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第842回 江戸言葉の鳥たち ⑴

①https://kurasu.tokyo/2016/05/27/下町町人のべらんめえな「江戸言葉」/より引用の絵画

   『江戸洒落言葉』があり、その中でもやはり鳥たちがいくつも関わりを持っていました。その良く似た言葉の遊びのようなものに『江戸言葉』もあります。『江戸言葉』と言いますと、タイトルにもありましたように「べらんめい」「がってんだ」「てぇへんだ(たいへんだ)」とか、東京都中心部(かつての江戸)で使われていた日本語の方言で、江戸鈍りや江戸語などとも呼ばれるほか、下町言葉と呼ばれることもあります。山の手言葉等と共に東京方言を構成しています。

マガモのオス(左側)の緑色の首のこと

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   (あ行)  1.②の写真は青首→真鴨の雄は捕獲が禁止され、売買も役人の検印が必要。2.明烏(あけがらす)→夜明け頃に鳴く鴉=男女の別れを表すもの。3.浅黄鴨→浅黄色の半天を着た小者。黒半天の「黒鴨」より更にみすぼらしいとされた。例文:「藪医者は 浅黄鴨など つれてくる」4.頭の欠けた鳥→蝙蝠(コウモリ)の異名。頭に比して耳の大きいところから。5.家鴨(アヒル)→深川の岡場所の異称。例文:落語より(二百のことをガアと申します。ガアを二つで一本になりますから、泊が出来ます。ガアガアといふものはハ、家鴨より外ござりません)=「ふか川は 海にあひるの 居る所」6.有難山の時鳥(ありがたやまのほととぎす)→山ほど感謝するで「有難山」山と付いたので、ホトトギス  

③https://plaza.rakuten.co.jp/turbo717/diaryall/?PageId=2より引用の「頂山」

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   (あ行)  7.好鳥(いいとり)→自分にとって大変に都合が良いもの。良い鴨。8.③の写真は頂山の鳶烏(いただきやまのとびがらす)→「いただきます」から、山の頂。鳶や烏は飛んで来て物をさらっていくから、思いがけず手に入ることを表現。9.意地雁股(いじかりまた)→荷物を運ぶ時の足の形。中腰で両足を広げた状態。がに股。例文:川柳「五百両 いじかり股に 歩かせる」10.鵜の反吐(うのへど)→鮎の異称。鵜飼において、鵜が一度飲み込んだ魚を吐くことによる。11.鵜の目返(うのめがえし)→布を強化するために、糸で点々と差し縫いすること。例文:「手には鷹 足には鵜の目 返し也」12.鵜の目鷹の目→鵜が小魚を探すような、鷹が小鳥を探すような、懸命に物を探し出そうとするさま。

ウズラといえば…

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   (あ行)  13.④の写真は(ウズラ)→❶芝居小屋の後方の安い席が鶉座敷  ❷鶉餅。中に塩餡を入れた饅頭。14.餌差(えさし)→鷹の餌にする小鳥を捕える人。江戸幕府にはこの役職があり、鷹匠の配下。15.江戸雀→江戸の事情に精通した人。例文:「椋鳥も 毎年来ると 江戸雀」16.小鷹結び(おたかむすび)→帯の結び方の一つ。小鷹が飛び回っているように見える。17.尾羽打枯らす(おはうちからす)→鷹の尾と羽が傷んでみすぼらしくなる意。落ちぶれて以前のおもかげのないこと。

⑤https://rekijin.com/?p=13787より引用の色んな戦国の戦いの包囲陣の形

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   (か行)  18.掻立(かきたて)→行灯の灯心を押さえる心押し。鶴のデザインが多い。19.⑤の写真は2鶴翼(かくよく)→鶴が翼を広げているような形に陣を張り、敵を包囲する。20.籠の鳥→吉原の遊女。廓から自由に出られず、年季や借金に縛られているさま。例文:「籠の鳥 三度目からは 餌付くなり」(馴染みになる)  21.風吹烏(かざふきがらす)→風が強いとカラスも真っすぐ飛べない。よろめくので、酔って足取りのしっかりしないさま。22.鴎髱(かもめづと)→髱(たぼ)の長く反った髪型。より細いものは「鶺鴒髱」。髱が、鳥の尾のように長い。23.烏金(からすがね)→朝借りて、夕または翌朝に返す小口の事業資金。カラスが早朝に町に来て、夕方には帰って行くのに掛けた。

⑥https://www.pinterest.jp/pin/737605245192703121/より引用のキセルの「雁首」

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   (か行)  24.雁瘡(がんがさ)→湿疹など、特に手足にできるもの。雁が渡ってくる頃でき、去る頃に治ることから。例文:川柳「うるさゝは 初雁がねを 脛で知り」25.⑥の写真は雁首(がんくび)→煙管の頭。たいていの人が煙草を吸っていたので、「まぁ一服」となり、何人か人が集まることを「雁首揃える」といった。26.鳩首(きゅうしゅ)→
人が集まって相談する様を、鳩が集まる様に掛けた。27.九の鳥(くのとり)→鳩の異称。文字の洒落。「八の字で 九の鳥を書く 御神号」(八=八幡の表象)  28.黒鴨→紺の無地木綿物をつけた草履取り、下男など。例文:「あひるでも 追えと黒鴨 弐朱もらい」












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