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第599回 猛禽類サシバ

サシバ(体長約47〜51㌢)

   ①の写真は猛禽類のサシバです。サシバの漢字表記は「差羽」「刺羽」「鸇」です。サシバという名の由来は、牙を弓矢の矢羽に使ったことからだそうす。従って、漢字でも「差羽」です。サシバの別名は『大扇』でその意味は②の写真をご覧になっても分かると思いますが、身体の大きさの割に非常に翼が大きいかこの別名がついています。人里に現れやすい猛禽類のひとつです。

②飛翔するサシバ

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   サシバは日本に四月ごろ「夏鳥」として本州、四国、九州に渡来します。主にヘビ、トカゲなどの爬虫類、カエルといった両生類、セミ、バッタなどの昆虫類を食べます。稀にネズミや小鳥等も捕らえて食べます。人里近くに現れ水田などで狩りをします。だからトビハヤブサに次いで、私たちには猛禽類としては身近な存在だと思います。サシバは飛行上手な野鳥のパイロットです。

③時速40㌔以上で飛行するサシバ

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   サシバを飛行下手としたのは、③の飛行姿を見るとわかるように、ハト類やハヤブサのようにさも早そうな形をとっています。実は時速40㌔くらいだから、これではハトも捕まえることが出来ません。ハトでも時速70㌔で飛びますので、だからサシバハヤブサがハトやスズメを捕獲出来るのに対して、鳥類よりも地上の小動物相手を捕食するのです。でも、セミくらいは空中捕食します。

④田んぼや野原で狩りをするサシバ

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   獲物を発見したサシバは、一直線に飛んで獲物に飛びかかります。サシバは、捕らえた獲物をお気に入りの止まり木に運んで捕食いたします。先程に申し上げましたが、飛行する速度がそんなに速くなく、その狩りの仕方が一直線だから、逃してしまいます。だから、④のような農耕地や水田に現れ、カエルやバッタを捕食するのです。

⑤http://koma2424.ciao.jp/tori/2019haru/2019haru-nite.htmより引用の秋のサシバの渡り

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   そんな飛行下手なサシバですが、バードウォッチャーには伊良湖岬などからの⑤のような渡りが有名です。春の渡りの時は各方面から渡ってくるので、大きな群れではありませんが、秋の越冬準備の頃のサシバの渡りは大変有名です。中くらいの大きさの猛禽類が群れなして、渡りをするのですから。またこのサシバの一日の平均飛行距離は480kmです。沢山集まり優雅に帰っていきます。

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