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第1717回 仲良しの鳥たち

①https://www.pinterest.jp/pin/166492517449745931/より引用の仲良しの鳥たちのイラスト

   同じ仲間の鳥で、繁殖期につがいになって仲が良いのは当たり前です。仲が良くなければ、交尾も出来ないからです。例えば春先になって街中の梅の木なんかにやってくるメジロのつがいはこれでもかってくらいに仲良しです。また黒マントを羽織った街中で生ゴミを漁るハシブトガラスのつがいも仲が良い。見たことはありませんが、アホウドリのつがいもいちゃいちゃ状態の仲良しだとか。今回はそんな同種のつがい関係の仲良しではなく、同じ仲間の雌雄を超えた仲良しを観ます。

②http://kaba118.jugem.jp/?day=20121230#gsc.tab=0より引用の奥がイカル(体長約23㌢)と手前がシメ(体長約19㌢)

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   この二種はアトリの仲間です。共にクチバシがペンチのように鋭い形をしています。イカルの漢字表記は「鵤」で、角のように丈夫なクチバシを持つ事に由来します。木の実をクチバシで廻したり転がしたりするため古くは「マメマワシ」や「マメコロガシ」と呼ばれていました。対するシメは強面で知られ、イカルと同じようなクチバシをしています。やはりともに木の実や種子を主食としています。コイカルなどと伴って、寒い冬には集団で餌探しをするイカルシメの混軍です。

③-1.https://blog.goo.ne.jp/ikerin77/e/8fba6032fd5a4f9a0ebd845094028989より引用の右がオオバン(体長約39㌢)とバン(体長約32㌢)

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③-2.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/ban-ooban-chigai-miwakekata/より引用のバンオオバンの大きな違い

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   ③-1.の写真のバンオオバンは共にクイナの仲間です。留鳥や漂鳥として湖沼や河川などの水辺に好んで生息しており、同時に見られることも多い野鳥です。大きな違いは③-2.の趾です。バンは水掻きのない大きな趾で、オオバンは弁足です。 いずれも水草の多い浅瀬が好きで、オオバンに比べるとバンの数は極端に少ないのですが、体の大きなオオバンに臆することなく一緒に泳いだり、同じような場所で水草をついばんでいる処を見ると、頼りになる兄貴をしたっているようです。

④https://blog.goo.ne.jp/noyamany/e/9ea95c0d7a1ee9fa104b294307262635より引用の奥がヒレンジャク(体長約17㌢)と手前がキレンジャク(体長約19㌢)

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   ④の写真の二種の野鳥を初めてご覧になられる方は一緒の鳥と思われる方がいらっしゃると思います。それほどよく似たこれもアトリの仲間です。手前の方をキレンジャクと言い、日本では冬鳥で、本州中部以北に多いです。対する奥側のヒレンジャクは同じく冬鳥で、東日本に多いキレンジャクに対して、ヒレンジャクは西日本に多く渡来します。そんな棲み分けがありますが、双方とも寄生樹の皆んなが嫌うヤドリギの実を好んで食べます。尾羽の先が黄色か赤かが分別の基準です。

⑤https://yacho-joho.com/senjogahara-yacho-nakiisuka-isuka-benihiwa/より引用の左がナキイスカ(体長約15㌢)、中央がオスのイスカ、幹がメスのイスカ(共に体長約17㌢)

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   この⑤の写真もやはりアトリの仲間のイスカとナキイスカの二種です。このアトリの仲間はレンジャクとは違い、双方ともに日本には主に冬鳥として渡来します。イスカに比べてナキイスカは数が少ないです。またイスカの方がナキイスカに比べて身体は大きいです。二種ともに食い違ったクチバシを持っていて、これは松の実である松ぼっくりをこの交差したクチバシでねじり取ること特化しています。幼鳥までは二種のクチバシは親鳥から採餌されるため、クチバシは交差してません。

⑥-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/gfm-303/entry-12538647281.htmlより引用の左がコサギ(体長約61㌢)と右がカワウ

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⑥-2.https://www.google.co.jp/amp/s/msampo.exblog.jp/amp/19501639/より引用の左がアオサギ(体長約93㌢)、手前がカワウ(体長約81㌢)、右がダイサギ(体長約89㌢)

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   この項に登場する⑥-1.や-2.のカワウとサギの仲間は同じく水鳥ではありますが、仲間ではありません。仲が良い(主食が同じとか、採餌場が同じなど)とつがい関係は別です。このカワウとサギはこの仲が良い条件に当てはまります。また繁殖期でのコロニーも一緒のことがあります。普段でも生息域が同じ、また写真のようにカワウが狩をする時はサギたちは寄ってきます。これはカワウが潜水することにより、隠れていた魚が採餌されたり、逃げていったりするおこぼれ頂戴なのです。

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