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第1216回 キウイバード

①https://horti.jp/22541より引用のキウイフルーツ

   ニュージーランドでなくても、キウイといえば、キウイフルーツを思い出します。私たちが子供の頃なんかは手に入らなかった外国のフルーツを今は簡単に手に入れることができ、今では近所でキウイを栽培しているところもあります。キウイは樹木の実で柿やリンゴの実の様に、枝にぶら下がって身をつけます。キウイの実は日本の果実で例えるなら、アケビの実の形をもう少し卵形にしたようなものです。そんなキウイの実のような身体をしたキウイバードが②の写真のようにいます。

②http://thecrystalskull.blog135.fc2.com/blog-entry-1326.htmlより引用の飛べない野鳥のキウイ(体長約50㌢)

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   本当はキウイバードがいて、キウイフルーツの名前がつけられたのです。①のキウイフルーツの形と②のキウイバードを見比べて頂ければ、似た感じが分かると思います。ここから先はキウイバードではなく、野鳥のキウイとして、話を進めていきます。キウイの名前はオスの鳴き声が「キー、ウィー」と鳴いたから、は日本のヒヨドリと名付け理由が同じくキウイとなったようです。また、メスは「クルッ」と鳴くみたいです。日本のヤンバルクイナと同じく飛べない野鳥のひとつです。

③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/ji-tensha/entry-12288820087.htmlより引用のキウイのクチバシの先の鼻

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   ニュージーランドの国鳥とされていますキウイは羽毛はごわごわした毛皮状に変化し、翼は退化していて、痕跡が残る程度で飛べません。ケリのように翼の先端に爪があり、尾はほとんどありません。クチバシの付け根の数枚の羽毛はブラシ状となる感覚毛で、暗闇でも周囲の状況を感じ取れる猫のひげに相当します。主食はミミズなどの土壌生物で、一日にミミズ百匹ほど食べます。先端部位に神経が集中し、その触覚で落ち葉の中のどんな動きも感じ取ってしまうレーダーのようです。

③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/27764.ampより引用のキウイの鼻のピックアップ

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   ③-1.,-2.の写真はキウイが土中のミミズなどの土壌生物を感知できるクチバシです。メスのクチバシはオスより長く、鼻の穴はクチバシの先端にあり、鳥類で唯一の嗅覚を誇ります。優れた嗅覚の持ち主で、鳥類一の臭覚です。クチバシの基部の周りに生えている感覚剛毛で触覚が補強されて、クチバシを砂に差し込むと鼻に砂が入りますが、クチバシ内部に弁があり、息を吐けば出て行く仕掛けになっていて、補完的に触角を利用しています。他の野鳥は高視覚、キウイは高臭覚です。

④https://www.google.co.jp/amp/s/w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/27764.ampより引用の左側キウイの卵と右側鶏の卵の比較

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   他の野鳥と違うキウイは趾(あしゆび)が四趾ありますが、後趾は小さく、眼は鳥類で最も役に立たないほどの近眼です。だから臭覚が優れています。また骨は飛翔する鳥のように空気が入っているわけではなく、髄が通っていて、竜骨は完全に消滅しています。体重はメスが大きい分だけ、身体は鶏と同じ大きさですが、鶏の卵の重さは55〜100gに対して、キウイの卵の重さは420gもあります。この大きさの卵を産む鳥の推定体重は約13kg。キウイの体重は2kgしかありません。

キウイタマシギ(奥側がメス体長約26㌢、手前側がオス22㌢)の子育てにそっくり

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   キウイが珍しいのは、体温が普通の鳥は41度に対し、38度と哺乳類に近く、胚の代謝率も親の代謝率も低く、抱卵期間が長くなるようです。夜行性なのに、視覚が発達せず、臭覚が発達、毛皮のような羽毛、穴の中に棲む性質など哺乳類そっくりです。元々ニュージーランドには哺乳類がコウモリしかいなく、天敵がいなかったのも現在の環境を作りました。また⑤の写真のタマシギを思い出しました。身体はメスが大きく、また抱卵の途中からメスを追い出し、その後子育てをします。

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