#34 最寄り駅に着く直前に目が覚める能力

通学時に電車に乗っていると、1日中活動して疲れることや朝早くあるいは夜遅くなんてこともあるので、電車の座席に座って寝てしまうことがある。寝たままだと目的の駅に着いた時に目が覚めなければ下車できず寝過ごしてしまうなんてことが考えられるが、私は通学時に限っては寝過ごしたことは一回もない。寝ていたとしても直前で目が覚めるのだ。

通学だと何回も往復しているから肌感覚で時間を把握できるからだと思うが、ぴったり起きることができるのはやはり才能といってよいと思う。高校の時は片道の中で2回電車を乗り換えて通学していた。つまり、3本の電車に乗ることになり、1本あたり10分くらいかかる。高校生の頃は日頃から勉強が忙しかったので電車内でも参考書を読んだり、国語の課題図書を読んで時間を潰していた。そうして本の内容に入り込んでいると次第に周りの会話や風景に対する意識は薄くなっていき電車内のアナウンスも聞こえなくなるが、本当に、最寄り駅直前のアナウンスのときに一気に周囲の音が聞こえるようになり、スムーズに下車することができる。

また、大学生になってからは遠距離通学で、長い電車では1本で40分かかる。朝の時間帯だと電車が進むにつれてだんだん他の人が下車することで座席が空き、そこに座ったとたん、睡眠不足によりすぐに目を閉じてしまう。乗車してから15分後くらいに座席に座れることが多いため、約25分間寝ることができる。高校の時に比べて外部の音や景色が遮断される時間が長いため、最寄り駅を乗り過ごす可能性は高くなってしまいそうである。しかしながら、着く直前のアナウンスでちょうど目が覚めることでこれもまた毎回下車できる。

毎回の通学コースだから時間感覚が身体に刻み込まれているのだろうが、こうしたことから習慣的な行為の影響の大きさというものを改めて思い知ることができる。良くも悪くも習慣というものは意識せずとも身体が勝手に動いてしまうものであり、思考に対するエネルギーが省略されていくことが実感できる。

また、これと関連するかもしれないが、授業中や誰かの話を聞いているときに、大事な部分を話しているときに聞くための注意がたまたま向いているということもあることに気が付いた。私は日頃から無口で人の話を遮らないため真面目に人の話を聞けている印象を周囲に与えるが、実際は上の空になっていてあまり集中して聞けていないということが高頻度で生じる。そんなときにも、大事そうなことを言っているときにはアンテナが張られそこはきちんと集中して聞けている。

ラジオを聴くときも、全部集中して聞けていないときもあるが、面白そうなところでは直前から集中して聞けていることが多い。こうして周囲からのアラームがなくとも大事なタイミングで意識を向けられることは潜在的な何かがあるのだろうか。または、人間が無意識に行う反射的反応に関係あるのだろうか。今までの経験で培ってきた直感が働くのだろうか。集中し始めた部分が大事なところだっただけで、他に集中していなかった部分でも大事なことを言っていて聞き逃していた可能性もある気がする。

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