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第969回 バンとオオバン

①https://blog.goo.ne.jp/ikerin77/e/8fba6032fd5a4f9a0ebd845094028989より引用の左がオオバン(体長約39㌢)と右はバン(体長約35㌢)

   ①の写真だけを見てみると、まるでダイサギコサギが並んでいると親子のように見えますように、このオオバンバンも親子のように見えます。しかし、この二種は別々の種であることに変わりありません。しかしこの二種はクイナの仲間であることに変わりはありません。バンは日本では東日本では夏鳥で、西日本では留鳥です。対するオオバンは日本では夏季に北海道で夏鳥、本州、九州で繁殖し、冬季になると本州以南で越冬する冬鳥か留鳥で、地区によっては重なります。

バンのつがい(手前が繁殖期に額が赤くなったオス、奥がまだ赤くならないメス)

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   ②の写真はバンのつがいです。湖沼、川、水田、湿地などに生息し、公園の池などにも生息することがあります。長い趾を高く上げながら水際や浮いた水草の上を歩き回り、泳ぐことも水に潜ることもできますが、足に水掻きはなく、尾が高く上がった前のめりの姿勢でぎこちなく泳ぎます。食性は雑食性で、昆虫、甲殻類、植物の種などいろいろなものを食べます。「クルルッ」と大きな声で鳴き、この声から水田を外敵から守る番をしている鳥として名前の由来になったとされます。

オオバンのつがい(左がオス、右がメス)

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   こちらのオオバンも雌雄同色のつがいですが左の身体の大きい方がオスです。湖沼、湿原、水田などに生息し、非繁殖期には大規模な群れを形成することもあります。英名cootは鳴き声に由来するという説もあります。食性は植物食傾向の強い雑食で、主に水生植物を食べ、魚類、鳥類の卵や雛、昆虫、軟体動物等も食べます。和名はバンよりも大型であることに由来し、夏羽は後肢の色彩が黄緑色や緑青色、冬羽は後肢の色彩は灰緑色。幼鳥は全身が黒褐色、喉から胸部が白い羽毛。

④https://www.nature-engineer.com/entry/2018/12/22/080000より引用の幼鳥バンの大きな正足のような欠蹼足のようでもある趾

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   バンの特徴はこの緑色の大きな趾(あしゆび)です。この趾のことは正足と他の野鳥ではいいますが、水鳥のバンは不得意ながらも泳ぐことも、偏りながらも潜水することもできます。同じ水鳥の欠蹼足のアジサシのようでもありません。不思議な趾を持つバンですが、大きな趾が泳ぎや潜水に役立つのでしょう。ヒナは生まれてすぐに歩くことができ、巣立ちも早く、成鳥はひと夏に2回繁殖することもあり、二度目の繁殖では1度目のヒナがヘルパーとして両親の手助けをするといいます。

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/sdknz610.exblog.jp/amp/10165510/より引用のオオバンの弁足

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   同じクイナの仲間で漢字表記が「鷭」と「大鷭」と身体も大きいか、小さいかのバンオオバンの二種は①の写真のように仲良く泳ぐことや採餌している写真は良くネットで見かけます。バンと比べてオオバンは額の色が赤いか白いかだけでなく、④のバンの趾と⑤のオオバンの趾を比べてお分かりになる様に、大足の正足かオオバンの弁足かで違います。カイツブリも弁足で、木の葉形状の水掻き(弁足)があるため、バンよりも泳ぎは上手いです。水上の蓮の上などはバンが上手いです。

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