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第961回 ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイ サンコウチョウ(3回目)

①https://www.photolibrary.jp/img313/121621_2799285.htmlより引用のイラスト

   サンコウチョウといえば、尾羽が身体の三倍の長さのあるオスの夏鳥であり、また静岡県の県鳥に指定されているサンコウチョウを思い浮かべます。私にとってはまだ見ぬ会ってみたい野鳥の一つです。サンコウチョウの漢字表記は「三光鳥」で、三つの光の鳥と書きます。今回の題名の「月、日、星」が三つの光に当たります。またサンコウチョウのさえずりも「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」で、有名なききなしの一つにもなっています。しかし「三光鳥」で検索してみると…

②https://marinescape.jp/wpb/archives/27460/より引用のサンコウチョウのつがい(左オス体長約45㌢、右メス体長約17.5㌢)

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   サンコウチョウは繁殖を日本で行い、越冬は中国南部からスマトラです。②の写真のように雌雄の区別は尾羽の長さが長いものがオスで、短いものがメスです。羽色は、顔面部が黒紫色、腹部は濁白色、背面はやや赤みのある黒紫色、その他の部分は暗黒紫色で、アイリングとクチバシは明るい水色です。メスはオスの色彩とほぼ同色であり、オスと比較してアイリングとクチバシの水色は不明瞭で、更に背部と尾部はかなり赤みの強い赤褐色をしています。尾羽は体長と同じ長さです。

③https://www.google.co.jp/amp/s/shimesan.com/2018/05/03/20180503p/amp/より引用のイカルのつがい(左メス、右オス体長約23㌢)

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   ネットで「三光鳥」と検索してみましたら、サンコウチョウと別の野鳥に当たります。その野鳥こそ、③の写真のイカルです。イカルアトリの仲間で、和名の由来は口笛を意味する古語「うそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられたウソ。またロウショウチョウという異称があり「シー」と聞こえる鳴き声と、鳥を意味する接尾語である「メ」が和名の由来となっているシメが良く似たアトリの仲間で、このイカルもまたの名を三光鳥と言います。

④https://www.vario-media.net/cute/20181020_43389/より引用のサンコウチョウの育児

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   イカルサンコウチョウと同じく「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」と鳴きます。スズメの仲間のサンコウチョウアトリの仲間のイカルで、種別も身体も色も全く違うのに、鳴き声が全く同じだとは何かの縁かも知れません。そのサンコウチョウの子育ては、哺乳動物の多くはメスだけが育児をしますが、サンコウチョウはオスも育児をします。そして巣立ちが終わった頃には、オスは自ら長すぎる尾羽を自分で抜いて、渡に備えます。

⑤https://livedoor.blogimg.jp/myacyouen/imgs/8/b/8bf93478.jpgより引用のイカルシメの採餌(真ん中三羽がシメ、体長約19㌢)

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   もう一つの「三光鳥」であるイカルは同じ仲間のシメとは仲が良く、⑤の写真のようにお互いの群れ同士が混ざって、仲良く採餌しています。アトリの仲間であるウソは冬鳥なのでこの二種と混ざることはありません。このイカルを含んだ三種は皆んな文鳥のような分厚いクチバシをして、木の実を美味しそうにプチプチと音を立てて採餌します。しかし、サンコウチョウと同じく笛の音色のようなイカルのさえずりの「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」と鳴くのはイカルだけです。

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