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第1782回 演奏家の鳥

①http://komeiviolin.com/blog/より引用のバイオリンを弾く野鳥

   鳥たちの求愛行動のほとんどが、繁殖期に達したオスが相手にしたいメスに対して、さえずり、自分のことに興味を示してくれたメスに対してさらに求愛のアプローチを掛けるのですが、鳥の中には鳴管といって鳥がさえずるのに必要な発生する器官のない鳥たちがいます。そうなってきますと、さえずれないのですから、何か他の方法でメスに対して求愛行動をしなければなりません。有名なのは、キツツキのドラミングや、コウノトリやサギの仲間のクラッタリングが求愛行動です。

②https://www.pinterest.dk/pin/507429083014075636/より引用のキガタヒメマイコドリ(体長約9〜16㌢)

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②-2.https://manabu-biology.com/archives/鳥界のマイケルジャクソン!ムーンウォークがで.htmlより引用のキモモマイコドリ(体長約10㌢)

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   ②-1.のキガタヒメマイコドリはコロンビアのアンデス山脈の西側斜面とエクアドル北西部の雲霧林に生息しています。当たり前かもしれませんが、この鳥はマイコドリの仲間です。仲間は求愛の際、オスが複数羽で集いダンスを披露することから、マイコドリの名が付いています。②-2.のキモモマイコドリキノドマイコドリオレンジマイコドリ等は、ムーンウォークをする鳥として有名になりました。しかしこのキガタヒメマイコドリは同じ翼を使って舞うにしろ変わっています。

③https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10950928377.htmlより引用のつがいのキガタヒメマイコドリ(左がオス、右がメス)

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   キガタヒメマイコドリは③の写真をご覧になってお分かりのように、オスが派手な出立ちで、メスか地味な色合いなので、典型的な性的二型の鳥です。キガタヒメマイコドリは他の鳥と同じように鳴くことだってできます。これは他のマイコドリもそうですが、何故翼を使って、メスに対して求愛行動をするのかと尋ねられましたら、相手のメスがさえずりより、派手なパフォーマンスを好み、その中でもこの鳥は羽根を鳴らす求愛行動。

④-1.https://www.birdfan.net/2018/05/18/62325/より引用のオスのキジの母衣打ち(体長約80㌢)

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④-2.http://jisiginavi.web.fc2.com/20140529oojisigiobane.htmlより引用の求愛ディスプレイ飛行するオスのオオジシギ(体長約30㌢)

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   では日本にはさえずらず、マイコドリのように翼を使って求愛行動を行う鳥はいないのかと尋ねられましたら、真っ先に答えるのは④-1.の日本の国鳥のキジです。キジは写真のように大きく翼をばたつかせる「母衣打ち」という行動がそうです。またその仲間のヤマドリライチョウも行います。またシギの仲間の④-2.のオオジシギはけたたましい鳴き声と共に、爆音のような音を立てて急降下して、求愛します。メスはその行動を耳をすませて聴き入ります。凄い爆音の様に響きます。

⑤-1.https://www.pinterest.jp/pin/146789269091876506/より引用のキガタヒメマイコドリ

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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10950928377.htmlより引用のキガタヒメマイコドリの音を奏でる羽根

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   あの人気番組の「ダーウィンが来た」で、羽を震わせ音を奏で、求愛行動とするこのキガタヒメマイコドリが2011年7月に初紹介されていました。⑤-1.の写真のキガタヒメマイコドリの仕草はスズムシのようであり、またその音色はバイオリンやコオロギを思い浮かべます。⑤-2.の写真のようにスズムシは羽にあるヤスリ状になっている部分を
擦り合わせることで音を出しています。そしてキガタヒメマイコドリの場合は、更に微細な部分が関係しているようです。色んな求愛の一つです。

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