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第922回 (続)ちょっと変わった野鳥の趾

①http://shige.tubakurame.com/newpage422.htmlより引用のオオバンの瓣足

②http://www.city.ichikawa.chiba.jp/shisetsu/haku/sizen/dayor/dayor_30.htmより引用の水鳥の趾

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   前回の第912回で変わった野鳥の趾で、陸の野鳥を中心に語ったつもりですので、この回では水鳥の趾を語らせて頂こうと思います。前回もダチョウのように趾が二本しかない珍しい野鳥を紹介しましたので、この回の始めは①の写真のオオバンの瓣足(弁足)です。ひれ状の弁がある趾で、カイツブリの仲間や、オオバンバンヒレアシシギがこの趾です。辯足の利点は脚を前方に戻す寸前で
ひねって弁膜の向きをかえ、水抵抗を少なくすることができ、カイツブリはこの趾で潜水します。

③http://diastataxy.jpn.org/sg1303_kotidori_web.htmlより引用のコチドリの半蹼足

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   ③の写真はコチドリの半蹼足です。第912回ではアオサギの半蹼足を語りましたが、コチドリの場合も同じ趾です。半蹼足とは趾の水掻きが小さいです。サギ科、セイタカシギ科、シギ科、チドリ科がその種に当たります。またシギチの仲間はよく生態が似ていますが、チドリの趾は三本で、第一趾である後趾がないのです。同じ半蹼足でも、三本趾のチドリと四本趾のシギやサギと言うことになります。しかし、この三本趾の半蹼足のチドリなどは木の枝には止まることができません。

④https://www.google.co.jp/amp/s/reddaruma.exblog.jp/amp/7445575/より引用のシロアジサシのヒナの欠蹼足

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   ④の写真はシロアジサシのヒナの欠蹼足です。水掻きの切れ込みが深いのが特徴です。まだシロアジサシの場合はヒナの頃はご覧の通りはっきり見て取れますが、成鳥になるほど小さくなって、第二趾と第三趾の間が欠落していきます。やはり昔は泳いでいたのが、環境の変化か何かで退化していったのだと思います。

⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/201602090000-amp/より引用のマガモの蹼足

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⑤-2.http://diastataxy.jpn.org/sr1134_kawau_web.htmlより引用のカワウの全蹼足

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   ⑤-1.の写真のマガモの蹼足と⑤-2.のカワウの全蹼足の写真を見比べてみておんなじではないかと思われる方も多いと思います。それは半蹼足と欠蹼足も何かよく似たものと私自身も感じます。ましてマガモカワウは身近な野鳥です。それだけに気になります。その違いは外見では判りにくいですが、蹼足は第一趾を除く三本の趾に水掻きがあり、全蹼足は四本すべてに水掻きがあります。また全蹼足の趾なのに、カワウは木の枝に止まることができ、マガモは止まることが無理です。

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