co.jp/amp/s/tonton-animals.com/c-characters-bird/%3famp=1より引用のイラスト

   いま、いろんな図鑑があり、魚でも、哺乳類や植物、昆虫、そして鳥類と多岐の分野に及んで、図鑑さえ見れば、そこに載せてあるものについてはその名前を知ることができます。それはその分野に於いて、沢山の学識者が幾多の年月を費やして調べ上げたものです。中にはその名前がそのものを発見した人の名前が冠名であったり、その形状や色合いから名付けられたもの、その発見した地名が絡むもの、時場所に応じて名付けられます。その中に日本の文化特有の名付けがあります。

②https://note.com/hiho2351/n/n7b0a5bc477f1より引用のミコアイサのつがい(左側がオス体長約42㌢、右側がメス体長約36㌢)

画像1

   ⑴  アイサ→奈良時代からアキサ(秋沙)、室町時代からアイサとも呼ばれ、江戸時代からウミアイサカワアイサミコアイサに区別されました。
この鳥が来ると秋が終わり、冬になるので『秋去り』から、また秋早くに訪れることから『秋早(あきさ)』転じてアイサアイサン = 白黒の美しい鳥   ⑵  鵜→ウク(浮く)、ウム(産む)、オフ(追)の転じ
ウヲ(魚)を好むとも、ウヲカヅク(魚潜)、ウ(魚)ヲノ(呑)ミの下略。『ウッ』と魚を呑み込むから。      ⑶  鴨→奈良時代から「カモ」浮かぶ→うかむ→かむ→かも  カモドリが成語で、浮ブ鳥、浮ム鳥の略転  カム(頭群)  波をカウヴルは頭の青が、藻をカフリタルよう  月草の青い花が鴨の頭に似るので、クサミヨの反語  雁が元で、古語では語頭を濁る事を好まなかったので、がん→かむ→かも(雁の語源は鳴き声から)  万葉集ではカマという。カマはかましい。群れて声高に騒ぐ鳥。水中で足を掻くので、『かきもがく』の略とされているようです。

③https://www.birdfan.net/2018/07/20/64011/より引用のクラと呼ばれたスズメ(体長約15㌢)

画像2

   ⑷  鴎→奈良時代から「かまめ」「カモメ」平安時代から「カモメ」若鳥には褐色の斑があり、篭の目のように見えるからかごめ→かもめ。万葉集ではカマメといった。カマはかましい(囂しい)古語の義。メはスズメツバメと同じく親愛称。古名は鴨妻と書き、鴨に似て少し小さな鳥。鴨の女っぽいものという意味で鴨女かも、め  鴨群(かもむめ)で水鳥をさす鴨が群れている。飛ぶ姿が鎌に似ていることからカマメの名が付いた。春には北に帰るので帰り(かへり)→かり 韓国語でカルメギ
⑸  カラ→カラはよく囀る小鳥の総称。雀をクラと呼んだ  カルの変化。身軽な様子。カラ類は混群となることが多いので、同胞(はらから)
⑹  カラス→奈良時代から「カラス」鎌倉時代から「やまがらす」「さとがらす」に分かれる。江戸時代から「ハシブトガラス」「ハシボソガラス」「ミヤマガラス」「黒し」「す(鳥を示す接尾語)」
満州語でkaraは黒馬、黒犬「ころく」という声から  カラスの英名crowは鳴き声から  草木を枯らすところから反哺の意でカヘリス(反為)の転じて。
夜明けに鳴いて、人をウカラカスから。

④https://www.google.co.jp/amp/s/kmatsu.exblog.jp/amp/4050135/より引用のアカゲラ(体長約24㌢)の子育て

画像3

   ⑺  カリ→カリカリと鳴く声から。春には北に帰るので帰り(かへり)→かり
⑻  ガン→奈良時代から「かり」「かりがね」
安土桃山時代から「かり」「かりがね」「ガン」
江戸時代から「ガン」グワーンと鳴くから。
(カリと鳴くカリガネが減り、ガンと鳴くマガンが増えた)  漢語の雁から。本来は『かり』、語調を強めるため『がん』になった。
⑼  キツツキ→平安時代から「てらつつき」室町時代から「けらつつき」とも  江戸時代から「きつつき」「けら」 テラは『取(とら)』テラツツキはつついて虫を取る  テラツツキ→ケラツツキ→ケツツキ→キツツキ→(ケラ)  アオゲラと想像される。
『ケ』、『テ』は鳴き声や木を突付く音から  ケラ
昆虫(虫けら)を突き食べるためケラツツキ→ケラ

⑤https://www.birdfan.net/2019/09/27/73546/より引用の声が騒がしいアオサギ(体長約93㌢)

画像4

   ⑽  鷺→声が騒がしいのでサヤギ(騒) 白い色のサヤケキ(鮮明)、サヤギ(清) 白いサギを『サギ』と呼んだ。白くてイサギヨキ(浄) サケ(白毛)。サはシラの反、シラゲドリ(白毛鳥)  白い意のシラゲリの反
美しい冠羽の細毛(サケ)から
(11)  シギ→奈良時代からシギ  羽をシゴくのでシゴキが転じた  しきりに羽ばたくので、シキリが転じた  しきりに羽ばたくので、動詞シク(頻)の連用形の重複シキシキのつづまった形。騒ぎ(さやぎ)から
羽音の繁きに由来  ハシナガキ(嘴長)  サキクヒの反
サビシキの略  敷く波などが後から後から寄せる
繁き。後から後から追いついて前の物に重なる
「羽振き鳴く」様子が「繁々しい」ため。
それが変化して、シギになった。
(12)  ジシギ→日本で繁殖する『地』の鳥(オオジシギ)  地上にいることの多い鴫。

⑥https://www.birdfan.net/2015/11/13/38476/より引用の日本の創設に携わったセグロセキレイ(体長約21㌢)

画像5

   (13)  シャクシギ→柄杓の柄のような長いクチバシ。ハリモモチュウシャクはシギと付かないが、間違えている文献も多い。
(14)  シラサギ→ウサギ、ワカサギのサギと同様で『精(シラ)ゲ』がサゲ→サギと転じた。純白の意。
(15)セキレイ→室町時代から「セキレイ」「いしたたき」。特にキセキレイ  漢名の鶺鴒を音読みにした。鶺は背(せき)  鴒は令で、冷たく澄んでいること。尾を上下に振り、『尾羽が石にお辞儀をしている』ように見えるから、石に礼をする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?