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第974回 初夏の夜にはアオバズク(3回目)

①https://www.ttrinity.jp/product/2995719より引用のアオバズクのイラスト

   アオバズクというと、私が大阪市内から今住んでいるこの地区に引っ越して来た当初凄く驚いたことがありました。引越しがお雛祭りの3月3日でその当時の引越し先のマンションには、裏手も横地も田んぼで、マンションのすぐ裏には小さな横長に延びた児童公園があり、その向こうの石垣上には、その地区一番に大きなお寺があり、鬱蒼とした樹木が繁っていました。引越し翌日の朝にリビングのテラス窓を開けるとウグイスの鳴き声が聴こえ、三月半ばにはツバメが飛び交いました。

②https://note.com/hiho2351/n/n3d1f6297ce5aより引用のフクロウ一族のイラスト

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   私たちが子供の頃はうちの家にはウグイスが飼われていたり、近所のお宅にはツバメが巣を作っている風景が当たり前でしたし、また少し離れた国道向こうの神社には大きな楠木を始め、色んな樹木が鎮守の杜のごとく繁っていましたので、メジロなんかも別に珍しいことはありませんでした。しかし、この引越し先に五月のゴールデンウィークくらいに夜になると、聴きなれない野鳥の鳴き声が聴こえてきました。夏に迎えた七月のある夜、マンション裏近くの電柱に野鳥がいました。

アオバズク(体長約29㌢)

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   夜にはハトやカラスは飛んでいません。その暗い中でのその野鳥のシルエットはフクロウの形でした。生まれ育った市内の鎮守の杜にはいたかもしれませんが、家からその杜が見れなかったので、こんな近くにそのシルエットを見たのは初めてのことでした。こちらに引越して来てからも、マンションのベランダ越しに「ホーホー、ホーホー」と鳴き声が聴こえて来たのをてっきりフクロウだと思っていました。しかし後で判ったことは、フクロウはもっと山側で「ホー、ホッホッ」です。

アオバズクのつがい(右がオス、左がメス)

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    その鳴き声の正体はアオバズクでした。しかし私はフクロウの仲間に出会ったことがなかったので、感心しましたし、このフクロウの仲間であるミミズクのアオバズクに興味を持ってから、次から次へとまだ見ぬ野鳥との出会いが楽しみに感じました。アオバズクの漢字表記は「青葉木菟」で夏鳥です。繁殖のためにツバメとは遅れて日本に帰ってきます。また秋口になると東南アジアに越冬のため渡っていきます。毎年毎年この地でつがい相手をあの「ホーホー」で探して繁殖します。

アオバズク親子(真ん中三羽が幼鳥)

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   アオバズクは群れは形成せず単独もしくはつがいで行動し、昆虫、両生類、爬虫類、小型の鳥類、小型哺乳類などを食べます。営巣は樹洞で、時には庭石の間や巣箱に巣を作り、一回に2〜5個の卵を産み、抱卵はメスのみが行い、オスは見張りをしたりメスに獲物を運んだりします。その後ヒナから幼鳥になるまでつがいで⑤の写真のように面倒をみます。ヒナは巣立ち後、徐々に営巣木から周辺の林へ移動します。昆虫を食べるため夜間に街灯に飛来しますので、身近な野鳥と思います。

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