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第1735回 日本を去る直前のツバメは?

https://xn--bdkya3c.xyz/archives/304より引用の毎年春になると帰ってくるツバメ

   皆さんもご存知のツバメは夏の時期を日本という生まれ故郷で、また繁殖する「夏鳥」といわれる渡鳥です。春になると、フィリピンやベトナム、マレーシア、インドネシアなど遠く南の方からはるばる日本へ帰ってきます。この飛行距離は、およそ2,000km~5,000kmにもなります。詳しいことは分かっていませんが、ツバメは太陽の位置を目印にして方角を把握していると考えられていて、道に迷う心配もありません。日本へは沖縄、九州を経て、自分の生まれ故郷に北上します。

②https://inaka.tkj.jp/archives/5434/より引用の生まれ故郷に着いたばかりのツバメ

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   生まれ故郷の日本に最初に辿り着くのは、他ならぬオスのツバメです。昨年に子育てをしたベテランのオスと、昨年に産まれた若鳥が古巣の現場の下見をしに来ますと今までは言われていましたが、じつは昨年巣をつくった場所に戻ってきて、オスは同じメスを待つけれど、メスは待たないらしく、子どもたちは人間と同じで、自分たちの生まれ故郷の場所へは戻ってこず、新地を開拓するようです。しかし、ベテランのツバメは生まれ故郷のその場所に留まり、つがい相手を待ちます。

③-1.https://0kara.hatenablog.com/entry/2017/06/09/231142より引用のツバメの子育て

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③-2.https://blog.goo.ne.jp/niche20140501/e/7467f987b1b0f8cf2d71939dc8358ea4より引用の巣立ち直前のツバメのヒナ

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   そうこう時間が経ち、メスたちがやってきて、オスのツバメの有名なさえずり「土喰って、虫喰って、渋い」が街中のあちこちで聞かれ、かつてのつがい相手や、今年初めての若いつがいが誕生し、いつものように街中の民家の軒先に③-1.のような営巣が見られます。つがい揃って七月中は親鳥が交代で虫をせっせせっせとヒナたちに運んで③-2.のように営巣は溢れ落ちそうなばかりに、巣立ち間近なヒナたちでぎゅうぎゅう詰めの状態です。このヒナたちは順番に巣だって行くのです。

④https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/423807より引用の親鳥からまだまだ給餌されるツバメの幼鳥たち

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   どんな野鳥の子育てもそうでしょうが、ヒナたちが巣立ちしたからといって、親鳥からしますとまだまだ、巣立ったからといえどもヒナから幼鳥になったばかりなので、まだまだ自分で虫を捕獲することは出来ないのです。しかし、幼鳥は幼鳥で兄弟姉妹が飛ぶ練習をしている姿をよく見かけます。仲良く電線に並んでひと休みしている場面もよくあり、幼鳥たちはもといた巣の近くに降り立つのでしょうが、餌を運ぶ親鳥にとっては我が子といえども、探し出して給餌するのは大変です。

⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/usagida/2015/09/18/6421.htmlより引用の子育てを終わったツバメの集団

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⑤-2.https://dailyportalz.jp/kiji/140820164940より引用のツバメのねぐら

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   もうお盆を迎える頃には殆どのツバメの姿は街中には探さないほど少なくなって、日々その数をへらします。9月18日〜22日頃は七十二候の『玄鳥去』。⑤-1.はツバメたちが、冬を前に南の国へ旅立つ間際の集合鶴です、 子育てが終わると、巣立った幼鳥と子育てを終えた親鳥は、巣を離れて集団となって過ごします。その規模は数千羽から数万羽といわれ、水辺のヨシ原などにねぐらをつくり、沢山の餌を食べて渡りに備えるのです。翌年になるべく多くのツバメが戻ってきますように。

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