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第1087回 野鳥と短歌 ⑵

①https://go-okuizumo.org/information/521/より引用

②https://tanka.shiojiri.com/tanka-and-shiojiri/より引用の島木赤彦

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島木赤彦(伊藤左千夫の弟子)
1.物を乾すわが庭の木に朝なあさな四十雀来る冬となりけり  (氷魚)→シジュウカラ
2.真菰草風通しよき池の家の晴れのいち日よしきり鳴くも  (馬鈴薯の花)→ヨシキリ
3.さ庭べの石垣の巣に餌はこぶ小雀めの親は人を怖れず  (太虗集)→コガラ
(7)長塚節
1.唐鶸の雨をさびしみ鳴く庭に十もとに足らぬ黍垂れにけり  (長塚節歌集)→マヒワ
2.篠のめに蒿雀が鳴けば罠かけて籾まき待ちし昔おもほゆ (長塚節歌集)→アオジ                                           (8)松坂弘
1.よしきりは翔びたちざまに千切れたるごとく羽撃き角度変へたり  (春の雷鳴)→ヨシキリ
水野葉舟
1.描眼石の底より光るつや見せて雲雀の卵巣にこもり居り

③https://kotobank.jp/word/与謝野晶子-22117より引用の与謝野晶子

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与謝野晶子
1.われなれぬ千鳥なく夜のかぜに鼓拍子をとりて行くまで  (みだれ髪)→チドリ
2.ほととぎす嵯峨へは一里京へ三里水の清滝夜の明けやすき  (みだれ髪)→ホトトギス 
3.つばくらの羽にしたたる春雨をうけてなでむかわが朝寐髪  (みだれ髪)→ツバメ
4.とき髪に室むつまじの百合のかをり消えをあやぶむ夜の淡紅(とき)色よ  (みだれ髪)→トキ
5.しら樺の折木を秋の雨うてば山どよみして鳴くも (舞姫)→カササギ
6.かもめゐるわたつみ見ればいだかれて飛ぶ日をおもふさいはひ人よ  (舞姫)→カモメ
7.天(あめ)とぶにやぶれて何の羽かある夢みであれな病める  (舞姫)
8.帆織る戸へ信天翁を荷ひ入る人めづらしや初冬の磯  (舞姫)→アホウドリ                                      吉井勇
1.自堕落の身を砂の上に横たへぬ信天翁と誰の名づけし  (酒ほがひ)→アホウドリ

④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/若山牧水より引用の若山牧水

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若山牧水
1.愚かなり阿呆烏の啼くよりもわがかなしみをひとに語るは  (別離)→アホウドリ                                                 2.月光の青のうしほのなかに浮きいや遠ざかり白鷺の啼く  (別離)→シラサギ
3.啼きそめしひとつにつれてをちこちの山の月夜にの啼く  (別離)→フクロウ
4.啼く声の鋭どかれども鈍鳥(のろどり)の樫鳥とべり秋の日向に  (渓谷集)→カケス
5.埃たつ野中のみちをゆきゆきて聞くはさびしき頬白の鳥  (山桜の歌)→ホオジロ
6.松の葉のしげみにあかく入日さし松かさに似て山雀の啼く  (路上)→ヤマガラ
7.曇日の川原の藪のしら砂にあしあとつけて啼く千鳥かな  (路上)→チドリ

⑤https://www.amazon.co.jp/黒松―歌集-短歌新聞社文庫-若山-牧水/dp/4803907439より若山牧水の歌集黒松

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8.うち聳え茂れる松のうれにをりてこやかに啼ける繍眼児(めじろ)なるらし  (黒松)
9.かいつぶりの頭ばかりが浮きてをり黒くちひさくをりをり動き  (黒松)→カイツブリ
10.枯松にまひくだりたる椋鳥のむれてとまれるむきむきなれや  (黒松)→ムクドリ
11.窓さきの竹柏(なぎ)の木に来て啼ける百舌鳥羽根ふるはせて啼きてをるなり  (黒松)→モズ
12.呼子鳥啼くこゑきこゆ楢檪枯葉をのこす春の山辺に  (黒松)→カッコウ又はウグイス
13.松葉かくおともこそすれみそさざいあをじあとりの啼ける向うに  (黒松)→ミソサザイ
14.聞きをりて笑みこそうかべみそそざいひたきも声のみなあはれなる  (黒松)→ミソサザイ
15.の鳥なきかはしたる松原の下草は枯れてみそさざいの声  (黒松)→ヒヨドリとミソサザイ

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