第1397回 蜘蛛の糸で営巣する鳥
①https://hibikini.net/tips-trivia/ballooning-spiderより引用の蜘蛛の巣
皆さんもよくご存知の蜘蛛の巣を構成している蜘蛛の糸。夏から初冬にかけてあらゆる場所でも見られる蜘蛛の巣。その巣の糸に巣の主より大きなトンボなんかが引っかかっていたりすると、凄く丈夫に出来ているんだと肝心してしまいます。蜘蛛の巣は人間社会に例えると、漁師さんが網を打って魚を捕らえる網の形に似ています。またその糸の強靭さと言えば、蜘蛛の巣の糸もそうですが、蜘蛛が落ちそうになった時にお尻から出す糸も、蜘蛛の体重を支えるのですから強靭です。
②http://blog.livedoor.jp/tosakatsuo/archives/23307502.htmlより引用のエナガ(体長約14㌢)のつがい
②の写真は可愛いと評判のエナガです。漢字表記は「柄長」と尾羽を尺に例えて柄が長い鳥となりました。その長い尾羽の分を体長約14㌢から差し引くと、約8㌢くらいの小さな野鳥です。またこのエナガは小さいもの同士で群れることが多く、幼鳥などは兄弟やご近所の子供が木の枝に仲良く横並びになり、エナガ団子と言われる群れを作ることがあります。エナガの亜種として、北海道に生息しているエナガは、身体が真っ白な人気者。
③https://www.google.co.jp/amp/s/ellejack.exblog.jp/amp/24149562/より引用の蜘蛛の糸で巣を作るエナガ
エナガはその小さなクチバシを起用に使って巣作りをします。③の写真はエナガが、ガのマユの糸やクモの糸やコケ類などをお碗状に纏めて巣を作ります。巣の形状をお椀状にすることにより、外敵は木のコブだと勘違いします。いわゆる巣を義体化させるのです。さらにその中に集めた沢山の羽を入れ、断熱効果の高い巣をつくります。蜘蛛の糸を使うことで、弾力のある巣の構造となります。小さなエナガは警戒心が強く、巣に帰る時もつがいが揃って帰ると言う慎重差なのです。
④https://zoopicker.com/animals/13476より引用のオナガサイホウチョウ(体長約12㌢)
日本のエナガは蜘蛛や蛾の繭の糸と苔を使って、弾力のある、または苔によって保温性の高い巣を作り上げます。エナガだけが蜘蛛の糸を使うのかというと、熱帯アジアに生息する④の写真のオナガサイホウチョウという鳥は、セッカやウグイスの仲間で、体長約12㌢で尾羽の長さを差引くと、8㌢位の小ささで、やはりエナガと同じく自主防衛の為です。また裁縫で見事な技術を駆使した巣作りをすることで知られています。巣は敵からのカモフラージュとしても役立っているといいます。
⑤-1.http://karapaia.com/lite/article/52289862/image/2466277より引用のオナガサイホウチョウの巣作り
⑤-2.http://karapaia.com/archives/52289862.htmlより引用のオナガサイホウチョウの完成した巣
エナガと同じく小さな鳥の⑤-1.のように、オナガサイホウチョウは細くて少し下を向いたクチバシを針がわりに利用して、蜘蛛の糸や植物の繊維を、木の枝に張り付いたままの葉っぱに、針のような鋭いクチバシで突き刺して、⑤-2.のように次に蜘蛛の糸や植物の繊維で開けた穴の中に糸を通すようにして導き袋状に縫い合わせ、円錐形のゆりかごの土台を作り、その中に巣を作ります。メスが自分を包むように、産まれてくるヒナが大丈夫なように、頑丈なものに仕上げていきます。
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