見出し画像

第1337回 鳥の羽って ⑵

①http://jfik.org/from-forest/?p=728より引用の羽のイラスト

②http://www.torinobyouki.com/blog/2013/01/post-38-136565.htmlより引用の正羽(セイウ)

画像1

   鳥の羽で正羽と表記して「せいう」と読みます。②の写真が正羽です。よく私たちから羽根として拾うものです。この正羽がなければ鳥は生きていけません。世界最少の正羽の数はノドアカハチドリの940で、世界最多はアメリカコハクチョウの25,216です。日本の野鳥では、1,500のツバメ、2,763  ホオジロ、3,088  トラツグミ、3,100  キクイタダキ、4,715  アオバト、5,107  ヤマシギ、5,521  ツグミ、6,500  カケス、6,836  ヤマセミと必ずしも小さいから少ないことはありません。

③https://net1010.net/2016/04/id_13184/より引用の初列風切羽

画像3

   ③の写真は皆さんご存知の鳥の翼です。鳥にとっては生命線みたいなものです。当たり前のことですが、この翼がひとつでは飛ぶことは出来ませんし、またこの翼に生えている色んな羽の役割も大切です。この写真の中でその中でも重要な羽を説明します。初列風切羽の外側は指骨に直接付いている羽です。内側には掌骨に直接付いている羽(人の手首から先に相当)があります。次風切羽は前腕に直接付いている羽です。小翼羽は第一指骨(人の手首)に生えている羽。雨覆は皮膚に生えている羽

④https://note.com/hiho2351/n/nf6d2c8d4c7a8より引用のケリの翼の爪 

画像3

   骨に付く羽もあり、第二指には小翼羽。人差し指+手のひら(手首より先)には初列風切羽。尺骨(肘~手首)には次列風切羽。肘には三列風切羽。上腕骨(肩から肘)に肩羽と腋羽。尾端骨には尾羽。また
皮膚に付くのは初列大雨覆と次列雨覆。中央尾羽二枚は骨との付き方が特殊で、開くことができないみたいです。また凄いことに、海外のツメバケイや日本でも、④の写真のケリオオセッカには、昔名残の③のイラストの図解のように小翼羽のあたりに翼爪と言われる爪が生えています。

⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/19680921_2010/e/080954b3bc84d5b5be08fa9231a8628eより引用のキバシリの硬い尾羽

画像4

   これまでは直接に飛行する時の翼の羽のことでしたが、鳥にはまだまだ身体に羽はあります。よく目立った部位の羽を紹介します。⑤-1.はキツツキの仲間のキバシリです。樹に垂直に止まるとき、硬い二枚の中央尾羽で支える中央尾羽二枚は、他の尾羽の換羽が終わって、新しい羽が伸びきるまで抜けません。キツツキの仲間は木を叩く時、尾で体を支えます。そのためキツツキの仲間の尾羽は、他の鳥よりも羽軸が太くなっています。どうしても垂直に身体を保つのに必要だからです。

⑤-2.http://blog.livedoor.jp/higehakase/archives/240418.htmlより引用のサンコウチョウの長い尾羽

画像5

   ⑤-2.の写真はいま野鳥の中での比率として、身体と尾羽の比率が一番大きなサンコウチョウです。雌雄のサンコウチョウがすべて長いわけでなく、オスが長くて中央尾羽は、生後一年ではメスより少し長い程度。二年目で中程度さらに二年後に完全な長さになります。オスの中央尾羽25,6~34㌢。メスは7,7~10㌢程です。長いオスの尾羽と身体の比率は25:75です。しかしこの尾羽は繁殖期の飾り羽であり、日本で繁殖した後に長い尾羽は渡りには不必要で、オス自ら羽を抜きます。

⑤-3.http://sixty6.blog.fc2.com/blog-entry-242.htmlより引用のヤマセミの冠羽

画像6

  ⑤-4.ゴイサギの白い飾り羽

画像7

   何も羽は胴体だけでなく、頭にも生えています。⑤-1.の写真はヤマセミの冠毛を写しています。ヤマセミだけではなく、ヒバリホオジロカシラダカ、レンジャク、ヤツガシラなどがいます。頭頂部に生えているもの、後頭部に生えているものと様々です。また、間違いやすいのは、サギのコサギや⑤-4.の写真のゴイサギなどは、繁殖期になると後頭部に飾羽が生えます。面白い説にヤマセミの冠羽は全体の羽の4.9%の約340本で、水に飛び込む時にショックを和らげるためといいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?