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第1774回 当時の江戸の鳥

①Twitterより引用の江戸の鳥の左上ダンドクドリ(コシジロキンパラ)、左下ひたき、右が文鳥

   この①の表題の日本画をご覧になってお分かり頂けると思いますが「江戸鳥図」⑴〜⑶でご紹介したように江戸時代に鎖国が解けて、海外から持ち込まれた、いま私たちが家禽として飼っています鳥たちがなんと多いことか。この時代に木の枝の上にいる野鳥をしっかり見ることが出来る双眼鏡が現れたのは実に江戸時代末期のことで、おいそれとこの高価な貴重品を鳥見に持ち出すことは出来なかったと思います。であれば、鳥籠に入れられた今までに見たことがない鳥を図鑑にする方が簡単です。しかし、江戸にも野鳥はいたのです。

②-1.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=20086001510より引用の左が木つつき(アカゲラ)、右がまめまハし(イカル)

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 ②-2.http://www.hegurinosato.sakura.ne.jp/tori_htm/e_uguisu01.htmより引用の柴鶺鴒(ウグイス)

   1.  アカハラ→千住、砂村(江東区北砂、南砂)
あかはら
2.  イカル→目黒、中野   まめまハし                      3.  イスカ→四谷   交喙                                          4.  ウグイス→根岸、三崎   柴鶺鴒
※  三崎は谷中から千駄木の坂で、鶯谷と呼んだ(JR鶯谷駅から1.5km離れている)
5.  ウズラ→西ヶ原、駒場   鶉
※  目黒区駒場は広い野原
6.  ウソ→四谷   うそ                                                 7.  エナガ→綾瀬   えなが
※  綾瀬は足立区
8.  カケス→上野、芝   かけす
※  上野は寛永寺、芝は増上寺

③-1.http://bonsaiscroll.com/bird/春ー夏%E3%80%80雨中郭公図/より引用の鳲鳩(カッコウ)

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③-2.https://shinkou-art.org/exhibition/1511.html/より引用の鸛(コウノトリ)

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   9.  カッコウ→竹塚   鳲鳩
※  竹塚は足立区
10.  かも→隅田川、千住   まがも、あいさ            11.  カワウ→王子、荒川   鸕鷀(ろじ)
※  浜離宮でも繁殖していた
12.  キクイタダキ→高田   きくいただき
※  高田は新宿区西早稲田
13.  コウノトリ→葛西   鸛
※  浅草寺、本願寺、青山の新長谷寺などの屋根に営巣
14.  コシアカツバメ→霞が関、牛込   をにつばめ
※  とっくり型の巣にも言及
15.  さぎ→行徳   鷺、あおさぎ、ごいさぎ
※  冬鳥

④-1.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=20086001771より引用の山鵲(サンコウチョウ)

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④-2.https://www.pen-online.jp/news/art/edo-no-kano-ha-idemitsu-art-museum/1より引用の真名鶴(マナヅル)

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   16.  サンコウチョウ→上野、千住   山鵲
※上野は寛永寺で現在の上野公園
17.  しぎ→不忍池   鷸
※  当時はカンエンガヤツリが多かった
18.  タンチョウ→三ノ輪
※  明治初期に東京に滞在したヴィーンは「隅田川と中川にはさまれた湿地帯でよく見かける」
19.  ちどり→佃島、洲崎、中川   信鳥  シロチドリ?
20.  つる→本所、千住、品川   真名鶴、黒鶴
※  将軍の権威を象徴する高貴な鳥
高田、麻布、牛込、下谷、王子、中野などで捕獲の記録あり。
21.  トキ→千住  紅鶴
※  千住の白髭神社はトキの名所  東葛西、王子で捕獲の記録
22.  ノジコ→山の手  のじこ
※  山の手は、文京区、千代田区、港区など

⑤-1.https://www.pinterest.ca/makoto0966/浮世絵-江戸日本画/より引用の鵠(はくちょう)

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⑤-2.https://doubutsuga.com/portfolio-item/中島来章春草雲雀図/より引用の告天子(ヒバリ)

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   23.  ノスリ→砂村   茅鴟(まぐそたか)
※  砂村は現在の江東区北砂、南砂
24.  はくちょう→墨田大堤   鵠
※  溜池は、現在の港区赤坂にあった溜池
コハクチョウか(⑤-1.の日本画はコブハクチョウ)
25.  ヒクイナ→本所、吾妻ノ森   秧雞(くひな)           26.  ヒシクイ→須田   鴻
※  須田は墨田区堤通の木母寺付近
27.  ヒバリ→広尾   告天子
※  広尾には草原が多かった
28.  ビンズイ→王子   びんずい                                    29.  フクロウ→上野   鴞
※  上野は寛永寺で、森が深かった

⑥-1.https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/363017より引用の雁

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⑥-2.https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/363017より引用の猫頭鳥(みみずく)

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   30.  ベニヒワ→四谷   べにひわ                                   31.  ホトトギス→高田の里、駿河台、谷中、八ッ山
小石川   杜鵑
※  鶯が営巣するアズマネザサの藪がある場所
建築材料のアズマネザサは市街地での需要が多く、市街地から遠くない所で生産されていた。
32.  マガン→千住、浅草   雁、白雁
※  浅草寺周辺には浅草たんぼ、入谷たんぼ
33.  ミソサザイ→本所、竪川   巧婦鳥
※  竪川は、墨田区南部の掘割
34.  みみずく→上野   猫頭鳥   コノハズクオオコノハズク
35.  むしくい→千住、竹ノ塚   むしくい                  36.  ユリカモメ→隅田川   鷗
※  江戸初期の流路変更以前は、利根川と入間川とが合流した下流の俗称が隅田川。武蔵国と下総国の境。

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