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第1372回 絶滅した変な性的二型の野鳥

①https://www.zetsumetsudoubutsu.com/sp/hoodaremukudori.phpより引用のホオダレムクドリ(左側がメス体長約48㌢、右側の黒い個体はオス体長約45㌢、右上の個体は白型か?)のイラスト

   鳥の雌雄には色んな性別があります。私たちの身近にいるスズメやハト、カラスなどは雌雄同色で、自然界真っ只中に生息しているルリビタキやマガモ、サンコウチョウなどが挙げられます。この性的二型とは、鳥類だけでなく、生物における多型現象の一つで、性別によって個体の形質が異なる現象を指します。それは生殖器以外に雌雄の差をはっきり区別できるものです。雌雄の身体の色が違う(大概がオスが派手、メスは地味な色合い)とか、オスの方が身体付きが大きい(猛禽類はメス)

②-1.雌雄の性的二型が激しいオシドリのつがい(左側がオス、右側がメス、共に体長約45㌢)

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②-2.マガモのつがい(雌雄とも体長約59㌢)

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   ②-1.の写真は皆さんもご存知の鴛鴦夫婦でお馴染みのオシドリのつがいです。ご覧になっておわかり頂けるように、オスはツタンカーメンの仮面、わ被ったような艶やかな出で立ちをしているのに対して、メスは普通のカモ類の姿形です。②-2.はマガモのつがいをご覧になればわかるわようにオスは派手な色合いに対して、メスは地味ですが、姿形は同じです。それ故にオシドリは、ほかのカモより目立ち、またその性格からくる警戒心の強さから、雌雄行動が多く鴛鴦夫婦です。

③大きさも姿も違う性的二型のキジ(左側がオス体長約80㌢、右側がメス体長約60㌢)

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③-2.https://zaonofumoto.blog.fc2.com/blog-entry-2707.htmlより引用のヤマドリ(奥側がオス体長の120㌢、手前がメス体長約55㌢)のつがい

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   もうひとつの大きな性的二型の例のひとつが、③-1.の写真の国鳥キジです。このキジの仲間にはキジより身体の大きなヤマドリもいますが、皆さんもご存知のキジの方がわかって頂きやすいと思います。オスの方がご覧になっておわかりいただけるように身体はメスより大きく、また派手な色合いに顔には赤い仮面をつけています。また③-2.の写真はキジよりも尾羽の長さが長いので、大きな身体付きのヤマドリですが、キジと同じく赤い仮面をしていますが、決して派手ではないです。

④https://www.pinterest.jp/pin/146789269090101992/より引用のハシブトホオダレムクドリの亜種(体長約34㌢)

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   これまでが日本の野鳥の大きな差がある性的二型の野鳥の例です。しかし、広い世界に眼を向けますと、①のタイトルイラストをご覧になれば、三種の鳥が描かれていると思わされるでしょうけど、本当は同じホオダレムクドリの写真です。この種は19世紀末に減り始めたとされ、最終的に絶滅したのは、1907年のことらしいです。この野鳥の最大の特徴は雌雄のクチバシの形状が違うことです。オスが派手で少し違う形状はわかりますが、大事な採餌に関わるクチバシが違うのです。

⑤https://ebird.org/species/saddle3?siteLanguage=jaより引用のセアカホオダレムクドリ(体長約25㌢)

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   ホオダレムクドリは絶滅しましたが、④のハシブトホオダレムクドリの亜種や⑤のセアカホウダレムクドリは現存しています。しかし、同じ種の仲間に違いありませんが、雌雄揃ってクチバシの形状は同じです。なぜ、雌雄別々のクチバシの形状になったのかは、この違いについてオスとメスが協力して、餌をとるためとする資料が多いですが別々の餌の捕り方をする事で生存の可能性を高めようとした説があります。木の幹の上の虫をオス中をほじくるため、メスは曲がっていたのです。

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